PR
二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ボーカロイド 七つの大罪シリーズ小説 ( No.17 )
- 日時: 2011/07/17 21:50
- 名前: ボリーン (ID: I8/Fw.Cz)
第二章 三話
「此処で・・・わたし達は・・」
グレーテルはいつもと違い・・
死にそうな程、悲痛げな顔をして言った・・
「えぇ・・2人は此処で待っててね・・
絶対に此処を離れちゃダメよ・・」
イヴは意外と軽い口調で言った・・
グレーテルは一瞬不快そうな顔をした・・
「じゃあ・・父さん達は森のもっと深くに行く・・」
何故か哀しそうなアダム・・
今度はイヴが先に立って森の奥へと進んで行った・・
アダムの口が動いたような気もするが声が小さすぎて
聞こえなかった・・
2人はそのまましばらく何も言わずに立っていた・・
先にしゃべったのはヘンゼルだった・・
「姉さん・・どうする??・・・」
グレーテルは少し考えていたが・・
しばらくすると憎そうに母と父が行った森の奥を睨んだ・・
「あいつら・・・クソッ!!」
「ね・・姉さん・・」
「ヘンゼル・・あんたはバカだからわかんないかもしれないけど・・
あいつら絶対わたし達の親なんかじゃないわよ!!
だってまず全然似てないし・・・」
「でもそれだけじゃ・・・」
「黙ってなさい・・・それに・・それに・・・
わたし聞いちゃったの・・・夜に・・あいつらが話してるのを・・
あいつらこう言ってった・・・グスッ・・・ウッ・・」
グレーテルはいつになく弱弱しく泣き始めた・・
ヘンゼルは姉をギュッと抱き締めると
落ち着いて・・っと優しく声をかけた・・
「・・あいつら・・いえ・・あいつ・・あの女・・
わたし達を捨てようって・・・
どうせ誘拐して来た子供なんだからって・・」
グレーテルの言葉を聞いた時・・
ヘンゼルもビクッ!っと震え・・・歯を食いしばって
涙を流し始めた・・・
2人の泣き声が闇夜に溶けていく・・
PR