二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 『ボカロ曲を小説に! —悪ノ王国— 』参照1300突破!! ( No.160 )
日時: 2011/11/15 21:20
名前: ボリーン (ID: PvE9VyUX)

みくるさん)コメントありがとうございます!
この頃更新が遅れていますがこれからも精一杯頑張って行くつもりです!
愉しんで頂けると嬉しいです!


第七話

それは296年の秋・・11月のことだった・・・


ベルゼニア帝国コンチータ領領主ムズーリ・コンチータとその妻メグルの間に女の子が生まれた・・


茶色い髪に同じ色の瞳・・・
バニカと名付けられた女の子はとても可愛らしく誰もがその子の誕生を喜んだ・・



バニカはその後すくすくと成長していく・・

体重は常に周りの子よりも少し重く・・・
きっとそれは美食家で知られていた父.ムズーリの影響だろう・・


ムズーリは食事を残すことが大嫌いで妻、娘にはもちろん使用人達にまで「残さず食べろ」っと厳しく言い聞かせていたそうだ・・

もし食事を残すようなことをすれば容赦なく殴られ使用人ならば即解雇されたらしい・・



そんなこんなで健康過ぎるほど健康に育ったバニカにも15歳の時、縁談が持ち上がった・・

お相手はマーロン国第三皇太子・・・

しかし・・翌年の2月・・突然縁談が破棄されてしまった・・


なんでも両家間で執り行われた会食でもバニカの行動が原因らしい・・
彼女の行動について詳しいことはわからないが噂によると長テーブルに置かれた大量の料理を父の教え通り残さず全て食べきった・・とのこと



その後も彼女の食道楽にはますます磨きがかかっていく・・

それを表すものとしてこんなエピソードがある


319年グレイピア地方の収穫祭でのこと・・・
そこで余興として行われたトマト大食い大会に飛び入り参加したところ大食い大会で優勝するような男性が居たにも関わらず圧倒的大差で勝利したという・・


ちなみに同年9月・・・彼女の体重は70kgを超えた・・・



321年に父ムズーリが死亡し領主となると彼女の食道楽はさらに過激化し翌年にはついに体重が100kgを超してしまった・・


こうなると流石に身体にも悪影響が出始め原因不明の病に臥せて3日間生死の境をさまよった・・

そして4カ月後、オルハリ公爵邸にて開催された晩餐会に出席した時にはスレンダーな身体へと変貌しており出席者を驚かした・・


またいくら病に臥せていたとしても流石に100kgあった体重があそこまで落ちるというのは怪しいと噂がたった・・



そんなことがあったちょうど1年後・・
突然彼女は病気を理由にあらゆる人物との面会を拒絶し始めた・・

領内の実務に関する指示も2人の使用人を通すようになったという・・


関係者によるとその2人の使用人は金髪に青い瞳をした不気味な10代の男女の双子だったという・・



325年3月屋敷で働いていたコックのヨーゼフが行方不明となったことや屋敷周辺から臭う腐臭などから領内でバニカの人食いが噂され始めた・・


その噂が事実であれば大問題でありさらに著名な魔道師.エルルカ・クロックワーカーの勧めもあってベルゼニア帝国は本格的な調査を開始した


しかし調査を開始して一カ月後・・
325年8月にバニカ邸がもぬけの殻であったためバニカは国外に逃亡したと判断されそれ以上の調査は中止となった・・・



第六章 『悪食の御令嬢』
    完