二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 短編小説 *戦国BASARA* ( No.12 )
- 日時: 2011/10/23 14:18
- 名前: ☆Milk☆ (ID: 9w/YL3et)
*守ると決めた日* 〜政宗(梵天丸)と小十郎。〜
俺はなんて無力なんだろう・・・。
梵天丸様を守りたい一心で守役を買って出たのに、結局何もできないじゃないか。
なるほど・・・先輩方が言っていた、止めたほうがいいって言うのは、どうせ出来ないからってことか・・・。
俺はこのまま守役としてここに居て良いのだろうか・・・。
おまけに輝宗様に教育係まで命じられるし・・・。
「小十郎?何をしておるのじゃ?」
「梵天丸様っ・・・!」
「写経の時間じゃないのか?」
「そ、そうでしたね。申し訳ございません。」
ええい!俺が弱気になってどうする!?
梵天丸様はいつも強くいらっしゃるのに・・・!
・・・だが・・・。
「・・・泣いておるのか・・・?」
「え・・・?」
いつの間にか涙目になっていたらしい。
全然気付かなかった。
「・・・いえ。」
「そうか・・・。」
その時、門前が騒がしくなった。
「?なんじゃ?」
「見てきますね。」
「梵も行くぞ!」
「片倉小十郎を出せってんだ!あいつに用があんだよ!!」
あぁ・・・あの人たちは・・・。
俺が養子に出された先の家の方々。
「小十郎・・・。」
「・・・申し訳ございません。ちょっと行ってきますね?」
コクっと頷いた。俺は養家の人々の中に入っていく。
「久しぶりだな。・・・ちょっと来い。」
人の目につかないところへ来た。
「どうしました皆さん、なにかありましたか?」
「お前、このお城の若様のお守りやってるらしいな。」
「・・・それがなにか?」
「お前なんかにそんな大役できんのか?笛吹くしか脳がねぇくせしてよぉ!」
喧嘩になった。だが俺は殴られるまま。この時だった。頬に傷が付いたのは。
「あんな片眼についてて、何が楽しい!?気味が悪いだけだろーが!」
気味が悪い・・・?
「テメェ・・・今なんて言った・・・?」
「は?だから・・・。」
「なんて言った!?」
「っ・・・調子乗ってんじゃねぇぞ!!」
さすがに、大の大人三人に敵うはずも無く、俺は死を覚悟した。
だが・・・。
「止めんか貴様ら!!」
「ぼ・・・梵天丸・・・様・・・?」
「貴様ら!ここに居るものが誰だか心得ておるか!こやつは、十六代当主輝宗が長男、
梵天丸の守役、片倉小十郎であるぞ!」
「梵天丸様・・・!」
梵天丸様は勇敢にも三人に対して刀を向けた。
「さぁ、梵の相手はどいつじゃ?相手してやるぞ。」
三人はさすがに諦めたように帰った。若相手に刀は出せない。梵天丸様はそのことを分かっていたからこそ刀を抜いたのだ。
力業では敵わない。
「小十郎・・・ケガはないか?」
「はい・・。少しだけです。・・・よく頑張りましたね・・・。」
梵天丸様の目から少しずつ涙が落ちた。
「怖かったよぉ・・・。」
「はい。立派でしたよ。」
そうだ。
何を俺は悩んでいるんだ。梵天丸様はまだまだ幼子だぞ。
俺が守らなくてどうする。
「必ずお守りしますから。・・・無理なさらないでくださいね。」
「ふふ。」
「Ah?どうした?小十郎。」
「いえ・・・少し、昔のことを。」
「昔って・・・いつだよ?」
「この傷ができた時ですよ。」
そういうと政宗様の顔は少しずつ紅潮した。
「あれか・・・。sit!恥ずかしいったらねぇぜ。」
「そんなことございません。」
「shot up(黙れ)!」
「・・・次の戦、ご無理なさらず。」
「分かってるよ。
・・・お前が守るんだろ?」
「御意のままに。」