二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: イナイレ〜memory〜 NEW43.やっぱり、 更新 ( No.510 )
日時: 2012/04/01 21:33
名前: 奈流羽 (ID: 6DNfJ1VU)

*45.謎解き NO.2*

(凛サイド)


淡々と私の過去を話していく羽流。
聞きたくない、と手で耳をふさいでいるのにそのまっすぐな言葉は心の奥まで聞こえてくる。


-------------この心も、私のものじゃ…



ここでね、凛。

凛の知らなかったことを話すよ。



私の、知らなかったこと?
ふいに私に話しかける羽流。

話しかけてもらっているのに私の目はそちらを向かない。
それでも羽流は続けた。



あのね、イジメられてたのは凛だけじゃなかったんだ、本当は。



その言葉を聞いて固まった。


私だけじゃなかった?
ってことは・・・?


まさか、そんなの…
いや・・・・、言わないで…!



そう、僕もいじめを受けていた。



ああ、羽流。



私は、私は、、



低学年のころから。

いつだったかな…

2年?

1年?

ああ、そうだ1年のころからだ。


もうその先を言わないで。
聞きたく無いったら。



ピカピカのランドセル。

お父さんとお母さんに買ってもらった大切なもの。

休み時間に教室へ戻るとどろどろになっていた。

お姉ちゃんとおそろいの、大切な、大切な宝物だったのに。



最後の買い物だったんだよね、それは。
覚えてる…。

私のランドセルね、お姉ちゃんとお揃いなんだよ!

そういってまぶしいくらいの笑顔であなたは私に自慢げに話していた。
その笑顔も、綺麗なソプラノの声も、私とは全然違ってた。




うらやましかったんだよ私は。
あなたのことが。




そして続ける羽流。




初めはそんな程度だった。

本当は悲しかった。

でも我慢することなんて簡単だった。

家族が死んだ時の方がつらくて、悲しかったから。




知ってるよ、あなたのことは。
知ってる、誰よりも…そして何よりも苦しく、悲しかったということも。
まだ、あなたのその傷が癒えていないことも。




視線を感じる。
羽流がこっちを見ている。
どうしてさっきのようにしゃべらないの?
どうして今、沈黙が流れているの?



しかもさ、家に帰ったら凛のお母さんとお父さんがいたでしょ?


あたりまえでしょ?
私のお母さんとお父さん。
優しくそして温かい家庭だった…



凛は知らなかったでしょうね。



何のこと?
やめて、いやな予感しかしないわ。



僕に暴力振るってたことなんて。





















----------------------------------------ウソ?





ウソだ、嘘だ、嘘だウソだウソだ、そんなの、ウソ!




私の両親がそんなことするはずないよ、




“姉さんとお義兄さんが死んだのはあんたのせいなんだからね!”




ああ、そうか。
羽流のお母さんと私のお母さんは姉妹で。

空音家でただ一人生き残ったのは羽流で。
愛しい姉さんが死んだのにその娘一人だけ生きて帰ってきた。
お母さんはきっと思っただろう。


どうして姉さんも生きて帰ってこなかったの!?
どうして突然死んでしまったの!?

たどり着いた答えはきっと・・・




羽流をかばって、死んだ------------------------…




そうなったんだろう。
あの事件が起こったからお母さんは、
あの事件が起こったから羽流は、羽流の家族は…









思わず、涙が流れた。
憎んでいた、羽流に。
あの頃の自分…そう、悪になど染まらず、純粋だったあの頃の自分の素直な気持ちで…

羽流を可哀そうだと思った。

















そのあと話は続く。



「凛、僕は君の言っていることが理解できない。
  ワカラナインダヨ。」

そうだ、あの言葉だ。



ワカラナイ


どうして?
あなたならわかってくれると思ってた。

どうして?
誰もわかってくれないの?

どうして?
私には、みかたがいないの?


















誰もわかってくれない、誰もイナイ、だれも、だれも、





















あの頃の私はそう思った。








ただの遊び道具であるならば、、









人間として扱ってもらえないのならば、

















狂ってしまった私はそうだ、



















------------------------、

















羽流「その言葉が、いけなかったんでしょ?
    その言葉のせいでしょう?


     凛が壊れたのは。」


まっすぐにこちらを見つめている。

















そっと耳から手を放す。

















まだ涙が止まってないまま羽流のほうを同じようにまっすぐ見つめた。

























凛「・・・、そうよ。
   その言葉が私を壊すスイッチのようなものだった。」

















視線が私へと集まった・・・















私が話す番なんだね・・・・