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「じゃあ、やれねぇな。大切な薬の代金の代わりに人一人殺すだけでいいって言ってんだ。
金を払うよりも安いだろ？」

瞬間、メグは頭に血が上る感覚を覚えた。
衝動に駆られ、思わず売人の顔をを殴ろうとしたが、いとも簡単にかわされてしまう。
そして、売人に素早く両手を掴まれ、封じられてしまった。

「命なんて安いんだよ。簡単に金で買えるんだぜ。臓器なんて何千万とかしかなんねぇし。
安すぎて笑えてくるよなぁ！　価値の無い人間を殺した方が世の中のためだろ？」

メグの脳裏にとある嫌な記憶が甦る。
苦しい記憶、アイツ等は世の中のゴミだと思っていた。
あーゆー奴がいなくなったら自分みたいな人も少なくなるかもしれない。
　　　　　　
自分の快楽と他人の命。
どちらを取るかと問われれば、
やはり……。

「わかった引き受ける」

自分の快楽を取るだろう。
薬を持っていれば殺しはしないが……仕方がない。
「だよな。お前はそういう女だ」
売人が初めて嬉しそうな笑顔をメグに向ける。
……私はなんもときめいたりしないが……。