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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【悪ノ召使】ボカロ系で小説書いてみる。……かな【作成中】 ( No.10 )
- 日時: 2011/06/06 22:52
- 名前: ゆn ◆USIWdhRmqk (ID: XLtAKk9M)
でも、その事実に気付いてしまった王女様は、
その娘の事を「消して欲しい」と。
そう召使に告げたのでした。
召使は、瞬間驚いたような泣きそうな……混沌とした、複雑な表情になりながらも、
「解りました」
そう告げ、王女の命令に答えたのです。
どうしてか……涙が一向に止まりません。
その理由を一番知っている召使自身が、その涙の可能性を否定したのです……。
君は王女、僕は召使。
運命を分けられた狂おしき双子。
「今日のおやつはブリオッシュだよ」
君は笑う。無邪気な笑顔を僕に見せて。
もうすぐこの国は終わるのだろう。
怒れる国民達の手で……。
これが、王女に下された“報い”というのなら、
僕はあえてそれに逆らおう。
他の家臣たちが逃げ出しても。
王女の周りが敵だけになっても。
僕は王女を守り続けるために、報いに逆らおう。
「ほら。僕の服を貸してあげるからさ? この服を着て君は早くお逃げなさい」
ニッコリと王女を励ますように……。
それでいて、泣きそうな声で言いました。
「大丈夫。僕らは双子だよ? きっと……誰にもバレやしないさ」
拒む王女を無視するかのように、涙で歪んだ視界の中で召使と王女は見つめあいました。
その間にも……国民達は王宮の中に乗り込んできました。
召使は自分の服を王女に着せ。
王女の服を自分が着ました。
その姿はどこからどう見ても王女そのものでした……。
逃げ道のない王宮の、狭い狭いクローゼットの中に王女は隠れていました。
僕は王女。君は逃亡者。
運命を分けられた悲しき双子。
君を“悪”などと言うのならば、双子の僕にもその“悪”の血が流れ続けている。
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