複雑・ファジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 愛されたい少女は…
- 日時: 2024/04/15 22:06
- 名前: ぱ ぴこ (ID: 0KA0zeB4)
私には愛してくれる人がいない。
親は私が1歳の時に亡くなり、いままで育ててきてくれたおばあちゃん、おじいちゃんも最近亡くなった。
ろくなお金がなく、毎日同じ服を来ていく。当然、そらなりの臭いもする。
そのせいか私は虐められており、机の上にはゴミまみれ。ブス、臭い、死ねなど、いろいろな悪口が書かれている。
毎日泣いていた。帰ったら泣く、帰ったら泣くの繰り返し。
当然、だれも助けてくれない。私を助けたらいじめの標的にされるからだ。
でも、最近は泣かなくなってきた。慣れすぎたからだ。悪口を言われるのにも慣れ、ゴミを置かれるのも慣れた。
急に目から涙が出てくるだけだ。
そんな私は今日も学校にいく。
本当はとても休みたい。だけど、おばあちゃんとおじいちゃんが頑張って出してくれたお金だから、それを泡にするのはもったいない。
学校に転校生が来た。
その転校生の名前は、『宮田流星』という名前らしい。いたって普通の名前だ。そんな宮田が、私の席の隣なのだ。私の席はものすごい異臭がするので、みんな近寄りたがらない。
多分その宮田も、私の席の隣が嫌で、変えてもらおうとするだろう。
でも、宮田の返した返事は思ってもいないものだった。
先生 えー、宮田の席は…変えるか
流星 いや、別に変えなくていいです
先生 え?でも、そこらへん、ものずごい臭いがするぞ。
クラスのみんながクスクス…と笑う。
私は下を向いてしまった。
宮田 いや、いいです
先生 そうか?嫌になったら言うんだぞ。
先生は、虐めを見てみぬふりする。自分のクラスの評価が下がってほしくないのだろう。
先生 えー、ホームルームを始めるぞ。出席確認ー
宮田が席に座った。そして、私に話しかけてきた。
宮田 なんでなんもしないの
なんもしないのって…
私 ごめん。嫌だったら変えていいから
宮田 いやそうゆうことじゃなくて
私 え?
宮田 なんでそんな机に書かれてるのに消さないの
私 え…
宮田の言葉に動揺してしまった。
私 え…えだって、消してもまた書かれるから
宮田 は?
私 もったいないから
宮田 ……
引かれた。引かれたわ。
宮田 ……俺から言ってやるよ
私 は?
宮田 俺から落書きすんのやめろっていうの
私 …気持ち事態は嬉しいけど、そんなことしてるとあなたまで虐められるよ
宮田 俺が虐めをなくす
私 っ…
一番聞きたくない言葉を聞いてしまった。
私 やめて
宮田 やめない。なんで?
私 他の人に迷惑かけるわけにいかない
宮田 はぁ。他の人に迷惑かけるわけにいかないって……お前一人で抱え込みすぎ
私 それでも!やめて。宮田には普通に過ごしてほしい。席も変えて。私と関わってるとろくな目に合わないから!
宮田 は?お前がいる限りおれは普通に過ごせない
私 ……いいの
宮田 なに?
私 私が、私がいなくなればいいの。
よく考えてみると私が存在してる意味って…ないよね
私 あと、転校生なのに口ツッコミすぎ。しゃしゃらないでよ
宮田 しゃしゃってなんか…
私は席をたった。
私 すいません。トイレいきたいです。
どうせ死ぬんだから、笑われたっていい。もう、 どうでもいい
先生 お、おう
席をたつ。
やっとこの苦しい空間から抜け出せた。屋上…開いてるはずだよね
私は屋上に向かった。
そのころ…教室
宮田視点
くそ…なにしにいったんだよ。本当にトイレなのか?気になってしょうがねえ、
いてもたってもいられず、席をたった。
宮田 すいません!!お腹いたいので保健室行ってきます!!
先生 お、おう…?
あいつ…探すか。
探して5分
ハァ…ハァ…くそ、どこにもいね…
あいつと話したことを思い出す。
あいつ…たしか
『私が、私がいなくなればいいの』
とか言ってた…
まさか!
最悪のケースを予想して、俺は屋上に向かった。
- Re: 愛されたい少女は… ( No.1 )
- 日時: 2024/05/03 21:03
- 名前: ぱ ぴこ (ID: 0KA0zeB4)
ガチャ
私 あ…開いた。……あはは、よかった
宮田 はぁ…はぁ…あ!" 美桜 " !死のうとしてんじゃねえよ!!
美桜 宮田…なんで、私の名前っ…
宮田視点
美桜は笑っていた。というより、安心していた。その先には、少し、不安そうな表情もある。
美桜 や、やだなあ…死のうとなんか、してないよ…ただ、ただ、景色を見たいだけ。宮田は、授業戻りな?ねっ?
宮田 お前、嘘つくとき、いっつも笑うよな。えくぼも出てるし
美桜 ……なんで、なんで、知ってるの。そんなクセ、誰にも話してな…
宮田 子どもの時から、ずっと変わってねえ。
美桜 ……あなた、もしかしてー…流星?
宮田 そうだよ。姫野美桜
美桜 流星…
あはは、それならなおさら都合がいいわ。流星、見ててね?
美桜は笑いながら屋上に入っていった。
まさか。俺は走って美桜のことを追いかけた。
美桜はー
流星 おい美桜!手、話したらゆるさねぇぞ!?
美桜 あっはっ…流星、なんでそこまでそうしてくれるの?私は、私は、死ぬだけなのに。
流星 それは、お前がー
その瞬間、美桜の手がスルスルと抜けた。
流星 美桜っ!!
おれは、美桜の後を追いかけるように校舎3階から飛び降りた。
美桜視点
気がつくと真っ白な部屋に来ていた。
美桜 ん…
看護師 あ!美桜さん!大丈夫ですか!?!?
美桜 ここ、どこですか…
看護師 っ…ここは病院よ。
美桜 病院……流星は!?流星は!?
看護師 流星君ね。流星君なら、あなたの隣にいるわよ。
隣を見ると、流星が涙ぐんでた。
美桜 流星、流星…
流星の手には包帯が巻いており、頭も怪我している。
流星 美桜、大丈夫か
美桜 流星……ごめんなさい
私のせいで、流星がっ…ごめんなさい
流星 気にすんなよ!?俺が引き留められなかったのがいけないんだし
美桜 違う…違うの。ぁ…私に、近づいたら臭いの移るから…
流星 臭くなんかねえよ
そういって流星は私を抱き締めた。
今まではりつめてた気持ちが爆発した。
美桜 流星……ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんな…
流星 それ以上ごめんなさい言ったらぶつぞ。
美桜 流星っ…
たくさん泣いた。
Page:1