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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 戦国BASARA 「気紛れカオス」 短編集 企画始動中 ( No.116 )
- 日時: 2012/03/23 00:27
- 名前: 明星陽炎 (ID: ozMnG.Yl)
※いつぞやのネタより、慶次成代
♀→♂
「生まれ変わったら桜の下で、また逢いましょう…」
そんな曲があったな、そういえば。
何の気もなしに口ずさみながらふと思った。
(…生まれ変わったら、と言うけれど)
生まれ変わった先が違う世界だったら、それはどうするんだろうか。
…何のことはない、つまる所それは『俺』自身の話だと言うわけだ。
俺の名は『前田慶次』。
『私』の存在した世界とはまた異なった世界の戦国時代を生きている。
前田慶次で在る前はごく普通に平和ボケした世界の中で掃いて捨てるほど有り触れた女だったのだが、もう『俺』としての生活も随分長くなったし、今はそれなりに立派に男で武将。
血にも慣れたし、戦も餓えも病も傷も、何もかも此処に順応してる。
それは向こうの常識ではきっと慣れちゃいけなかったんだろうし、有り得ちゃいけないことだったんだろうが、生憎俺だって命は惜しい。
生きるために全てに慣れたんだ。…まあ、言い訳だけど。
それでも未だに御家に縛られるのだけには耐えられなくてこうしてふらふらと彷徨い歩いてるんだけれどね。
「風の吹くまま、気の向くまま…なあ夢吉、次は何処に行こうか」
「キキッ」
肩に乗った小猿に問えば、彼の小さな指先は遥か遠くを指差していて。
「お、あっちかな?」
にこりと笑いながら答えた俺の肩の上で彼はこくりと頷いた。
「たしかあっちは奥州だったよな」
そろそろ、あそこにも桜が咲くだろう。ひょっとしたら花見に来た見知った顔に逢えるかもしれない。
不敵に笑う竜と、その隣で渋い顔をする右目の姿が脳裏を過ぎって思わず俺の口元もほころぶ。
「じゃ、行こうか…」
さて。
今度はどんな事が起きるかな。
ちょっとだけ、俺の心が舞い上がる。
「傍観主義の風来坊…まかり通る、ってね」
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