複雑・ファジー小説
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- 四月、また“ガッコウ”で会いましょう
- 日時: 2025/08/13 18:21
- 名前: 桐乃葉響 (ID: Kw9QCOws)
四月未明、“ガッコウ”の入学式にて、探偵服に身を包んだ黒髪の少年と巫女服を着た白髪の性別、年齢不詳の子供が反乱を起こした。少年の方は教師の罪を暴き出し、自身の能力で教師のことを殺した。白髪の子供は自分の能力である炎で体育館を全焼させた。それ以来彼らは畏怖され“夏初月“と呼ばれるようになった。そして今は地下の牢屋に閉じ込められている。
「暇だぁ……。おい、そこの君ィ、何か退屈を紛らわせるような本ない?」黒髪の少年が聞く。彼は夏初月の一人でつい先ほど人を殺したばかりだ。
「は?何を言っている。お前は人を殺したんだぞ?数時間も経っていないのに……」看守がやや苛立ちげに答える。
「だから?あの教師を名乗ったアレは自分の親を殺し、妻を殺し、子を殺した。しかも無関係な者も殺している。そんなのを許していいの?」鋭く相手を見据えながら少年が言う。
「気味が悪い……」看守はそう呟く。
「……」少年は幼少期の頃__と言っても最近だが___を思い出していた。
家では気味が悪いと言われるのが日常茶飯事。親は自分には興味がなく、いつも政にしか興味が無く、うんざりしていた。でも____
「懐かしい……」
その時、薄く鉄の扉が軋みながら開く音がした。そこには看守が立っている。
「君どうしたの?まさか釈放でも……?」少年が嬉しそうに言う。
「違う。これ読むか?」看守が紙切れを差し出す。
「ここには本がないんだ。学園長の言いつけで……」寂しそうに看守が言う。
「へぇ……ありがとう。大切に読ませてもらうよ。ところで君、名前は?聞いておきたい」少年が言う。
「月島、月島晴人。お前と同じ十二歳」看守__いや晴人が言った。
「あ、名前言ってなかったっけ?ボクは夜霞、夜霞雷夜」そう人殺しの少年__雷夜が言った。