二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 短編小説 *戦国BASARA* ( No.18 )
- 日時: 2011/10/27 18:32
- 名前: ☆Milk☆ (ID: AUhWJrzr)
>凌空
文才かぁ・・・。
国語この前58点だったけどね。
伊達主従はいいよ。書きやすいっていうのもあるけどね。
次は青年光秀と少女濃姫。
*黒蝶* 〜光秀とお濃〜
「じゃぁね、光秀。行ってくるよ。」
帰蝶は輿に乗る前、俺に向かって笑った。
今日は尾張の小大名、織田吉法師への輿入れの日だ。
俺と帰蝶は従兄妹だからずっと一緒にいたけど、今日でお別れとなる。
今回の輿入れは、家中に反対が多い中、道三様が決定したものだった。道三様は、吉法師は将来大物になると言って譲らなかった。
「帰蝶!ほんとに、気を付けてくださいね!吉法師はうつけ者との見聞がありますので・・・。」
「光秀もお父様と同じだわ。心配し過ぎよ。それに今は私、ちゃんとお濃って名前があるの。いつまでも幼名で呼ばないで!」
「す、すいません、つい・・・。」
すると帰蝶はふふっと笑った。
悪戯な笑いだった。
「大丈夫よ、私ちゃんと気に入られてみるわ。」
「そうですか・・・。」
「光秀、手紙書いてね。書かないと許さないわ。」
「ハイハイ、わかってますよ、帰蝶、いや濃姫様。」
「うん。じゃぁね。行ってくるわ。」
帰蝶の姿はだんだん見えなくなった。
寂しくなるなぁ、今まで当たり前のようにいた人が急に居なくなるなんて。
吉法師が本物のうつけで、帰ってきたくなればいいのに。
「・・・ダメか。」
帰蝶は気に入ってるみたいだったし。そんな都合のいいこと、起こらないか。
・・・と、思っていた矢先。
家中が乱れた。道三様と龍興様の対立が激化し、龍興様が俺たちの居城である明智城を攻撃した。結果、俺たち家族はバラバラになり、仕えるところがなくなった。
「・・・俺、どうしよう。」
どこに支えればいいだろう。そんなことを考えながら京に居座った。そんな時、帰蝶から手紙が届いた。
『仕えるところがないなら、上総助様に支えれば?』
「信長殿に・・・。」
迷いがあった。俺はもう、帰蝶に同じ立場だと見てもらえない。前は違った。仲良しだったからだ。俺は帰蝶と信長殿が一緒に居るところを見て、耐えられるだろうか・・・。
だが金ももうない。迷っていられない。仕えよう。己の身が朽ちるまで。
「お前が光秀か、ようきた。儂が信長じゃ。」
「忠誠を誓います。」
「うむ。」
「ありがとうございます帰蝶。助かりました。」
「ふふふ。相変わらずね光秀。」
「帰蝶はより美しくなられて・・・。」
「いいのよ、世辞なんて。・・・ねぇ光秀。心配しないでね。」
「?」
帰蝶は俺の耳に顔を近づけて言った。
「私、あなたの前ではあの人とイチャイチャしないから。」
俺は自分の顔が一気に火照るのを感じた。
ヒラヒラと俺を困惑に落とす、美しい漆黒の羽の蝶。
*濃姫は『美濃』から来たから濃姫。本名は不明だそうです。