二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: イナイレ〜memory〜 奈流羽の声載せました 35更新  ( No.411 )
日時: 2012/03/24 13:02
名前: 奈流羽 (ID: 6DNfJ1VU)

*36.今  前半*

チュンチュン、、

ああ、鳥の鳴き声?
何の種類だろう。スズメ?スズメって鳴くの?
ま、いいや。時計は6:30をさしていた。
6:00におきるつもりだったのになぁ…
30分も寝過ごしてしまった。


忘れられない、あの眼。
そう、“哀れみの目”


あんな奴ら、大嫌いだ。


((あの人たちのこと、本当は好き))


裏切るやつなんて、


((いくら裏切られても))


信じられない、信じたくない


((信じていたい))



目を閉じるたびに、浮かんでくるのはあいつらで。

でも僕はあいつらが大嫌いで。

どうして嫌いなのに忘れられないのかがわからなくて。

覚えるより、忘れる方が本当は難しいのだと気付いたのはつい最近で。



なんなんだよ、もう。



風月「おなかすいたな…。」

ドアの向こうから香ってくるご飯の香り。
今日はパンだな。

急にものすごくおなかがすいてくる。
さっきまで何もなかったのに。

さてと、行くか。
そして僕は食堂へ向かった…



*            *           *

晴矢サイド

薄い水色の髪がサラサラと風になびいている。
目の色はグリーン。
透き通った、きれいな…
その目で、こっちを見ていた。

そう、いつでもそうだったはずなんだ。

風月は、俺のことがスキで、俺もまた、風月のことをスキだった。
いや、だったじゃない。
俺は今でも風月が好きだ。
いつも笑顔で、優しくて。
まるで天使のようなその性格は、荒かった俺の性格を変えてくれた。
優しいとは何か。人を思うというのは何か。
スキ、とは何か。

全部風月が教えてくれたんだ。
でもある日突然、消えてしまった風月。
何も言わずに、どこかへ消えてしまった。

どうして消えた?
どうして何も言ってくれなかった?

その疑問が俺の心の中をグルグル駆け巡った。





ああ、風月は、病気なんだった。




愕然とした、あの夜。
思い出すたびに苦しくなる。


しばらくして、最近。
ふとあのきれいな髪が見えたような気がした。
窓の外に。



--------------------------風月?



とっさに走り出す、俺。

風月!

そう叫んだ。
こっちを振り向いたのは紛れもない、彼女だった。
違っていたのは、


…誰?


中身だったのだ。


どうしてボクを知っているの?
ボク、記憶ないんだ。
教えて。


記憶がないと。
俺の記憶もか?
俺に笑いかけてくれていたことも、
一緒にしゃべったことも、
お互いスキだったことも?

そんな、バカな。


ウソだよ、晴矢、でしょ?
晴矢のこと忘れるわけないじゃん。


そういう彼女の言葉が信じられなかった。
しんじたいけど、でも彼女は。
・・・・・・・・・
一度も笑わなかったのだ。


いつも笑っていた風月が。
笑わないはずがない。


俺はそう思っていたから…




前半終了