二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ボカロ曲【アンチ×パラジ】 ( No.2 )
- 日時: 2011/07/29 13:43
- 名前: 修羅 ◆SJ8PpDG6oE (ID: UJKTSKz4)
第1話
「姉さん!起きてよ〜。学校に遅れちゃうよ?」
彼、鏡穏憐はいつものように姉、鏡穏隣を起こしていた。
そうでないとネボスケな隣は必ず遅刻してしまう。
二人の親は仕事が忙しく、毎月生活費が送られてくるだけ。
だから二人暮らしのようなものだ。
「ん・・・あ、おはよ。憐」
朝から憐は忙しい。普通家事などは女性が行うものだが
隣は生憎不器用で家事などは苦手だ。だから憐は家事全て
を行わなくてはならない。
「ほら、お弁当できてるから。あとは急いで支度して遅刻し
ないでね。それじゃ、僕はもう行くから。」
「お〜いってらっしゃい。」
憐が家を出た後、隣は学校へ行く支度をすませ、学校
へ向かった。
「隣は弟の憐君とは本当に正反対だよねー。憐君は成績優秀
で甘いルックスでモテモテで皆にしたわれててさー。
やっぱり上がダメだと下がしっかりするもんだねー。」
「悪かったですねー」
昼休み、隣は憐の手作り弁当を頬張りながら友達の茱と世間話のようなものをしていた。
「でも体育だけは憐に負けないし」
「あ〜そっか。
ねぇ、隣。今インターネットの動画で流行ってる
ボーカロイドって知ってる?」
「知ってる。でも私そういうの苦手だからよくはわからない
けど憐が見てるから少しは…」
すると茱は真剣な顔に変わり、話を続けた。
「あのね。ボカロって裏解釈ってのがあって、パラジクロロベンゼンって曲が真実になりかけているの。これは洗脳ソングって言って本当に洗脳されておかしくなっちゃう人が今増えてるんだって。憐君パソコンとかよくやるから気をつけてあげてね。」
「うん?」
キーンコーンカーンコーン……
「あ、時間だ。それじゃまた帰りにね。隣。」
(あの帰りに、私はその話をもっときちんと聞いておけばあんなことにはならなかったのに・・・)
下校時刻、二人はいつもどうりに仲良く帰った。
「で、さっきの続きだけど・・・
洗脳されたらね・・・」
「あのさ。茱、そんなに真面目にならなくてもいいんじゃ
ない?そんなの迷信だよ。もし本当だったとしても憐は
しっかりしてるし大丈夫だって。それじゃあね」
「あっ、ちょっと、隣!」
(どうして逃げるように走ったのかは、私にもわからなかった。なんだか聞いてはいけないような気がして・・・)
しばらくして、憐が部活から帰ってきた。
「おかえり、憐。」
「うん。ただいま」
いつもどうりに仲良く二人で夕食を食べて、
憐に勉強を教えてもらって、二人で寝て。
いつもどうりの日常。いつもどうりの・・・
深夜、憐は一人寝室を抜け出し、暗い部屋の中、パソコン
を開いた。
真っ暗な場所で一つの光だけが輝く。
憐はある動画サイトをひらいた。そしてあの曲を聴いて
しまったのだ。
「ふ〜ん。結構この曲いいかも…。」
そして彼は朝が明けるまで“パラジクロロベンゼン”を
聴いていた。
「ふふふ・・・♪」
次の日の朝、隣はいつもより早く目が覚めた。
居間へと向かうと机に突っ伏した形で寝ていた憐がいた。
「れっ憐!?」
隣は急いで憐をゆり起した。
「どうしてこんな処で寝てたの?風邪ひいちゃうよ?」
「ん・・・ねえ・・さん?」
「ほら!はやく起きないと遅刻するよ!」
やっと憐は起きてくれた。
「なんかいつもと立場が違う気がするんだけどこれは気の
せいかなぁ・・・?」
「ちゃんと寝なかった憐が悪い!」
今日は仕方なく隣の残念な弁当を食べなければいけない
らしい。憐はそれだけは嫌だったので、隣の手作り、弁当
を断り、購買で買うことにした
「あれぇ?憐、今日は主夫、憐の手作り弁当じゃないの?」
「あのさぁ・・・その主夫ってやめて。殺すよ?」
「憐ってそんなに攻撃的だったけ?」
「そうだな。もっと大人しかったような気がする。」
憐の友達の魁斗と雅垢畝は不思議そうに憐を見ていた。
「何言ってるの?俺は前からこうだよ。全然変わってないし、
二人共大丈夫?」
「憐、なんかあった?」
「悩み事があったらなんでも言え。」
憐は悩み事など無かったし、自分がいつもと違っている事
にも気付いていなかった。
そう、それが彼が可笑しくなりはじめた頃だった…
これから彼、鏡穏憐が狂ってしまったことによって、
二人の運命の歯車が廻りだすのだった・・・