二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ボカロ曲【アンチ×パラジ】 ( No.3 )
- 日時: 2011/07/29 13:46
- 名前: 修羅 ◆SJ8PpDG6oE (ID: UJKTSKz4)
第2話
その日をきっかけに憐は狂っていった。変な歌を唄いだ
すし、いつもの彼より攻撃的な性格になっていた。
「憐、最近可笑しいよ?大丈夫?最近学校も全然行ってない
じゃん…」
「それが何か?俺は頭良いからあんな処行かなくてもいい
んだよ。あんな馬鹿で下賤な奴らが行くところなんて行っ
ても意味なんかないし、姉さんもやめれば?」
本当にこれがあの憐なのか、隣は信じられなくなって
しまった。
「僕はなんのために唄うパラジクロロベンゼン♪
ただ意味も理解せずに唄うパラジクロロベンゼンッ♪」
それから憐の事は学校はおろか街じゅうに広まった。
近所の人たちは以前までは親が忙しいく、二人暮らしの
ような感じだったから隣と憐を心配してくれていたのだ
が最近では陰口など言われたり近寄ろうとすると汚い
モノを見るような目で避けたれたりした。
それは学校でも同様で、隣は酷い『いじめ』に遭うように
なっていた。
だが今日も隣は学校へ向かう。
隣の唯一の味方が茱だった。茱は今日も隣に話しかけて
くれた。だがいつもとは少し違った。
「おはよう、隣。大丈夫?まぁ、仕方ないか。私の話を最後
まで聞かなかった罰だよ。ははっ♪可哀そうにねー。
弟の憐君はもう救いようがないね、君は狂った弟を見捨て
て全てを忘れて生きるか、もしくは弟の罪を背負って生き
るかさて、どちらを選ぶのか、楽しみだねー。
ま、どちらを選んでも待っているのは地獄のみ、でも一つ
だけ二人共助かる方法があるよ。」
震える声で隣はすがるように「おしえて?なに?」と
言った。だが、はっきりとした言葉で。
「それはね・・・・
二人で狂っちゃえばいいんだよ♪」
茱は隣の耳で囁いた。
「じゃあね、隣。せいぜい頑張るんだよ。」
笑いながら茱は廊下の先へと消えていった。
その時、茱が真実の●●●●だったとは彼女はまだ知らないのだ。
隣の頭の中である言葉が聞こえた。
『ね・・・さ、姉さん・・・たすけ・・・助けてよ・・やだ・・・
もって・・いかれる・・やだ・・』
「憐?憐なの?大丈夫だからすぐに助けるからね!」
ある日の夕暮れの軌跡だった。
隣は急いで家へと戻った。
「憐!」
「姉さん?なに?煩いなぁ…。」
憐はまたあの曲を聴いていた。
「憐は今、助けてって言ってたよね?ねぇ、憐!
本当の憐は何処?」
隣は必死に憐の肩を揺さぶりながら言った。
「何意味のわからない事を言ってるの?あぁ、わかった。
昔の弱いボクの事だね。ボクね、あの曲、パラジクロロベンゼンを聴いてから変わったんだ。改心したんだよ。
だからあんな僕はもういないんだよ」
隣から一筋の涙が流れ落ちた。
「やだ・・やだよ・・戻ってきてよ・・憐・・・
あああああ・・うっ、うっ・・・」
その傍らで憐はうっすらと笑みを浮かべてい
いいや、もう憐ではないのかもしれない。