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第四章　　二話

エルフェゴート初の女性宰相グミナ・グラスレッド自伝
『成功は悲しみの上に立つ』より抜粋

—この際、はっきり言いたいことがある・・・
あの事件について今、改めて考えてみると
優しかった彼がああなってしまった原因はわたしにある気がする—


事件の最初の被害者が出たのはその日の夕方のことである・・

冷たい地下室には美しい女性とあの男・・ヴェノマニア公が居た・・

公爵は先程の冴えないかんじとはうって変わって
前髪は短く眼を隠さなくなり
痛々しい傷跡もすっかり無くなっていた・・・・

元々、素晴らしいスタイルであったため
恐ろしく魅力的な色男になっていた・・・

ピンク色の髪をした美しい女性はすっかり公爵に惚れこんでしまった
ようでうっとりとした目つきで彼を見つめている・・・

その様は昔話に出てくる『惚れ薬』を飲んだ人間のようだ・・