二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 短編小説 *戦国BASARA* ( No.49 )
- 日時: 2012/02/04 13:38
- 名前: ☆Milk☆ (ID: ZIpXt3fk)
お約束しました、彩様と政宗のお話です。
暖かい目で見守ってください。
「ねぇ姉様?姉様はどこにも行かないでね?」
彼女の裾をつかむ、小さな男の子。
右目に包帯をした、小さく細い体という容姿。
彼女は、当然でしょう?と少し笑った。
その少女の名前は彩。こう書いて、「さえ」と読む。この名は、彼女の父親、伊達輝宗の色彩豊かな、美しい人生を送って欲しいという願いから来たものだ。
彼女の弟、梵天丸にも由来がある。母親である最上御前。彼女が懐妊する前、夢を見たのだ。白い髭を生やした老人が彼女の胎内を借りたいと申し出た。一度は断ったがそれを夫に話すと、それは良いことだ、次は受けなさい、というので、彼女はそれを受け入れたのだ。その時老人から礼として貰ったものが幣束である。幣束は修験道において梵天と呼ぶ。そこから、梵天丸という名前が付いた。
話を戻そう。
彩と梵天丸はとても仲の良い姉弟だった。
彩は常に弟の面倒を見ていたし、梵天は彩が喜ぶようなことをいつもしていた。そんな二人を、両親は温かい目で見ていた。今、梵天丸は元服し、政宗と名乗っているがその関係は相変わらずだ。彼が今十九、彩が二十四だから、二人は五歳差ということになる。
彩は大名の子だ。もちろん、政略結婚させられる運命だった。
しかしその運命を、彼女の弟はひっくり返してしまったのだ。
その行動は、姉を大切に思うあまりに起こったこと。
なぜ彼がここまで姉と大切にしているか。それを語るには彼が五歳、彼女が十歳の時のある事件を話さなければいけない。
前置きが長くなったが、もう暫く付き合っていただきたい。
奈良の都、平城京。この平城京に、東大寺という寺があり、中には黄金の大仏がある。この大仏は当時の天皇、聖武天皇が都を治めるために造ったものだ。その頃都では「痘瘡」と呼ばれる病が流行っていた。
これは恐ろしい病で、感染すれば最悪死に至り、至らずとも顔に何らかの痕が残る。
奈良時代から約八百年後の奥羽の地で、この病にかかった子供がいた。
その子供が後に「独眼竜」と称される梵天丸だ。
彼は、死に至らなかったものの、顔に無数の痘痕が残ってしまった。そして、彼女の母親はこれを忌み嫌い、梵天丸を避けるようになった。
しかし彩は違った。ずっと、梵天丸のそばにいた。
「・・・姉様は、梵のことキライ?」
「嫌い?何でそんなことを聞くのよ。私は大好きよ、梵天が。」
「本当?」
「もちろんよ。安心して。」
私は、あなたの傍にいるから─────・・・。
前半終了。
すっごく読みづらい。
ごめんなさい。