二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: イナイレ〜memory〜 にゅー☆彡*60.気持ちは* ( No.943 )
- 日時: 2012/07/11 21:07
- 名前: 音愛羽 (ID: d3Qv8qHc)
*61.ス キ*
円堂「今日の部活は終わりだ」
円堂の声にみんながほっとしたような表情になる。
つかれたな、なんて言いながら部室へ着替えに向かう。
雲行きが怪しい。真っ黒な雲が青い空を隠していた。
羽流「秋、今日一緒に帰ろう」
秋「ごめん、私今日おばあちゃん家に行くの。違う方向で…本当にごめんね」
羽流「そっか。ならいいんだ。一人で帰るよ」
秋「ほんとうにごめん」
となるとしかたない。
まぁ一人で帰るのは馴れているし。
なんともないさ。
部室へ(もちろん女子の)行って荷物を整理すると、外に出ようとドアを開ける。
…ザァアアアアアアと音を立てて雨粒が地面を打っていた。
この一瞬の間に、土砂降りの雨になってしまったのだ。
そういえば今日はあいにく傘を持ってない。
はぁ…最悪だ…。
外を見ながら呆然とする僕に気付いたのか、風丸がこっちに来た。
風丸「どした?」
羽流「うん…」
みんなはもうしゃべりながら帰っている。
ほとんどの人はでていったようだ。
羽流「今日傘忘れちゃってさ…。どーしよっかなぁって」
風丸「入るか?別に入ってもいいよ」
羽流「…本気で言ってんのか?」
風丸「本気って?」
羽流「…はぁ……」
とうとう二人だけになってしまった。
羽流「じゃ…入らせてもらおうかな…」
風丸「じゃあ帰ろう。俺の傘デカイから二人は入ると思うんだ」
羽流「一回入れてもらったことあるから知ってるよ」
風丸「…そういやそうだな」
羽流「うん」
二人で歩きだす。
地面の水がはねている。僕はうつむき加減で歩く。
いま、どんな表情を浮かべているのだろう…?
僕の表情はどんなだろう…?
そんなことを考えながら。
風丸「お前さ」
羽流「ん?」
風丸「…やっぱ何でもない。気にしないでくれ」
羽流「いや気にすんだろ普通に」
風丸「何でもない、なんでもないんだ」
羽流「変なの」
何を言おうとしたの?
僕は…君に何を求めているのだろう。
心臓が高鳴っている。
隣を歩いているだけなのに。
いつもと変わらない、隣にいるということだけなのに。
風丸「羽流、」
羽流「ん?……えっっ!?今なんて…」
いま、いま、名前で呼ばなかったか?
僕を、羽流って、言わなかったか?
僕はさっと顔を上げた。
風丸の目をまっすぐに見つめる。
なんて言ったと思う?
風丸の口から、どんな言葉が僕の耳に入ったと思う?
『---------------------、』
羽流「っ…」
僕は真っ赤になって、立ち止まって…
そしてうつむいた。
何も考えられなかった。
“俺は、お前が好きだ”