二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【パンダが】ボカロ系で小説書いてみる。……かな【ヒーロー】 ( No.38 )
- 日時: 2011/07/17 00:31
- 名前: ゆn ◆USIWdhRmqk (ID: Qz56zXDk)
「おとなしくしろ! パンダヒーロー!」
あぁ……うるさいな、どこのワンコロだよ……。
メグは口の中で悪態をつく。
ノイズみたいな叫び声を言わないでくれよ……。
耳障りなんだ……人の声も全て雑音だ。
うるさいうるさいうるさい。
……そうか……本当の最後の仕事はこっちなのかぁ……。
夥しい数で全方位を囲んでいる警察たちの真ん中で、けらけらと笑うパンダヒーロー。
「そうだよ。私がパンダヒーロー!」
金属バッドを、空に高らかとあげる。
ただ、その容姿はヒーローと名乗るには、とても恐ろしい姿。
血まみれの少女が、赤い金属バッドを握りしめて走り出す。
赤い光に包まれながらも、走る事を止めない。
金属バッドに新たに赤を加えながら突き進む。
彼女にとって人の悲鳴がとても心地良い。
走って赤い光から逃げる。
後ろからの声なんて気にするな。
パンダヒーローは夜の街を駆けて行く。
その後のパンダヒーローの行方は誰も知らない。
パンダヒーローは誰?
パンダヒーローとは何?
白なのか、黒なのか……ハッキリしない正義のヒーロー。
夜の街を駆けて行っても
“彼女は決して何処にも行けない”
とある場所のとあるラジオ。
それに耳を傾けるとある誰かさん。
ノイズだらけのラジオの言葉は断片的。
《……県の……で……歳の……女性……ザー……殺……れました
……その……は……メグさん……で……死……は……だそ……です……警……は……です。以上で……》
ラジオはそこで消えてしまった。
そのラジオを聴いていたツインテールの緑髪の少女は、クスッと笑いラジオを蹴飛ばす。
「お嬢様。早く行きましょう」
赤髪でショートカットの女性に促され、彼女はにっこりと笑い頷き応える。
「えぇ」
美しい2人は、彼女たちに似合わない夜の街を後にする。
歩きだす時緑髪の少女は振り返り、壊れたラジオの横に置いてある血まみれの金属バッドにこう言った。
「さらば一昨日パンダヒーロー」
お疲れ様。と……。