二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- The requiem. ( No.353 )
- 日時: 2012/01/01 02:05
- 名前: 伊莉寿 (ID: r4kEfg7B)
「劇場版イナズマイレブンGO 究極の絆グリフォン」関係の短編
ネタバレは少なくなるよう気を付けましたが、要素は入っています。
絶対に映画館に行くまで見ない!、という方は御遠慮下さい。
・
全てが消えそうな世界。
小さな雫に映る碧。
そこで、少女は歌をやめなかった—————。
*+*歌うだけ、この想いが君に届くまで。*+*
平凡な毎日が崩れさる。
どうしたら良かったのだろう、僕はそれを考えることしかする事が無かった。
サッカーボールを蹴ろうとも、強く脳裏に焼き付いたあの光景が何度もよみがえって僕を止める。
ただ、この島に生まれたというだけで。
ただ、守りたかったというだけで。
そう考えて、振り払った。
違う、この島に生まれたから良いことだってあった。
守りたいと言ったって、僕は一体何をしたんだ?ズルをしただけ、なら悪いのは僕じゃないか。
どうしようもなかったんだ。
零れる涙が、ゆっくりと波紋を作りだした。
+
『…シュウ君?』
歌を聞くのが好きだった。
彼女の歌。…綺麗でどこまでも広がる、蒼い空みたいなその歌が。
けれどその時は、ひび割れて乾燥した僕の心に、しっとりと森に降る優しい雨みたいな歌を歌ってくれた。じんわりと染みて、心が穏やかになって、僕は気付けばまた涙を流していた。枯れない僕の涙。泣いてるなんて気付かれたら何となく嫌だった僕は、涙を拭いて気付かれない様にと思った。
でも、何でもお見通し、なんて言葉を言いそうな彼女はゆっくり微笑んだ。
あの後は、全てが壊れて、感情が消えそうだった。
いっそのこと消えてしまえば楽なのに、その歌が僕の心を癒すから。
また悲しみが、涙になってしまう。
『シュウ君、こういう時は、泣いても良いと思うの。』
『でも、雨の後は晴れないといけないのと同じ。泣きやんだら、また今までみたいにサッカーするんだよ?』
『そうしたら、ヴィエルジェの歌が人の役に立てたって思えて、私も嬉しい。』
ふんわりと少女は微笑む。
桜色の髪、深い藍、同い年に見える彼女は、ヴィエルジェと名乗った。
僕はまた、サッカーをしてる。
それは、どうしてだろう。
嫌な思い出のある球蹴りでも、やっぱり僕は……。ううん、やめよう。考えたって、答えが出た例なんてないんだ。
ある日突然、森から彼女の歌が消えた。
最後に彼女は、僕の前で歌った。何語か分からないけれど、レクイエム。そして、歌い終えた彼女は僕に言った。
その声が、僕の耳から離れない。
『シュウ君、ごめんね。私なの、君に苦しい想いさせた張本人…。』
『本当に、本当にごめんなさい…』
初めて、少女の涙を見た。
泣かないで、という声は届いたのか、届かなかったのか。金色の風が彼女をさらって、それから僕は会えない。
また、僕のせいなんだ。弱いから。
ねえ、ヴィエルジェ。
僕は理解出来たよ。
君がどこに居るのか。
もし僕が君に会いに行っていなかったとしても、また会える気がするんだ。
もう少し。
試合終了のホイッスルが鳴ったら、カウントダウンが始まるよ。
ヴィエルジェ、その時は、またあのレクイエムを歌ってね…
*+*
次はシリーズものの予定だったけど。
その次にカゲロウデイズだったけど。
我慢できなかった私に石を投げる用意は出来たかな?じゃあいっせーのーd((
映画見て、皆の感想読んで、ストッパー外れました。
ネタバレ…になっちゃいますかね;;;
気分を悪くした方がいたら、本気で謝罪させて頂きます。今は駄文でごめんなさいと土下座させて頂きます。
長くなりましたが、見て下さった方ありがとうございました!!感想等下さると嬉しいです。