二次創作小説(映像)※倉庫ログ

気まぐれな続編。 ( No.606 )
日時: 2012/06/20 23:37
名前: 伊莉寿 ◆EnBpuxxKPU (ID: r4kEfg7B)

「ーっ!!」

バカだ、私。

知ってる、臆病者は、走り出す事も出来ないから、ゴールにもたどり着けないから。

だから走ったって・・・もう、遅いんだ。

私は、走ってもたどり着けない。彼の居る場所へは。
だって、だって…。





先へ先へと真っすぐ走る君と、並んで走る皆を羨ましがって見つめるだけの。

それを誤魔化して、私は”綺麗”と言って弱い自分を飾ろうとした。

いつか、外さなければならない飾り。

いつか、地に落ちてしまう飾り。





「…」

アスファルトに吸い込まれるようにして、けれど黒い跡を残して———それでさえも、いつかは消えてしまう。

声にならない、心の声は。





【 好きだった 】



蒼い空に吸い込まれて、


「花芝さんっ!!」
「勝手に抜け出して…っ、花芝さん!!!!?」


どうして、望まない物ばかりのこの世界。

動かない足が悔しくて、空気を吸う吐く事すら上手く出来ない体が嫌になって…それなのに、この空は、世界は、何も知らないと廻り続ける。私は自分で大きい存在、けれど世界にとっては小さ過ぎる存在。

違う、守君は。

いつか大きくなるから、世界にとって大きな存在になるから。…だから私は意味のない存在。


分かっても、分かっててもね。



「!お父さん、体調は問題ない様ですが…」
「……ッ」
「何をしていたんだ、全くお前…は……」




辛いんだ、こんなにも。



【 …だったら、忘れてしまえば楽になる…? 】


——目を閉じたら見えなくても、空は蒼くあり続けて。



【 バイバイ、守君の思い出。 】




守君も、輝いてるんだ。


【 新しい、もっと頑丈な鍵をかけよう。 】





















蒼い空の下で、ぬるい雨が、降ってる。










* fin *
円堂のいる雷門中に行きたくて病院を出たけど、途中で体が悲鳴を上げて看護師さんに、お父さんに見つかった花芝。
そして円堂への思いを諦めて…

続きは無いかもしれない((