二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: ボカロ曲【アンチ×パラジ】 ( No.36 )
日時: 2011/08/18 08:25
名前: 修羅 ◆SJ8PpDG6oE (ID: bd9VsAaG)

第02章

黒猫は通り過ぎて行ったと思ったらまた隣の場所へと
戻ってきた
「猫さん・・・私は何の為に生きているのかな?
  もう生きている意味なんてないのかな?
    このままやっぱり消えてしまった方がいい?」
 黒猫はなにも答えなかった。当たり前だ。猫など話すわけ
 がない。だが、何かを教えてくれそうな気がした。
 話すことはしなかったが、ただ、ただ、見下した目で
 隣を見ていた。
「ふふ・・・私たち・・・一緒だね・・・」
 廻りの者たちは何も聞こえないが彼女は黒猫の声が聞こえたらしい・・・
 隣は黒猫を抱きかかえ、曇り空を見上げた。まるで闇に覆われたかのような夜の空を・・・
「今の私には何ができるのかな・・・」


次の日、隣は学校を休んだ。
それから彼女は・・・・・・
『姉さん……姉さん……』
「憐?」
『そう・・・僕だよ・・・ねぇ、辛いの?
 苦しいの?悲しいの?もしかして・・・
     憎イノかな?』
「大丈夫だよ・・・大丈夫だから・・・」
『辛かったりするときは・・・』
 何処から来たのだろうか、気付いたら隣の部屋の机の上に
 一枚の紙が置いてあった。
「ロズ、これなにかな?」
 ロズとは、先日彼女が拾ってきた猫の名前だ。
「にゃ〜」
 ロズは紙の上に自分の肉級のついた可愛らしい手を
 机の上にぽんと置いた。
「あれ?これ裏返しにすると・・・」

 そこには何かのURLが書かれていた。
「きっと憐からだ・・・とにかく検索かけてみよう」
 その曲こそが。
 あの曲。
 事は彼女の思惑どうりに進んでゆく。
 そう・・・彼女の正体は・・・

 次の日、隣はいつもどうり、暗い顔で学校へと向かった
 いや、あそこはもう地獄なのかもしれない・・・

「フフ・・・今日はどうしてやろうかなぁ♪
 そうだ!隣ちゃんの髪ってぇ・・・長くて綺麗だけど
 こんな薄汚い奴がこんな髪ってちょっとムカつくんだよ
 ね〜だから切ってあげるよ☆」
「え?ちょ、何言って・・・」
「心配しないでいいよ。アタシこーゆーの得意だから」
 音琉は仲間から鋏を貰うと隣の髪を勢いよく切り始めた
「あははははははははははは!」
「いやだっ!痛いよぉ・・・やめて・・・あっあっ!」

 彼女の髪は不揃いで、まったく何も手入れなどしてい
 ないような状態で、先程までもあの美しい髪の面影
 などなかった。

「れ・・・ん・・・。」
(あいつらが・・・憎い。酷い・・・憐の方がもっと
 辛くて、苦しかったはずなのに・・・どうして・・・)
「どうして悪が幸せを勝ち取るの?
 善人は救われない世界・・・こんな世界・・
 おかしいよ。変だよ・・・」
 隣は廊下で一人、涙でぐちゃぐちゃの顔でぽつり
 と呟いた。いや、これは叫びなのかもしれない。
「今度の子は面白そうだなぁ♪さすが正義のヒーロー
 隣だね☆」
 雨降る街で悪魔が一人、笑ってる。
 隣はどうして、道を踏み外してしまったのだろう。
 そう、彼女は気付いてしまったのだ。

この世は全て偽善なのだと。