二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 戦国BASARA短編集「気紛れカオス」 イベントなう!! ( No.358 )
- 日時: 2013/06/15 14:32
- 名前: 明星陽炎 (ID: tRamSAT8)
グレイ様リク!
無の字から『それ』を聞いたのは実は三日前。
あの傍若無人も人の子なんだったとか、本人に聞かれたら殴られそうな事を考えていたら「何を考えていたかは知らんが、口にしないようにね」とまるで心でも読まれたんじゃなかろうかって改めて彼女と家主の小さな共通点に肩を震わせたのはまあ、蛇足なんだけれどさ。
——おや、知らなかったの?もうすぐ姐さんの誕生日だよ。何かプレゼントしてやったら?
誕生日、誕生日…確かこの間テレビでやっていたあの甘ったるい恋愛ドラマって奴では主人公の少女のそれに、相手役の男が贈り物を渡していたと思い出して。
いつぞや俺の生活雑貨を揃えた大型の店舗でちらりと目の前の小物屋に視線を向けながら、ふむ、自分で言うのもなんだけれど随分こっちに馴染んだよなぁと小さく頷いた。
(…と、まあ意気込んで出てきたのは良いんだけど)
さてあの女帝様が何を欲しがってらっしゃったかと言われるとはてな、何一つ思い付かない。
脳味噌を必死に絞り出して、数少ない彼女との外出での出来事を思い出す。
あの時は、いやあれは、そうやってうんうん唸る俺の姿はさぞかし不審だろうが致し方あるまい。
ふと、思い出したのはいつぞやこの店に来たときに彼女が見つめていたもの。
それは蒼のびいどろで出来た綺麗なグラスで、それを見た彼女は珍しくほんのりと微笑んでいたその表情があまりに繊細に脳裏に焼け付いている。
(…あれ、まだあるかな)
目の前の小物屋に飛び込んで、慌ただしくそれを探し出したのはそれから十数分後。
「…誕生日?ああ、そういえばそんな時期だったな」
「…まさか覚えてなかったの、アンタ」
「今までロクに祝ってくれる奴も居なかったんだ、覚えてる訳ないだろ」
此方に視線を向けもしない我が家の女帝様は相も変わらずに洒落っ気のない薄墨の着流し姿で愛用のパソコンとにらめっこを続けている。あのねぇ、人と話をするなら此方を向きなさい。
それに祝ってくれる奴が居なかっただなんて嘘でしょうに、彼女の手元にある葉書に印刷された見事な紫陽花の花と「誕生日おめでとう!」の文字。それ、前田の風来坊からだろ?
「…嘘吐くならもっと上手に吐きなよ」
やれやれと肩を竦めて彼女の後ろからそっと包みを彼女の目の前へ。渋めの色合いが彼女には似合うだろうと、これも店員とあれこれ悩んだ末に選んだもの。
「ん?」
「はい、おめでとう」
にっこり、微笑んだ俺に少し彼女は眉を潜めて、包みを破かないようにゆっくりと剥がしていく。
「…これ」
「前に見てたでしょ、それ」
中から出てきた件のものに、彼女はふうと溜め息一つ。
「覚えていたのは誉めてやるが、別に欲しくて見てた訳じゃないぞ」
「え」
「丁度連載で贈り物を考えていた時に目についてな…」
それであの微笑みか。
「大体、グラスならうちにあるからそう必要な物ではないな」
「そうかよ」
多分今の俺はとても渋い顔をしているに違いない。そんな俺の表情を見ながら緋色は苦笑しながら「間抜け」と呟いた。
ああもう!
「姐さん、失礼するよ」
「ああ、無の字。部屋にある本なら持っていって構わないよ」
「有り難く。…ん?姐さん、それは?」
「ああ、これかい」
「綺麗なグラスだね」
「わざわざ私の為に買って来てくれたんだと」
「それはまた…」
「ふふ、必要ではないけど…捨てるのも憚れてね」
「…よかったね、姐さん」
「ああ、本当に」
【びいどろの蒼を見つめて】
→グレイ様リクエスト、『緋色に誕生日プレゼントを買うもいらないと言われる佐助。しかしそれを大切にしている緋色』でした!
さあ明星!土下座の貯蔵は十分か!?十分です!!
ちらりちらりとむっさんを出したのは趣味です。本物と似てもつかなくて本当に申し訳ありません…
個人的には緋色とむっさん、似た者同士で仲が良ければいいなあと思っているのですがどうでしょう、ほら、if蒼空で彼女の婆娑羅闇ですし!←必死
このあとグラスは緋色の部屋で小物入れに使われます。たまに彼女が磨いてるとか←
すみません黙ります。
さておきましてリクエスト本当に有り難う御座いました!!
このような駄作ですが、捧げさせて頂きまして…