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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 戦国BASARA短編集「気紛れカオス」 イベント中! ( No.528 )
- 日時: 2014/04/16 12:22
- 名前: 明星陽炎 (ID: 0bGerSqz)
※お題提供、根緒様『※お題、あります。』
例えば、どうしようもなく偶然に思い出す空のこととか。
例えば、伸ばした腕が掴んでいる風のこととか。
例えば、ふと触れた冷えた指先が求める温もりとか。
例えば、君の隣で微笑んでいる時にふと浮かぶあの桜のこととか。
自分の事なのにまるで他人事、うつらうつらと夢現。
何でだったっけに意味はなく、どうしてなのかはもう分からない。
ただ冷えた身体を抱き締めてくれた君の腕の温もりと、頬を濡らして冷めてしまった滴と、空間全てを染めるような桜のいろと、震える音で紡がれた自分の名前、それだけが魂の奥底深くでざわめいた。
不確かなものばかりが転がっていて、自分の事を一番知らないのは案外自分かも知れない。なんて冗談じみたことを考えてみたり、らしくないのは分かってるけど。
例えば、君に呼ばれる名前が心地好いこととか。
例えば、さりげなく君に甘えてしまうこととか。
例えば、君の笑顔を見るとつい弾んでしまうこの心とか。
例えば、例えば、例えば。
浮かんでは消えるあれこれも、見え隠れする感情も、今はまだ答えを付けるつもりはないから、だからそっとそっと隠しておく。
いつか心の奥底にざわめくあの日のことをきちんと語れるようになるまでは。
【 あの日の景色を思い出す 】
(私はいつか)
(君と答えあわせをするために)
→僕いつ、奈津のあれこれ。
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