二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 短編小説 *戦国BASARA* ( No.50 )
日時: 2012/02/04 14:12
名前: ☆Milk☆ (ID: ZIpXt3fk)

彼女は言葉通り、彼のそばにいた。
それが彼にとっては唯一の救いだったのかもしれない。
そんな彼にもう一つの光が現れる。後に彼の軍師となる片倉小十郎景綱が彼の教育係としてやって来たのだ。
小十郎は質実剛健、引っ込み思案な梵天丸の心を諭し、さらには彼の飛び出た右目を短刀でえぐりとってしまったのだ。これにより梵天丸は明るく、活発な子供になった。

さて、この頃、彩と梵天丸はしょっちゅう城下町に出かけていた。
やはりこの辺は兄弟、彩にも梵天丸にも、恐れなどなかった。怒られてもそれが何だというように、何度も何度も城下に行った。
いつも二人は一緒だった。

しかし、そんなことがいつまでも続くわけではない。
十五になった彩には、結婚が近づいていた。
しかし、彩には好きな人がいた。よく行く団子屋の跡取りである若者に恋をしていた。
梵天丸もそれは承知していた。そしてあの大胆な行動に出る。
「行くぞ、小十郎。」
「しかし・・・梵天丸様。お父上はもう彩様のご結婚を決意されております。それなのにそれを変えるとは・・・出来るとお思いですか?」
「出来る出来ないではない!どちらにせよ、やってみる価値はあろう!」
たくましくなった、と思うと同時に振り回されることも多くなった、と小十郎はため息をついた。どうせ変わりはしないと諦めていたのだ。

ところが、だ。

「父上!!姉様は結婚相手をすいておられませぬ!どうか、結婚話を破棄してください!」
「そうは言ってものう、田村清顕殿の頼み・・・。簡単には・・・。」
「・・・分かりました。結局は、田村と同盟を組めばよいのですね?」
「ま・・・まぁ、な。」
「なら、俺が、田村の姫と結婚します。これで十分でしょう?」
「な・・・梵天・・・!」

自分が田村の姫と結婚する。そう言って、姉の結婚を破棄し、さらには庶民との結婚まで許させてしまったのだ。

これを彩は大変喜んだ。
ここから彩の新婚生活が始まった。
毎日が楽しい、素晴らしい日々。

しかし、事件が起きた。

彼女の結婚相手を好きだという人がいた。
その女は彩の旦那を殺し、彩をも殺そうとした。これを恐れた彩は弟に助けを求めた。
その頃はもう、梵天丸は結婚し、初陣も果たし、元服もしていて、政宗と名乗っていた。九代から貰った名前だ。
政宗は事情を理解すると、すぐに彩を米沢上に招いた。
ところが、彩は少々人間不信になっていた。人と合うことを恐れてしまうようになっていたのだ。
目の前で夫を殺され、自分も殺されかけたのだ。無理もない、と思いつつも政宗は少し寂しい思いをした。
しかしそれより、早く姉に良くなって欲しいと願った。そして彼の信頼する小十郎ではない、もう一人の教育係、虎哉宗一という和尚に姉を預かって欲しいと頼んだ。和尚は政宗の頼みを受け、彩を寺においた。

しばらくして、政宗が家督を譲り受けた。
政宗はまだ十八と年少で、自身も自体を申し出たが、最終的には輝宗が押し切った。

そしてその後すぐ、とある女の子が現れた。

菊を名乗る女の子だ。政宗に助けてもらったそうだ。
弟の成長と思いやりに彩は感動したが、一方で自由奔放な性格に少し困った。それでもやはり、彼女にとっては大切な弟だった。


「よし、六郎、姉様を幸せにしろ。いいな?」
「・・・!!はいっ・・・!!」


いい弟を持ったもんだわ。

大根を切りながら、彼女はつくづく考えた。




はい、gdgdですな。
お粗末でした。