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Re: 英雄伝説 空・零・碧の軌跡 無限に続く軌跡へ ( No.11 )
日時: 2011/12/17 23:42
名前: 作者くしゃくしゃ ◆HOZN/8Uj3A (ID: /ReVjAdg)

第7話 世にも奇妙なルーアン物語後編

「お兄さんの名前セシラル・ワイスマンでしょ?」
「えっ?何故」
「ふふ、忘れたふりはさせないわよ、覚えてるわよね?あの時の記憶を」
「一体何の事ですか?」
「あれホントに忘れた〜?私は覚えてるわよ。貴方に遊んで貰った事を」
「君は・・・まさか、でもなんで」
「考えなさい。貴方になら分かるわ」
「なぜ私の前に現れたのですか?」
「うるさいわね、これ以上追求するとそこの女の人殺すわよ」
少女の指をさした先には旅行者と思える女性
「クッ、分かりました。その代わり私の前には二度と姿を見せないでください」
「できればそうするわ。じゃあもう消えなさい」
「そのつもりです。じゃあサヨナラですね。二度と会わない事を」
「ふふ、願いたいわね」
セシラルはエア=レッテンをでてアイナ街道の道に入ると、側にあった木に手をあて、跪いた。
「父さん、何で今さら僕の前に。やっと願いが叶ったのに、もう関わらないと決めたのに。」
目から出た生まれて2度目の小さな涙はその場に溢れる様に落ちた。



約2時
「ねえ」
「・・・」
「ねえってば」
「・・・・・」
「起きろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
「うわっ、あ・・・、エステルさん、貴方は重剣の・・・アガットさん」
「何ボーーーっとしてんの」
何がいったいどうしたのか、気付けばアイナ街道の片隅にある「紺碧の塔」の前で寝そべっている。
状況が理解できないがその場にエステルとあの重剣のアガットがセシラルの前にいた事だけは頭に入った。
「ここ・・は?」
「なに言っんの、アンタ倒れてたのよ。何があったのよ」
状況が理解できないなか、新たな疑問が次々と沸く。何故自分が紺碧の塔の前にいる、エア=レッテンで何があったのかまだ1分からない。
「分からない」そう返すしかなかった。
「魔獣と戦った覚えは?」
アガットが質問する。
「ありません」
そんなのある訳がない。エア=レッテンを出てから何も思い出せないのに。
「やっぱりな、あの殺し方で分かる」
「何でよ、分からないじゃない」
そう当たり前のようにアガットは言うが当然エステルが指摘する。
「魔獣が、死んでたのですか?」
セシラルも確認するがアガットは何食わぬ顔で
「ああ、真っ二つだ。体内の物も派手に飛び散っていた。セシラルの武器はお前と同じ棒だ。魔獣を真っ二つに出来るのはあのオヤジぐらいしかできない」
想像するだけで吐き気がする。
「そっか、セシラル気分はどう?」
「ちょっと気持ち悪いです。」
「しゃあねえ、お前の気分が良くなるまでここにいてやる」

2時半
その後会話を交わしている間にセシラルの気分が良くなりハッキリと喋れるようになった。
「そうだ、エア=レッテンに行ってたんでしょ?幽霊を見たって話を聞かなかった?」
幽霊、あの話の事だろう。
「あ、はい昨日隧道門前の警備をしていた人がみたっていう話を聞きました。あまり深くは聞いていないので本人から聞いた方が良いと思います」
「そうか、じゃ俺らは予定道理エア=レッテンで聞き込みを行う。セシラル、帰りは気をつけろ」
「はい」
それからルーアンまでは何も無かったそうだ。


午後3時過ぎ ルーアン市
「おっ、久しぶり・・・でもないか。まあお帰り。」
「2日振りですね。」
帰って来た・・・と言う表現はおかしい。でもまあそう言う事にはなる。
「んっ、前より暗いぞ、明るく明るく。美人な顔が台無しだよ、なんて君は男だよね」
ルーアン市遊撃士協会受付ジャンがセシラルを励まそうと喋ったが気付くと誰も居ない。残ったのは
「とりあえず孤児院に行ってきます」
と書かれた手紙だけ。
「展開早っ。作者は何考えてるの。某マンガの作者よりも早いぞ。」
良く見ると手紙の裏にはさらに文字が・・・
「展開早くてごめんね。君に嫌がらせしただけ。作者よりwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「作者酷っ」


午後3時半
マレーシア孤児院
「あっセシラルさんだ」
子供たちの声が一斉に聞こえる
「こんにちは」
丁寧にそう挨拶すると、遅れて走って来たクラムが笑いながらセシラルに飛びつく。
「もうクラムったら、失礼よ」
しっかり者のマリィがそう言うと
「あっごめん。セシラル兄ちゃんごめんなさい」
クラムが謝りながら離れる。
「誰か来たの?」
家の中から女性の声。もちろんそれはテレサ先生の声。
「あら、セシラル君こんにちは。それにしても今日はここに来る人が多いわね。」
「誰かここに来たんですか?」
「ええ、巡回神父さんと遊撃士の方が2人」
「その遊撃士はエステルさん達なの〜」
「セシラル兄ちゃんも「意地悪短期遊撃士怪獣エステル」には気を付けた方がいいよ。」
「それは流石に言いすぎじゃない?」
「そうよ、あっちだって好きでクラムの相手してる訳じゃないんだし」
おっとりとした声で割り込んで来たポーリィがそう言うと子供たちが続けて話しはじめる。
「エステルってあの女性の遊撃士の方ですよね」
セシラルが発言した時(エステルさんって顔が広いんだな)と思った。
「そうだよ、あの意地悪遊撃士がエステルだよ」
(クラム君はそう言うが、ほんとに意地悪なのだろうか?)
クラムが言うと余計に話が分からなくなって行く。
「まあ皆お元気そうで良かった」
そのあと孤児院で前のように楽しいひと時を過ごした。


午後5時
「じゃあ時間なので私は帰ります。」
「ええーもう帰るの」
「そうなの〜、もっといるの〜」
クラムとポーリィが引き留めるがエステルとの約束があるのでここに長居するわけにはいかなかった。
「でも約束があるので、ほんとにごめんなさいね。今度来た時お土産いっぱい持ってくるから」
「セシラル兄ちゃんが返るのは嫌だけど、俺たちのせいで約束守れなくてセシラル兄ちゃんが悲しむのはもっと嫌だ」
子供達は残念そうな顔をするが、そんな状況でセシラルが返りやすくしたのはクラムだった。
その言葉で周りの雰囲気は明るくなり、他の3人もセシラルが帰る事を納得し、セシラルは気持ちよくそこを去った。



午後5時半
遊撃士協会ルーアン支部
「ただいま帰りました」
「おっ、帰って来た。エステルからの伝言だよ」
「何ですか?」
「幽霊の隠れ家が分かった。退治しに行くから明日話そう、だって」
「え・・・まああちらもお仕事ですしね、仕方がないです。それにしてもこうなるならも少し孤児院にいても良かったな」


午後9時
それからセシラルはホテル・ブランシェの地下に泊まり、そこで1日を終えた。
しかし何故かエア=レッテンの出来事はあまり思い出せなかった。まるで記憶を操作されたかの用に。



その頃エステル達は幽霊の正体が用意した敵と戦っているのであった。