二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 姫佳様リク*江戸時代でも超次元? ( No.629 )
- 日時: 2012/08/05 18:21
- 名前: 伊莉寿 ◆EnBpuxxKPU (ID: r4kEfg7B)
第二章
{衝撃!宇宙人現る!!}
「良かった…2人共いてくれて…」
「守さんっ!?」
はぁっ、と肩で息をしながら瑠璃と魁太を呼んだのは、守——バンダナをとった円堂そのものだ。2人と守は5日くらい前に出会ったが、明るい性格の守と仲良くなるのにそう時間はかからなかった。
「どうしたんだ?」
「何かっ…異星人が!」
「「…え?」」
まだ付き合った時間が短いからか、やはり彼の事は良く分からない——と、瑠璃は思う。
「異星人って…そんな冗談やめろよまも(「異星人を名乗ってるんだ!瑠璃達に話があるって…」
「わっ、私達に!?」
守の真剣な眼差しに、嘘を吐いていないと悟るものの、突拍子の無い話に混乱してしまう2人。と、砂を踏みしめる音にその方向を振り返ると、そこにいたのは赤い髪の——。
「やあ、2人共。久し振り。」
「え…」
「…何人?」
青白い顔と赤い髪、瑠璃達には見知らぬ少年だ。
誰だろう、と思考を巡らせると、赤い髪の少年は溜息を吐く。
「…君も僕の事を知らないのかい?守と一緒で。」
「知りません!私は生まれてこのかた、そんな赤い髪の方と知り合った事は無いですっ!」
「橙色の髪の君に言われるなんて心外だなぁ。」
「お前、名前は?」
「僕?グランだよ。」
「「「グラン?」」」
変な名前、と魁太が呟いたが、グランはスルー。
彼はエイリア学園から来たのだと言い、さらなる混乱を招く。
「ええと…グラン様は、何をしにいらしたのですか?」
「ああ、忘れるところだった。僕はね、君の家を壊しに来たんだ。」
「へー、家を壊しに…って…ハ?」
きょとん、と目を丸くする3人。
相変わらず微笑みを浮かべるグランは、パチンと指を鳴らした。
「とある人からの依頼でね…素直にやられてくれると嬉しいな。」
「いや、お前何言って…」
冗談だ…という願いは、彼の隣に現れた水色の髪の少年によって打ち砕かれる。暗い紫色の球体——ボールを持った少年は、ずっと未来にその名を轟かせたエイリア学園最後のチームのキャプテンだった。
ボールを足元に置いて蹴ろうとする姿勢は魁太たちにとっては馴染みの無いもので、首をかしげる。
「よろしく、風丸。」
「ああ。安心しろ、こんな震度5の地震で崩壊しそうな家を一発で壊すのは容易い。」
「風丸さん…?おん(「ああ、俺は男だぞ。」
「姉ちゃん…アイツ、家壊すとか言ってる奴だぞ?そんな性別の問題言ってんじゃねーよ。」
「貴方も、自分の家をそんな風に言われて平気でいられるなんてね。」
はぁ、という溜息とともに姿を現した少女は、エメラルドグリーンの髪をなびかせる。
「結局誰だったの?」
「!えっ…」
グランが、家から現れた少女に目を見張った。
風丸を止めようとした、しかしボールは既に蹴られていて…戸口を狙っている。
「!ラティアさんっ!!!」
「……これくらい、止められるわ。」
反射的にラティアの方へ駆け寄ろうとした瑠璃が見たのは、僅かに上がった口角。
瑠璃の目の前をボールが通り過ぎ、ぶつかると目をつむる——
(平気よ、別に。)
(うん、何となく、そんな気はするけど…)
「何っ!?」
木造の家が崩れる音。
恐る恐る瑠璃が目を開けると、向かいの家が紫色のボールによって破壊され、その直前に外に出てきていたその家の娘が硬直している様子が。
「な…何なんだ、アイツ。」
きょとんとしていると、魁太の震えた声が聞こえて、その視線の先を見てみる。
「! アイツは…」
守は風丸の呟きに、眉をひそめて額に手をやる。
栗色の髪の少年を、ラティアはどこか嬉しそうな表情で見つめていた。
「私の家っ…!」
「…ごめん、でもああするしか、」
「ーっ!///いっ、いえ、事情があったのなら…///」
「?何でそんな簡単に許せるんだ?」
「ん…どうして、なんでしょう?」
2人は、フィディオに謝られ顔を真っ赤にする向かいの家の娘を不思議そうに見ていた。
*
「いやぁ、許してよ円堂君。」
「何言ってんだよヒロト!瑠璃達の家を壊すところだったんだぞ!?」
「円堂君バンダナ取ると、けっこう印象変わるんだね。」
「……ヒロト、話を聞け。」
縄で縛ったグランって奴を見て、守は溜息を1つ。
話を聞けば、守とラティアとヒロトはずっと、何百年も先の未来から1週間くらい前に来たらしい。そう言えば守と会ったのは5日くらい前だったか…で、グランの本名は吉良ヒロト。未来でも異星人を名乗って色々破壊してたらしい。…例えば中学校っていうのは随分大きいみたいだけど、それも破壊したんだと。
「スッゲーな、未来って!」
「今の西洋よりも進んでるなんて…全然想像できません…」
「そうだろうな、特に未来で俺達がやっているサッカーはすごく熱くなれるし、必殺技も迫力がある。」
「ええっ!どんな物なんですか!?」
「!! 円堂君、何で風丸君は縛らないの!?」
「ん?何だろうなぁ…問題無いから?」
「差別!!」
「ところでヒロト君、君はどうしてあの家を壊そうとしていたんだ?」
がぁぁん、とショックを受けるヒロトに話しかけたのは、さっきラティアを守った少年。年は守達と同じくらいか。
「フィディオ!」
「? 君は…どうして俺の名前を?」
「えっ…」
「彼はイタリア人の両親から生まれ、今は日本各地を巡っているただの流浪者…イタリアの白い流星ではないわ。」
「「ラティア!!」」
イタリア人らしい少年の後ろから現れたラティアの言葉に、彼は頷いた。
守はどこかに頭を強打した影響で記憶が飛んでたらしいが、フィディオの場合はそうではないらしい。彼自身がこの時代で生きて来た記憶があって、それは話を聞いたラティアが途中首を傾げるほど…俺も所々分からないほどその土地独特の単語が出てくる。
外国人が作れる話じゃない。奴は本当に流浪人だ。
「それで、君はどうして…」
「家を破壊したら、元の時代に戻してくれるって言われてね。」
「「!!」」
「まあ、そう言われても強制的だったよ…影山はどの時代でもひどい人らしいね。」
「「影山!?」」
*続く*
文字数の関係上、今回はここまで!
フィディオ君登場!
影山さんは今後活躍するか?…久遠監督と同じで((
カオスな江戸パロディ、またすぐ続きアップします!