二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: [イナズマ]ハジメマシテ、サヨウナラ[小説集]  ( No.15 )
日時: 2011/10/21 23:32
名前: 伊莉寿 (ID: r4kEfg7B)

小説NO.2*すまいるカノン〜ずっとずっと響き続けるメロディーを〜*

*プロローグ*


カリカリ、とシャーペンをひたすらに動かす音が部屋に響く。
タイマーが鳴った。ようやくか、と安堵して水色のタイマーに手を伸ばした。宿題の終わりを告げる。

少女にとって型にはまった生活は退屈でしかなかった。もう何年も周りに従って流れに乗ってと従順な優等生で来たが、飽き飽きとしていた。くるくる、とシルバーのシャーペンを回してみる。暇さえあればやって来たからか、なかなか落ちない。
何か刺激がほしい、そう思っていた矢先に祖母が送ってきた段ボールの荷物が目に入った。昨晩届いて開けるのを忘れていた物だ。

白い壁紙に薄水色のカーテン、木製のベッド。勉強机には小さなプラスチックのペンケース、隣に本棚、シックなクローゼット。目立つ物が大して無い部屋の中で、それは異様に目立っていた。椅子から降りて勢いのまま少女はビリビリ、と派手な音を立てさせながら開ける。

目を見開いた。

ウェーブのかかった長い金髪を揺らして、微笑する。
正しく、今の自分にぴったりの物——可愛らしいブラウンにレースの付いたリュックサックだった。…それを取り出して、呟く。



「少しくらい………、良いよね?」



〜初めて、優等生の道をそれてみようと思った〜