二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【パンダが】ボカロ系で小説書いてみる。……かな【ヒーロー】 ( No.30 )
- 日時: 2011/07/03 10:23
- 名前: ゆn (ID: Qz56zXDk)
次の日の夜。
昨日と似たような服を着たメグが再び裏通りにやって来た。
違うところは新しい服ということだ。ゴーグル付きの帽子も新品であり、黒いタンクトップも新しい。
ちなみに長袖で軍服のような上着は腰のあたりに捲いている。ズボンも軍服の様で、だぼっとしている。
黒いブーツにズボンを入れていて、一見軍人のように見える。
この服はメグが1人暮らしをしているボロアパートに朝届けられたものだ。
「よぉ。俺のプレゼントした服を着てくれたようだな」
あの売人の声がし、振り返る。
「探す手間が省けた。……新しい仕事は?」
急かすメグをなだめるように、売人はメグの肩に手を置く。
「それより、昨日はご苦労サン。“パンダヒーロー”ちゃん」
「は?」
“パンダヒーロー”というのはどういうことだろうか?
反応に困っていると、彼が説明してくれた。
「昨日の殺人を見た同業の野郎がいてさ。そいつがお前を見て思いついた通り名だよ」
昨日のあれが見られていたのか……何たる失態……。
ん? パンダヒーロー……あぁ……そういうことか。
メグの肌は青白い。さらに目の下の隈。まるで白い毛で目の周りがが黒いパンダの様。それで、売人にとっての“ヒーロー”か。
「正義か悪か……いや白か黒か曖昧な“正義”のヒーローだな」
売人は、メグは嘲笑うよな笑みを浮かべ、鼻で笑う。そして、近くにあった小石を蹴る。
「噂は、一気に広まってるぜ。後で仕事が殺到するだろうよ」
笑う目の前の男にイライラしながら、腕を組む。
「だから何? さっさと仕事とオピウム頂戴」
男は面白くなさそうに地面にペッと唾を吐く。そして、ポケットから一枚の紙切れとカプセルの入った小さな袋を取り出す。
それを乱暴に奪い取り、見つめる。
「そのカプセル、役に立つと思うぜ。それと、オピウムは仕事が終わったらだ」
メグは溜め息をついて、左手に持っていた金属バッドを握りしめる。今度の仕事大変そうだ。しかもターゲットは男、さらに二人組ときた。
かなりの重労働だ。と心の中で悪態をつきながら、仕事場にむかって歩き出す。
「あ、おい」
男に引きとめられ、振り返らずに立ち止まる。
「昨日は同業に見られたが、今日は誰にも見られないようにな」
「……はぁ。……ふんっ。一度やった失敗は二度も繰り返さないよ」
それだけ言って彼女はまた歩き出す。
売人はそれを見送り、彼女の背中が見えなくなるとケラケラと笑い呟いた。
「さぁて……どうやって殺すか楽しみだな……」