二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- レッド様リク** I want to tell you... ( No.674 )
- 日時: 2012/12/22 23:31
- 名前: 伊莉寿 ◆EnBpuxxKPU (ID: 7jEq.0Qb)
「ふわぁー、すごい人だぁっ……!!」
こんにちは、僕西園信助です!
今日はミソラ学園高校の文化祭に来ました!
天馬達は自主練とか家の用事とかで来れないらしくて、1人だけってすごく心配されたけど……逆に1人だけでも大丈夫だって胸張りたくなったんだよ! 何とかなるさ、ねえ天馬!
「大……丈夫、」
生きてこの門を再びくぐれるかすごく心配です、この人波で。
でも楽しみにしてきた学園祭、楽しまないと!
「あれ、君は……」
ぽん、と肩に手が置かれた。ビックリして振り返ると、ホーリーロードの時キーパー練習に付き合ってくれたお兄さん。
「西園君、だよね。」
「は、はいっ!」
「勇気、どうしたの?」
「ほら、この前話した……。」
ちょっとだけ、びっくりした。
お兄さんの後ろから顔を出したのは、カジュアルな服装のお姉さん……というか、うん、2人で来てるみたいだし……。
“恋人”ってやつだよね……!!!!!!
「信助君、サッカーやってるんだよね。勇気から話を聞いているよ!」
「え、あ、はい!」
勇気、っていうのはお兄さんの事だと思う。
「ん……?」
どこかで見た事あると思ってたお兄さん……まさか。
「た、立向居さん!? イナズマジャパンのっ……!!」
「え、勇気話してなかったの?」
「そう言えば……。」
あああああ、あの立向居さんだったなんてっ……!!!!
僕は、しばらく混乱しながら立向居さんを見ていたのでした。
(本当小さくて可愛い……。)
*
「ほ、本当に良いんですかっ!?」
瞳をキラキラと輝かせる西園に、立向居は笑顔で頷いた。
その反応により、3人が文化祭を巡るということが確定した。
ホーリーロードの話を後で聞かせて、と言うと更に瞳を輝かせて大きく頷く西園の姿は、成人2人にとって癒しである。
「自己紹介遅れたけど、私は月島楓で勇気の幼馴染。よろしくね!」
「えっ、幼馴染……?」
「……あっ、勘違いしないでね、恋人とかじゃない……から。」
段々と小さくなっていく語尾と、言い終わる前にふてくされたような表情の顔を背ける楓。
よく間違われるんだ、と苦笑する立向居。
何となく事情を察知した西園は、心の中で楓にエールを送った。
「次の方どうぞ〜!」
「楓、順番だから行こう。」
「う、うん。」
3人が並んでいたのは、3年生のクラスの出し物・お化け屋敷。
子供だましと言う程ぬるくはなく、しかし本格的という程でもない中級だと、製作したクラスは位置付けている。
(でも僕、お化け屋敷って初めてだよ……。)
びくびくしながら進む西園と対照的に、入る前は少し怯えていた様子の楓は意外と平気な様子だ。
気が強いなぁ、と立向居は今までの彼女を思い出して呟いた。
入る前楓に握られた手を強く握っているのは、今では立向居の方である。
「あ、明るい……。」
隣にいる楓が呟いた言葉に心の中でガッツポーズをしてしまう自分は男としてどうなのかと、立向居は思う。
入って10分経ったか経っていないか、という時間帯。出口だ、と誰もが思いラスト50M前後の足を踏み出した瞬間。
「ザッ、ザッ、ザッ」
「「「!?」」」
人間にしては軽快な足音。3人の背筋に寒い物が走る。
西園が音の聞こえた背後を振り返ると、そこには赤い2つの光——。
「ーっ!!!!」
最後の最後にひどい仕掛け。
3人は一目散に走り出したのだった。
「お帰りなさい!」
制服を着た女子生徒が、女神に思える。
男子2人がいびつな笑顔で女子生徒に答えると、彼女は表情を曇らせた。
「あ、あの……大丈夫ですか?」
「最後の赤目の仕掛けにドッキリ来ちゃっただけだから、大丈夫!」
「赤目の仕掛け……?」
楓がケロリと笑いながら言うと、更に眉間のしわを増やす女子生徒。
「今まで出てこられたお客さんは、意外と平気そうな顔をしていたんです……が。」
「「あれで!?」」
何か思い当たる事があるのか、女子生徒はずかずかと出口の方へ歩いていき、カーテンを全開にして叫んだ。
「バン! 何勝手にLBX持ち込んでるのーっ!!!!」
**
「「すみませんでした。」」
深々と頭を下げる2人の生徒。
「ちょっとドッキリ要素が足りないかなぁ、って思って……。」
「うん、意外と怖くなかったから平均すれば結構いい感じかも。」
「楓すごいなぁ……。」
バン、と呼ばれた少年は楓の声に頭を上げる。それに続いて女子生徒も。
「いえ、お詫びさせて下さい。平均していい感じのお化け屋敷は小さなお子さんには本当毒なので。」
「……僕、中学生です。」
「「……!!?」」
「え、本当? という心の声が丸聞こえです。」
少し切ない気持になった西園を見て、バンもお詫びをしなければと思ったという。
