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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 短編小説 *戦国BASARA* ( No.54 )
- 日時: 2012/02/12 13:59
- 名前: ☆Milk☆ (ID: 5DiXAqe.)
「ヤッベ…雨降ってきた…。」
校舎の生徒玄関で伊達政宗はつぶやいた。今日の天気予報で、雨が降るなんて言ってなかった。
(参ったな…。)
溜息をついた。横を見ると、折りたたみ傘をいつも持ち歩いている女子か、次々と下校していく。自分は持っていない。雨は強くなる一方。このままだと帰れない。
「はぁ…。」
すぐ傍で、溜息が聞こえた。見ると、同じクラスの女子がいる。金澤美月。政宗とは仲がいい。
「何溜息してんだよ。幸せが逃げるぜ。」
「アンタも溜息してたじゃん。」
「傘持ってねぇの?」
すると美月はニヤッと笑って、持ってるよ〜と言った。
政宗は思わず舌打ち。そして、思いついた。
美月が傘を開いたところでサッと美月の隣に入る。
「仕方ねぇな。入ってやるよ。」
「狭い。」
美月は文句を言いながらも、追い出そうとはしなかった。
(こいつ、あたしの気持ちに気付いてる?)
(まぁ、確かに狭いわな。)
しばらく歩いた。
途中で、おばさんたちがニコニコ笑いながらこっちを見ていた。
二人とも何も話さない。話すことがなかった。
そのうち、駅に着いた。ここで政宗は傘から出る。
「サンキュ。マジ助かった。」
「仕方なかったんじゃないの?」
「仕方ない。俺が。」
政宗は笑った。そしてじゃぁなと手を振って構内に走る。
「まさむ…。」
「ん?」
(抱きしめてよ。)
「…ううん。何でもない。」
「ん。じゃぁな。」
(やっぱ、気づいてないか。)
(あいつ、俺のこと好きなの?)
それぞれ思いながら、二人は帰る。
(抱きしめてか…なんて、ね。)
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