二次創作小説(映像)※倉庫ログ

姫佳様リク*江戸時代でも超次元? ( No.636 )
日時: 2012/08/07 22:34
名前: 伊莉寿 ◆EnBpuxxKPU (ID: r4kEfg7B)

最終章
{江戸の武士は未来より…!?}

「「ラティアっ!!」」

刀を向けられると、ボールと違う鋭利さに足がすくんでしまう。
何で、逃げられな——

「ぐぁっ!」
「———戦場で、素人には負ける気がしないんだ…」

刀の柄で、フィディオは私に刀を向けていた人を突き飛ばした。

「魁太っ、急いで片付けるぞ!」
「おおっ!!」

フィディオは私の方を向いて一瞬微笑んでから、少し怯んでいる相手に刀を向ける。守も竹刀を手に応戦している姿が見えた。

「ラティアさんっ、怪我ありませんか?」
「ええ…大丈夫よ。」
「…もう少しで、ラティアさん帰れるんですね。」

少し寂しそうな笑顔で私の隣に座る瑠璃の背後で、フィディオが手刀で相手を気絶させている様子が見えた。

「魁太もフィディオさんも、負けないですから。」
「…やっぱり、魁太強かったのね。」
「え?」
「そんな気はしてたのよ。」

魁太の方を見ると、鉄刀を相手の腹に打ち込んでいるところ。また1人、低空飛行。

「ラティアさん…」
「魁太は清々するでしょうね。」
「え;;」

嬉しそうな表情の瑠璃に、微笑んで返す。
魁渡と同じだったんだもの、雰囲気と…私に口げんかで負ける所もね。

「あ、もう片付いたみたいです。」

瑠璃の視線を追うと、立っていた敵はベータのみ。2人に怪我は見られない…圧勝だったようね。

「…なめてました、2人の事。」
「Σ!!」

「か、魁太…コラえてっ…」
「相変わらず、女子相手には敏感なようね…」
「! そうだっ、この隙に行きましょう!」

走り出した瑠璃に引っ張られる。彼女の頭に、かんざしが見えて思わず笑みがこぼれ…

「スリーッ、」
「「「「「「「「!?」」」」」」」」

急に声を上げたベータの顔は、楽しむ様な笑み——。

「! 皆っ、急げっ!!」
「ツー、」

「フフ…これは、タイムリミットだ…」
「もうじきタイムホールは閉じる!」

プロトコルオメガの倒された少年達が、口々にそう言っているのが聞こえっ…待って、守が…!!!

「守さんっ!!!」

瑠璃が左手を伸ばした、それに竹刀を置いて全力で駆けて来た守が手を伸ばす。

「ワンッ…」
「…っあ!」
「「「「!!」」」」
「タイムジャンプ、行ってらっしゃい♪」

穴が閉じていく直前、振り返って微笑んだベータの後ろに見えたのは。

驚いた表情の、フィディオと魁太、そして有。

「姉ちゃん!?」
「っ、瑠璃!!」
「ひゃぁぁーっ!?」

後ろに引っ張られていく感覚の中目を開けてみると、守の右手は瑠璃の左手を掴んでいた。



——現代

 鳥のさえずりに、重たい瞼をそっと開ける。すると視界に飛び込んできたのは———虫。

「!?」

とっさに横にかわすと、頭を支えていた木の幹から外れてバランスを崩してしまって…突進してくるような虫がいたのね。
ふう、とため息を吐く。

「…ラティア!?」

似たような声は聞いていたはずなのに、とても懐かしい気がした…振り返ると、やっぱり、江戸の彼とは別人。

「ティアラからラティアと守達が急に居なくなった、って連絡が来て!急いで別荘に…ラティア?」
「…守達なら、多分帰って来たわ…」
「……何か、あった?」

私は帰って来られた、なら守達も帰って来ているはず。

彼の問いかけに、ええ、と返してもフィディオは何も言わない。抱きしめる腕に力を入れてくれる。
江戸時代に行ってしまってから1日も離れてなかったはずなのに、懐かしくて、溢れてくる感情。

「フィディオ…大好き。」
「…ラティアがそんな事言うなんて、明日は槍でも降りそうだ。」
「槍が降っても良いじゃない。」
「……俺も大好きだよ。」



ただいま、フィディオ・アルデナ。





「ラティアっ!!」
「ヒロト、貴方どうしてここに…!」
「!……この時代のフィディオか…そうだよね。」
「…この時代?」
「話すと長くなるわ、それよりどうしたの?」

 別荘の中に入ると、ヒロトがさっきの虫如く突進して…でもさすが人ね、私の前でブレーキをかけた。

「そうだっ、大変な事になったんだ、早く来てほしい!」
「…分かったわ、案内して。」

何となく、分かる気がするわ…彼の言う大変な事。
隣のフィディオもヒロトの真剣な表情に何かを察したのか、ゆっくり頷く。
エレベーターに乗る時以外は走ってヒロトについて行く。そしてある部屋を通り過ぎようとした時、彼は急にドアを開けた。

「連れて来たよッ!」

そこにいたのは、

「……え?」
「やっぱりそうだったのね…」

はぁ、と無意識の内にため息が漏れた。

「ラティア!大変だっ…」

部屋の中に居た守が立ち上がる。分かってるわよ、見れば重大さが分かるわ…。


「ラティア、さん…?」
「全く、どうすればいいのよ…いくらクラリス家でもタイムマシンは無理よ?」


着物姿の瑠璃は、泣いていた様子。




「ごめんっ、瑠璃本当にごめん!!」
「しかしやってくれたな…あそこでつまづくとは。」
「いえ…私があの場ですぐ離れなかったのがいけないんです…」

「ラティア、彼女は…?」

 傍観するラティアに問いかけると、江戸時代の娘よ、って。へえ、エド…江戸時代?

「信じてくれなくても良いわ、でも私は江戸時代に行って瑠璃に会った、そして同じくタイムスリップした守達にも…」
「…守が戻れるチャンスの時にツマヅいて、彼女も誤って来てしまった…?」
「そうよ。彼女は有人に似た少年と、魁渡に似た弟と一緒に暮らしていたのだけれど…」

「どうしよう…今頃、有と魁太が心配して(「円堂!!」

ま、守、もしかしてその2人は同居人の名前…

「ゆ…様っ、ふぇっ…」
「ななな泣くな!絶対戻れるから!!」
「ご、め…うぇぇっ…」
「……はぁ。」

2人の姿を思い出したみたいだ…止まっていた涙がまた溢れて、守は慌てだす。…ラティアの溜息は仕方ない。
と、その時。

{がちゃっ}

「ラティアっ、どうしようキャプテン達…が、」

……沈黙、の中で瑠璃の鳴き声だけが響く。入って来たのは、橙色の髪の…瑠璃花。

「………私?」

ラティアの部屋で、重たい沈黙は続く。
…物語は終わる、みたいだ。


*END*
(瑠璃姉っ、キャプテン達は…)
((え?))

(…瑠璃姉が2人居る!!!)

…私はもっと腕を磨かなければ><
大変長くなってしまいました、これにて完結という事になります。
ベータちゃん。彼女は瑠璃を迎えに来てくれるか…私も知りませ((

…駄文な上とても長くなってしまい、本当に申し訳ありません!!終盤あんな終わり方で…ごめんなさい;;
姫佳さん、リクエストありがとうございました!!