二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: *仮面ライダー* ( No.28 )
- 日時: 2011/08/30 16:24
- 名前: 優貴 (ID: uy93aNdK)
よし、学パロ書くぜっ!
まずは映司&比奈ちゃんとアンクの接近のきっかけ話。
「ちょっと待ってー! 比奈ちゃん!」
比奈が一人で帰ろうとしていた所を、一人の男が呼び止める。
比奈はその声の主の方へ振り向くと、途端に表情をぱっと明るくさせた。
「映司くん!」
映司と呼ばれたその男も比奈の笑顔を見てにっこりと微笑むと、一緒に帰ろうよ、と明るい声で言った。それを聞くと比奈も嬉しそうに微笑み、そうだね、とこくりと頷いた。
普通、この年頃になってくると、“恋人同士でもない男女が二人きりで帰る”なんて事は珍しいように思えるが、通っていた中学校が同じで帰る方向も途中まで同じだし、第一この二人は、性別なんて関係なく誰とでも仲良くできるような性格のため、高校に入学した頃から部活動のある日は二人で帰る事が自然と定着しているのだ。それに、二人だけでなく、入学した当初は“ヒュー、ラブラブだねえ〜”等と冷やかしたりしていた周りの人間も、今となっては何の違和感も抱いていない。
「比奈ちゃんのお友達は、今日は皆部活なんだよね」
「うん。映司くんもなんでしょ?」
ちなみに二人は帰宅部である。しかし二人の友人は殆どが部活動に入っているため、部活動のある日はこうして二人で肩を並べて帰っているのである。
「服飾部とか手芸部とか、あれば良かったのになあ……」
「将来服飾関連の職業に就きたいって、そういえば前に言ってたよね」
二人が仲睦まじく雑談をしながら帰路を辿っていた所、映司がふと何かに気付いた。
映司の目に飛び込んできたのは、制服を乱雑に着崩し、髪を綺麗な金色に染め複雑な髪型に整えた、長身でかなり細身の男子生徒。まさに誰が見ても“不良”という感想が返ってきそうな外見をしている。
その男は今にも倒れそうな程ふらふらとした足取りで、時々躓き転びそうになりながら歩いていた。
すると彼は、ブロック塀に凭れたかと思うと、いきなりどさりと地面に倒れこんだ。
「! 大変!」
比奈は映司の叫びでその男の存在に気付いたらしく、少し怯えた様子でその男を見つめていた。しかし映司がその男の方へ駆け出すと、どうしようかと悩む素振りを見せた後、意を決したように映司の後を追い駆け出していった。
「大丈夫ですか!?」
映司はその男のそばにしゃがみ込むと、不安そうに大丈夫かと問いかけた。その時やっと、その人物の正体に気がついた。
(え……この人って……)
遠くからであったのと自分達とは違いブレザーであったため気がつかなかったが、見れば彼はクラスメイトの一人だった。——それと同時に、“鴻上高の王”と称され恐れられる五人の内の一人であった。
赤羽アンク。世に言う“不良”である、らしい。
喧嘩でもしていたのか、白い肌の所々に傷がついており、紅蓮の鮮血が滲んでいた。映司は、その様子を見てぞわりと背筋に寒気が走るのを感じた。少し遅れて駆けてきた比奈も、声にならない悲鳴をあげた。
「あのー、だ、大丈夫ですかっ? 聞こえてますか? もしもし? もしも……」
「……うるせえんだよ」
低く重たい声にびくりと肩を跳ね上げると、映司は彼の顔を恐る恐る覗き込んだ。
すると彼はゆっくりと目を開き、映司を睨みつけた。鋭い目つきをした、長い睫毛に縁取られた大きな目に睨まれ、映司は思わず固まった。
そして彼はそのまま立ち上がると、そのままふらふらとした足取りで去っていってしまった。
「だ……大丈夫かな、あの人……」
彼の姿が見えなくなった瞬間に比奈が不安げに呟いた言葉に、映司は、眉を僅かに八の字に曲げ、静かに頷いた。
これが彼らの、接近のきっかけだった。
*続く*
次か次の次くらいには映司&比奈ちゃんとアンクが親しくなっている予定です! その後は思いついたものを気ままに書いていく予定です!(例えば伊達先生と後藤さんの話とか…かな?w)