複雑・ファジー小説
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- fuck少女と狼少年
- 日時: 2024/02/28 23:16
- 名前: めんだこ (ID: GbhM/jTP)
汚言症という病気がある実は弱気な女の子と、そんな女の子に負けない変わり者な男子のよく分からないとっ散らかったラブコメを描ければなと思いました…!
頭がおかしい作品なので、真面目に読まれないことをオススメします。
完全に自己満足です(笑)
Twitterで目にした「他人の反感を買うような行動を起こさずにはいられない少女」が「汚言症」であることを知って、衝撃を受けました。
例えば、突然街中で「おっぱい!」と叫び出したり「ちんこ!」と叫び出す一見すると頭のおかしい行動をとる女の子のことを意味します。
そんな子が愛される話があってもいいのではないか、と思い立ち、この話を書こうと思いました。
長く続くかは分かりませんが、よろしくお願いいたします。
- Re: fuck少女と狼少年 ( No.1 )
- 日時: 2024/02/28 23:28
- 名前: めんだこ (ID: GbhM/jTP)
心の中の悪口も、地獄みたいな想像も、心の中で思うだけなら勝手なんだ。
ただ頭の中で思うだけなら変な話、何を言ったって思ったって自由。
人の不幸を願ったって、口にしなければ神様にしか気づかれはしない。
人に言えないような言葉を思うのだって、毒づくのだって、そういう衝動は止めても意味のないものだから。
人の心は複雑だから、いつどんな時にも綺麗な心ばかりでいられるわけではない。
でもそんな衝動を抑えられないで、口に出してしまったらもう終わり。
心の中の声をわざわざ自分から言うなんて、禁忌にもほどがある。
本音と建前はいつの時代も必要。
だから私は─────この時代を生きるには、正直者過ぎるのかもしれない。
「お昼ニンニク食べましたよね、息臭。」
そんな言葉を、ふとしたら投げてしまっていた自分に腹が立つ。
─────ああもう、またやってしまった。
- Re: fuck少女と狼少年 ( No.2 )
- 日時: 2024/02/28 23:51
- 名前: めんだこ (ID: GbhM/jTP)
「お昼ニンニク食べましたよね、息臭。」
私の名前は雨宮はるひ。17歳の高校三年生、早生まれ。
前の席の男子が爆睡をかましていたとばっちりで私を指名してきたが、そんな私も答えに迷っていることをきっかけに目の前でカンカンに怒る島田先生を前に、こんなことを伝えていた。
教室はその瞬間シン、と静まり返り…あれやばくね?というこそこそ話が聞こえる。
「な、お前と言う奴はっ…!なんてことを教師に向かって言うんだ!!!」
島田先生がこちらに来て、私を教科書で叩こうとしてくる。
だけど、今更「すみません」なんて言うには虫が良すぎた。
「いつも思うんですけど、この宿題意味ありますか?テストに出る訳でもないですし先生の自己満足ですよね」
畳み掛けるように伝えれば、島田先生は余計に怒り出す。
バコン!と思い切り頭を教科書で叩かれた。
ジン、と痛みが伴い…私はその豪快な一発によろける。
さすがにクスクス、と笑われるが、別に私は今私のことを笑っている人達のためにこんなことを言っているわけではない。
─────そう、止められないんだ、本音を。
それだけじゃない。
おまけに…。
「お前みたいな馬鹿がいるから、この学校の偏差値は上がらないんだ!」
そう言われたのと同時に、ダメ、ダメ、ダメ…と押さえ込んでいた衝動が溢れかえってくる。
だめ、それだけはだめ─────!
気づけば私は中指を突き立て、島田先生を睨んでいた。
「この野郎!」
その後で、バキッと殴られ、私は教団の前に倒れ込む。
焼けそうな痛みが頬を襲い、じんわりと涙が浮かび視界がぼやける。
私はどうやら、本音を隠せない病気があるらしい。
「ごめん、なさ…」
違う、違うんです…こんなこと言いたくもないのに、相手を侮辱するような言葉や行動が浮かんで止まらない。
さすがに女子生徒殴るのはやめましょうよ、と生徒のうちの一人が私を庇ってはくれるが、島田先生の怒りを沈めるにはもう遅かった。
「立て!」
そう怒鳴られ、私はまた次の衝動を抑えきれずに吐露していた。
「やあだね、誰が立つか!」
こうしたら、殴られるって分かってるのに。まるで二重人格。誰が別の悪魔に身体でも乗っ取られているんじゃないかってほどだ。
その後、私は慌てて立とうとしたが
「貴様ァァァァァ!」
と島田先生の怒号が鳴り響き、鉄拳が顔ど真ん中をめがけて突っ切ってくる。これ、もう顔にめり込むなって思ったその時。
「遅れました、すいまっせん」
そんな声とともに、島田先生の怒りはそっちへ向かった。
「京極、お前まで人を馬鹿にする気か!」
そう、その背の高い京極と言われた男はこちらにやってきて切れの長い瞳で私を見下ろしてきた。
「お前、もしかして殴られた?」
そうして頬に触れてこようとしたところで
「止めて。触らないで」
私はその男の手を払い、着席する。
可愛げがないと言われたって構わない、せっかくの高校三年生デビューをしようとしていた今日がもう既に台無しだ。
こんなの全然、いい子なんかじゃない。…お父さん、お母さん、ごめんなさい。
- Re: fuck少女と狼少年 ( No.3 )
- 日時: 2024/02/29 00:06
- 名前: めんだこ (ID: GbhM/jTP)
「恭介、遅せぇよ。」
そう言われて、入学式に遅れてきたその男は悪りぃ悪りぃ、と謝りながら机に座る。
「…。」
運が悪いことに、私の隣の席だった。
チャイムが鳴り、出ていった島田先生を後に私は完全に教室から浮いていた。
人に囲まれるこの男からの視線を除けば。
「なあ、どうしたん雨宮。何かあった?」
話しかけてくるそいつを睨み、「おお、怖」なんて笑われる。
これでまた一人ぼっちだ。せっかくクラス替えをしたのに…また人に対して中指を突き立ててしまった。
「…あんまり関わらない方がいいよ、私と」
私が言えば、その男は楽しげにニヤニヤしながら「え、何で?」と伝えてくる。
「…だって私」
「─────fuck女」
「…え?」
「だろ?お前のあだ名。去年それで虐められて頭から卵被ってたじゃん」
「知ってるの?」
そう、私は─────トゥレット症候群、すなわち汚言症という病気を人に隠して過ごしているうちに壮絶な虐めを受けるようになった。
生徒、教師ともに。
それが嫌で特進コースから普通科にうつった。
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