二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ぱらぷっ!【ボカロイメ小説・リク受付】 ( No.1 )
- 日時: 2011/09/12 16:34
- 名前: マッカナポスト ◆dDspYdvRLU (ID: W8wXq41i)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v=pqmBbYB7AUg
『愛されたいのなら、愛し、愛らしくあれ。』ベンジャミン・フランクリン
幻想に浸り、欲望に溺れる事__つまり『甘え』が許されるのは、愛のみであると僕は思う。
正しいか正しくないかは後の話であり、この今という一時のうちで愛されているのであれば__その後にどのような結果を招いたとしても__美しい『愛』は成立する。
愛の外殻は余りにも単純で。
愛の核の中は緻密なだけではない、血みどろなのであろう、恋愛未経験の僕にとって(個人的すぎる意見ではあるが)愛とはそんな物なのである。
語れば無限であるその無限回廊『愛』は、何時かは終焉を迎える、当然のことだが。
その終焉の迎え方は多様であり、逆に言えば生きているとも限らない。
余りにも単純で、背徳的で、血みどろだからこそ、
愛は美しく語られ、騙られる。
愛はまるで毒の如く。
深い闇に堕ちてゆく_____
【カンタレラ】:中世ヨーロッパ、スペイン出身のイタリアの教皇アレクサンドロⅥ世と、その息子チェーザレ・ボルジアが政敵の暗殺に用いたと言われる禁断の毒
『捕まえて』
熱く、婀娜っぽい瞳を只管に細めて見つめて来る貴方の姿は、誰よりも官能的で美しかった。
奇妙なほどにその吐息は鼓動と同調し、高まりを見せる。
それが偽りであり、禁断であるということを全て忘れ去る事が出来る程の錯覚が、体全体を包み込む。
もう全ては終わるのだ、という複雑な安心感が脳内を占拠し、麻痺させる。
そう、もう終わりなのだから。
兄妹の間に結ばれた絆はこの今、ようやく終焉を向かえる。
兄弟としての関係を結ぶための防御壁である仮面を外す時が来てしまったと言うのだから滑稽だ。
残響も、
残像も、
残照も。
全てを揉み消し、半端な絆に終止符を打たねばならないのだ。
だからこそ二人ともどこか必死であり、今にも鎔けてしまいそうなほどに涙と汗が滲む。
兄妹としての絆から、愛し愛されたいという禁断の欲望が溢れ出す。
切実な願いが交差し二人に降りかかり。
今まで互いに兄妹として好きで居られたことを、幸せだと思いたい。
『もう好きでは居られない。愛さねば生きていけない。』
そんな残響が心の痛みとなってぶり返す。
余りに大袈裟に聞こえても、真実は真実であり、受け入れるしかないのであった。
愛は毒薬であり、禁断の愛からは絶対に抜け出せない。
そんな事とうの昔から知っていたというのに。
自分の陰に潜むひそかな禁断の愛を、こんなことになる前に悟ることは出来なかった。
もう、この罪からは逃れられない。
たとえこの愛が滑稽で無駄だったとしても、嗤わないでくれ。
そして貴方は捨て台詞の如く云う。
『捕まえて________』
見つめ合う その視線 閉じた世界の中
気づかない ふりをしても 酔いを悟られそう
焼け付くこの心 隠して近づいて
吐息感じれば 痺れるほど
ありふれた恋心に 今罠を仕掛けて
僅かな隙間にも 足跡残さないよ
見え透いた言葉だと 君は油断してる
良く知った劇薬なら 飲み干せる気がした
錆びつく鎖から 逃れるあても無い
響く秒針に 抗うほど
たとえば深い茂みの中 滑り込ませて
繋いだ汗の香りに ただ侵されそう
ありふれた恋心に 今罠を仕掛ける
僅かな隙間 覗けば
捕まえて
たとえば深い茂みの中 滑り込ませて
繋いだ汗の香りに ただ侵されてる____
愛という名の毒を、二人に捧げて。
『愛は最上なり。』ロバート・ブラウニング
【fin.】