二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: とんがりボウシ 〜おしゃれ〜 ホワイトタウンのお城 ( No.38 )
日時: 2011/12/30 12:37
名前: ^あずき^ ◆ktuOumAFjE (ID: Di8TedTz)

000三話000 または*二十四話*

 <やり間違いで>

私はお城から帰った後、商店街の騒ぎに聞き入っていた。

 「一番遠くにいるのが犯人—————だそうよ。」

 「あなた、何所に居たの?ここから—————お城が一番遠いの。教えて!」

 「いいえ、私は貴方達の言うとおり、お城に居ました。しかし————強盗犯など、しておりません。」

 「やはり、あなただったのね!」

 「そんな事を言う人ほど、信用されん。おい、こいつを今すぐ塔に送らせろ。」

 「え?あ—————、ちょ、やめなさいよ!」

私はあの人たちの勘違いのせいで塔に送られて裁判をかけられる事に……ああもう、だれか助けてよ!



 −−−カムハ目線−−−


 「なになに。ファーリーちゃんは何の罪も無いのに———これ、先輩として許せないもんね—だ!ファーリーちゃんって決め付けた人を裁判にかけてやるぅ!」

 「カムハァ〜、ふう…。ひまだぜ…。」

 「暇なんかじゃないの!ミリー、あんたはファーリーちゃんの同級生。しかも、あたしは14歳!先輩に向かってそんな口聞いてるんじゃないよ!」

 「あいつなんか、どーでもいいんだよ。それより…。…ったぁ!ぶつんじゃないぜ、こらぁあぁあぁ!」

 「ふん。先輩に向かっていつまでもそんなこと言ってるからあたしにぶたれるのよ。みじめな子!」

 「なにぃ〜っ。」

ったく、うざったらしぃわぁ…その思いを隠して、あたしはあ、ミリーをキッとにらみつけた。

 「そんなに暇なんなら、あたしがい・い・と・こ・につれてってあげる!」

 「な、なんなんだよ…。」

 「何って、きまってるじゃん。」


 −−−−ファーリー目線−−−−

 「ホント、何もやってないってばッ。」

 「だからあ、怪しいって言ってんじゃないの。」

 「もっと急げ。怪しいも何も、ほっといたら危ないじゃないか。」

 「そうよぉ。家の店まで荒らされたら困るのよねぇ。」

 「…何にもしてないって、さっきから言ってんじゃん!」

 「まぁ、楽しみねぇ。校長先生の魔法であんたの罪がばれる事ぉ。」

 「それなりの罰を受けないと、逃亡し続けることになるんだ。今行っといた方が、楽だ。」

 「ちょ、ちょっと〜〜〜〜〜。ふざけないでよね〜〜っ。」

 「ふざけてない。強盗犯のおまえのほうがふざけてるだろ。」

もう〜。どうして私って決め付けられるの…。


 「ちょおっとまったぁ。その子、放してもらうよ!」

 「こ、こんなときは……」

 「あはは。先輩ながらのカムハ様は、こんな魔法も知ってるのだー!まほう、じかん、止まる!」

すると、すうっと皆の動きが止まった。カムハさんは、私を見て、言った。

 「校長先生に言ってこよ。ちゃぁんと証明してやるんだから!」

 「そ、そうですね。」


 がちゃ。動きが止まったままの塔のドアを開けた。
校長先生までもが、怖い顔をして止まっている。
でも校長先生の事なんだから、魔法で犯人は私じゃないって証明してくれるはずだ。

 「さあ、魔法解除するよ。まほう、とまる、ちがう、うごく!」

すると皆生き返ったかのように、いっせいに動き出した。校長先生は、どたどた本の階段を下りてきた。


 「ファーリーさん、すいません。あのまちの住人達は、何者かに操られていたようです。何だか……ペンギンが関わっていそうな気もします。」

ペンギン…で悪い奴と言えば、ムーニしかいない。
カムハさんは私と同じことを思ったのか、顔を見合わせて、コクリと頷いた。

 「でも、もう大丈夫です。街の住民にかけられていた魔法は完全に解除されました。」

 「校長先生、有難う御座います。こんなことまで教えてくれて…。」

ありゃー、カムハさん、完全に感動しちゃってる。
ま、いっか。どうせ、ムーニのかけた魔法は完全に解けたらしいし。

 「ちなみに…。此のカムハくんは、本物です。陰などではありません。」

 「ほぉ〜。」

まるで鳥がなくかのように関心の声をあげたので、カムハさんはクスッと笑った。

 「でもあたし、ファーリーちゃんの意外な一面が見れて、良かったよ。ファーリーちゃんでも、素直になれるんだね」

 「え、先輩今の、何ですか?「でも」って。」

 「ううん、何でもない。」

でも、私もカムハさんの意外な一面を見れたのかも。
私を守るほど、後輩の事を大事に思っているなんて。
これからも、私、ちょっとだけ、素直になろうかな…。

 ::続く::