≪続き >>≫
- レッド様リク** I want to tell you... ( No.675 )
- 日時: 2012/12/22 23:32
- 名前: 伊莉寿 ◆EnBpuxxKPU (ID: 7jEq.0Qb)
「俺は山野バン。お化け屋敷の中の赤目は、俺の友達のLBXだったんだ。」
「LBXは強化ダンボールの中じゃないと危ないでしょ……。あ、私は人見晴香、バンの幼馴染です!」
ハルって呼んで下さい、と笑顔で彼女は挨拶をした。
5人は他のクラスの喫茶店にいた。バンとハルのおごりでお茶をしている。
「バンさん、LBX好きなんですか??」
「ん? 西園、だっけ?」
「はい! 西園信助、雷門中サッカー部のキーパーやってます!」
「すごい、雷門中ってサッカーの名門校だよね!」
「そう、今年のホーリーロードも優勝したんだ。彼も大活躍してる。」
立向居が西園に微笑みながら言うと、バンとハルが感心したように声を漏らす。
「でもバンだって、LBXの腕はすごいんですよ。世界チャンピオンにもなって!」
「ええっ!? バンさんすごい!! 僕もやってみたいなぁ……。」
「ミソラ高校はLBXの出し物、結構あるよ。良かったら案内しようか?」
「ホントですか!?」
「良かったら立向居さんと月島さんも……。」
「いいの?」
その時、ウェイターがパフェを5つ運んできた。ハルが注文したものであり、チョコメインとバニラメインの2種類がある。
「バン、1口貰っていい?」
「じゃあいつも通り交換な。」
「……。」
ナチュラルに行われる行動に、西園はふと考える。
「ふふふ、ラブラブだね♪」
楓が代弁してくれた事に、安堵の息を漏らした。
バンとハルの2人は一瞬フリーズしたが、あはは、と苦笑した。
「違います、幼馴染です……。」
「それにこっちから見たら、3人は親子みたいですよ。」
「僕、中学生……。」
「「Σごめん!!」」
ハルとバンの声が重なった。
(こんな若い2人の子供って……そんなに小さくない……小さいのかな……)
バニラアイスを若干しょっぱく感じた、西園であった。
**
(ビックリした、ラブラブって……。)
夕方、校門で3人を見送ったハルはゆっくりと息を吐く。
「楽しかったな、今日!」
「え、うんっ……。」
「? 何か今日、大人しくないか?」
バンの言葉は耳を通り抜け、頭の中には残らない。
『違います、幼馴染です……。』
言っていて、自分の想いに気付いた。
何度も繰り返した言葉に抱く感情は、いつしか変わり始めていて。
でも、今更?
今更、どうしたら良いの?
「おーい、ハールー?」
「……わっ!? な、何っ!?」
「いや、だから今日楽しかったって話。」
「そうだね、LBX操作した時の西園君の顔きらきらしてて私もなんか嬉しかった。」
「……何か違う。」
バンが考え込むような表情をして紡いだ言葉に、ハルは目を丸くした。
そもそも個人が抱いた感想に、違うも何もないはず。それにハルの言った事は、バン彼自身が言っていた事なのに。
「違うって、何が?」
「いや……まあ、ハルがいて良かった、ってことかな?」
「え。」
戻るかー、と校門に背を向けて歩きだすバンが、その姿が、1枚の静止画の様に見えた。
ハルは少しの間立ち尽くしていた。前を歩くバンが付いてこない足音に気付いて振り返った刹那、ハッと我に返る。
「……ごめんね! 今行く!」
温かな気持ち。
ハルはそれを抱きしめて、駆けだした。
*
「あーもう僕、LBXにハマりそうです!」
「サッカーやってね!?」
「や、やりますよっ!」
楓にやる気オーラを放とうと頑張る西園を、立向居は微笑みながら見ていた。
「でも、やっぱり身長って必要なんでしょうか……。」
「いや、君のジャンプ力があれば問題は無いと思うよ。それに高校に入ったらグンと伸びる人もいるから、」
「だって親子って相当ですよね!?」
「焦らなくても大丈夫だよ!」
真剣な表情の西園に、楓は力説する。
「おかーさーんっ!」
「信助君焦っちゃだめ!」
「2人共混乱してる……。」
「おとーさーんっ!」
「もうどうしたらいいのお父さん!!」
「!!?///」
混乱してしまった西園と楓、対応に困る立向居は、傍から見れば完全に親子だった。((近所の人談))
**
互いに意識する幼馴染、
互いに心を隠し続ける幼馴染。
# The end #
あとがき
ほのぼのって何ですか!←
鈍ったのかもともとそういう頭を持ち合わせていないのか……確実に後者ですね、レッドさん本当すみません。
そして街中は完全にクリスマスで本当に土下座何回やったらいいのか……!!
ハルちゃんは幼馴染という事だったので、意識し始めた感じにしてみました。
楓ちゃんはずっと好きだけど言い出せなくて、西園君にお母さんと言われて混乱して…的なイメージで書きました。
キャラ違っていたら……;;
リクありがとうございました、こんな私ですがこれからも応援して下さると嬉しいです!!
それでは!