二次創作小説(映像)※倉庫ログ

姫佳様リク*江戸時代でも超次元? ( No.630 )
日時: 2012/08/05 22:16
名前: 伊莉寿 ◆EnBpuxxKPU (ID: r4kEfg7B)

第三章
{ゴーグルマントとビートルズ?}

「「影山!?」」

 思わず声を上げる、円堂とラティア。その声に驚いたのか、話をしていた瑠璃と魁太、風丸も振り返る。

「影山…」
「貿易をしてる金持ちで、目が覚めたら影山の家の庭にいて…全く、性格悪かった。」
「お前らに食わせるものはない、と言われた。腹が減ってるなら甲虫カブトムシでも食ってるがいい、って。」
「…カブトムシって、食べられるのか?」
「食べてみるか、円堂?」

風丸が懐からカブトムシを出し、円堂は両手を振って断る。

「影山さんがどうかされました?」
「! 瑠璃、貴女知ってるの?」
「彼女達は知ってるよ、何せ影山を裏切った少年の義理の家族だからね。」

この時代は、恐ろしい程未来と同じなんだ。
ヒロトのその言葉に、円堂はもしかしてと目を見開く。すると砂を踏みしめる音がして。

「…それは俺の事か。」

赤い瞳の少年は、困惑の表情でそこにいた。

「鬼道!」
「有!!」

嬉しそうに名前を呼んだフィディオに、ラティアが知っているの、と尋ねると、笑みを浮かべて彼は頷く。

「路銀は彼がくれたからね。」
「え…じゃあ貴方の言ってた幼馴染…?」

ラティアはフィディオの話を思い出し、幼い頃よく遊んでいたという幼馴染が彼・有だという事を知り、やっぱり有人はお金持なのねと納得する。ちなみに路銀というのは、旅に必要なお金のことである。
一方、未来人組が有の事を見て想うのは。

(((ゴーグルとマントが無い…)))

当然だが、鬼道有人のトレードマークを身に着けていない。流石に江戸時代の影山は持っていなかったか、と3人が思った時。
カコンッ、と音を鳴らしながら瑠璃が有の目の前に駆けだした。

「有様っ、お帰りなさい!」
「瑠璃、お勝さんの家に何があったんだ。」

「ゆ、有様…?」
「…成程、今日帰ってくるあの方って、有人の事だったのね。」

クエスチョンマークを浮かべる円堂に、影山から事情を聞いたヒロトが昔話を始める。

「実はあの姉弟、父親が武士だったんだけど戦死しちゃってるんだ。」
「「!!」」
「でもこの時代ではよくある事らしい。」
「特に今は混乱しているからね…」

風丸は残酷ではあるが事実を述べ、フィディオも旅をしながら知り得た知識からフォローする。

「母親も過労死、それで預けられたのが茶屋を営む蜜柑の所。でも蜜柑は1人で世話するのが難しい…そしたら常連の彼が引き取っても良いと申し出たんだよ。」
「まあ蜜柑の所よりずっと落ちつけるのは確かだ。」

蜜柑に失礼な事をさらりと言う魁太に、ラティアは顔をしかめる。

「貴方…蜜柑にまで喧嘩売ってたのね?」
「アイツがいると姉ちゃんに剣の相手してもらえないんだ!しかも茶屋の制服に西洋のデザイン取り入れようかとか言いやがって!何だあのヒラヒラ!!」
「それが彼女の趣味なら良いじゃない、貴方が着る訳じゃないんでしょう?」
「店に誰も寄らなくなったら姉ちゃん悲しいだろ!」

「…姉想いだな。」

2人の様子を見ていたフィディオが苦笑しながら言うが、ラティアは。

「そうかもしれないけど…心の狭い餓鬼としか思えないわ。」
「Σ! 勝負だラティア!」
「ようやく名前を覚えたのね。良いわ、その武器を折ってあげ……、フィディオ?」
「幾ら鉄刀相手でも、君の様な女子が刀を手にするものじゃない。」

見えないスピードでフィディオの刀を抜いたラティアの右手を、フィディオはそっと握って制止した。

「フィディオ、俺そいつとは一度決着をガッ!?」
「魁太、ラティアさんに失礼でしょう!」

瑠璃が竹刀で魁太の首を叩いた。

「…瑠璃、フィディオの隣にいる女子は。」
「あ、ラティアさんです。何だか…蜜柑さんとは比べ物にならない程、魁太と仲が悪くて。」

フィディオは有に気付くと頭を下げた。

「有、俺がお勝さんの家壊しちゃったんだ。」
「フィディオが…?お前、旅に出て学んだのは家を壊すという事なのか…?」
「ちっ、違うんです!フィディオさんは何も悪くなくて、ラティアさんを守るためでっ…ええと、」

あの寿命が縮んだ瞬間を思い出して、瑠璃はフィディオを弁護しようと必死に言葉をさがす。しかしヒロト達が悪いとも言えず言葉に詰まっていると、ポン、と頭を軽く叩かれた。

「分かっている、フィディオがそんなくだらない事の為に旅に出るとは思っていない。とりあえず未来から来たとかいう奴らも全員まとめて家に入れろ、詳しい話は中で聞く。」
「承知、」

苦笑しながらフィディオが発した言葉に、ラティアは少し驚いたのか目を丸くしていた。




「…成程、影山か。」

 事の発端である影山の話を聞き終え、考え込む有。彼は帰国子女であり、また頭脳明晰であることから影山に気に入られ影山の下で貿易の手伝いをしていた。しかし幕府の命で行う正式な貿易の裏で、不法な取引を影山がしている事に気付いた有は、お前も同犯者だと言われながらも、影山をその職から引きずり下ろした。
 調べてみれば、有が知らなかっただけで影山は不法な取引を何度も繰り返していた。麻薬と思われるものもあり、それは既に江戸の町に流通しているかもしれないと有は顔を歪めながら言う。

「有も、手伝わされていたという事か。」
「取引を始めるまでの手続きは大方俺がした様なものだ。何をするのかまでは知らなくても良いと影山に言われていたが…」
「なあ、きど…有、俺思ったんだけどさ。」

未来から来たヒロト、風丸、円堂、そしてフィディオ、有の5人は、円をつくって話をしていた。
円堂の言葉に有が彼を見ると、彼はまじめな顔で。

「影山にカブトムシ食わせたい。」
「……」
「賛成だよ、円堂君!」
「ついでに守達の言う必殺技も!」
「一度苦しみを味わえば良い。」
「なぜ甲虫なんだ。」
「いや、それは…」

円堂がヒロト達の話をしようと口を開いた時だった。

「影山に食べられて一生を終える甲虫が可哀想だ。」
「「「「え」」」」

*続く*
キャラ崩壊失礼しました。←
お勝ちゃんが向かいのお家に住んでましたっ((
何となく…あの子好きなので。←
蜜柑はどこでもフリフリとか好きなんです。←

文字数の関係上、今回はここまでです。
次回、ギャグはあまり無いかもしれません…恋愛パート行きます!