二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: イナイレ〜memory〜 新47.謎解き NO.4 ( No.656 )
日時: 2012/04/22 18:05
名前: 奈流羽 (ID: pymfwt0Q)
参照: http://koebu.com/koe/6a0fb817372e9522fb4e8a32328f15f0ee740644

*48.後悔*


美香「やっとだな…、自由になれた。」

またもとの表情に戻った。

羽流「ぁぁ…。」

美香「ずっと見てたよ、私は。ごめんね、止めようとしたんだけど…無理だったんだ。」

そりゃ、体を乗っ取られていたんなら仕方のないことだろう。

美香「あなたが飛び降りたことも知ってる。最後に歌ったあの歌も知ってる。
   あなたが、私に歌った最後の歌も…覚えてる。」


羽流「あぁ、あの歌か…。」

美香「うん…私、あの日から後悔してた。
    かかわらないでほしいって言われたあの日から。」


羽流「…あぁ…あの日のことか…」

円堂「あの日って…?」







僕はため息をついた。











羽流「…あの日は、ちょうど今日とは真逆の天気だった…」




雷はゴロゴロと鳴り響き、雨は窓をたたきつけた。
風はまるでこの世のすべてに怒り狂っているような勢いで木を痛めつけている。
ある校舎に4年生の僕はいた。
その日の授業はもう終わり、がらんとした教室。
もう誰もいなかった。
…はずだった。

「…まだいたんだ、羽流。」

美香が入ってきたんだ。
びっくりしたような表情で…でも、

「久しぶりだねぇ…。最近はなさないから。」

どこか嬉しそうな顔でもあった。

羽流「そりゃ…ね。だって…。」

「何?」

羽流「別に…」

その頃の僕は…そう、凛の時言った通りもうすでにいじめられていた。
美香はそのことを知ってはいた。
僕の心の支え・・・まぁ、その中の一人だったわけだ。
だからこそ、僕は言わなきゃいけないことがあった。


“ねぇ、あんたの友達もさ、いじめちゃっていい?
 いいよね、別に。だって、二人のほうがいいでしょ??”


これ以上かかわったら、危険な目にあわせてしまうのは目に見えていた。
誰だってわかる。本当は別れたくなんてなかったよ?




でも、しょうがないじゃないか・・・









羽流「あの、さ。もう…かかわるのはやめよう。」





切り出した僕の言葉は、その場の空気の色を塗り替えた。
そして沈黙が流れた。






羽流「美香を、巻き込むわけにはいかないんだ。
    傷つかせたくないから。だから、別れよう…友達を、やめよう。」






そう、言ったんだ…

ゴウゴウと唸るような音が、教室の中にいると不気味な音に聞こえてしようがなかった…












羽流「そんな感じだよ。そう、とにかくひどい嵐だったのはよく覚えてる。」


話し終えて一息つく僕。

美香が口を開いた




美香「そうよ、あの日から。
    私はずっと自分を責めてきた。どうしてあの時何も言わなかったのだろう。
    どうしてあの時いやだと言わなかったのだろう。」


目にはうっすらと涙がたまっている。


美香「せめて言ってあげたかった、ごめんね、と。
    力になれなくてごめんね、足を引っ張っちゃってごめんね、
    一人にして、ごめんね…って。」

つぅ…と涙がほほを伝う。

羽流「いいんだよ、美香。僕が悪いんだ。
    それに…今謝ってくれたでしょ?」

そういうと安心したような感じで、またニコリ、と笑った。
涙を手で拭うと、ごめんね、とまた言った。

羽流「美香は、僕の心の支えだったよ…?いつだって。。」



美香「ありがとう…羽流…。」

羽流「こちらこそ、、・・・・・・・・本当にうれしいよ。」










どうしてだろう。


なんでだろう。


僕は、なぜあんなふうに素直にありがとうと言えないんだろう。

どうして、自然に笑えないんだろう…










急にキンキンした声が屋上中に響き渡った。



敬子「どいつもこいつも…くだらないもん見せないでちょうだいよ!!」


その怒鳴り声が突然だったので、屋上にいた人全員がだまった。

















再び、沈黙が戻った…----------------