二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 英雄伝説 空・零・碧の軌跡 無限に続く軌跡へ ( No.16 )
- 日時: 2012/01/16 23:01
- 名前: 作者くしゃくしゃ ◆HOZN/8Uj3A (ID: oKgfAMd9)
無限の軌跡編 回想・少女の暮らす世界
正しい者が裁かれ間違った物が優遇される、世界は間違った方向へと進んで行く。
そんな世界のある日一人の少女が塩の杭の発生地「公都ハリアスク」の中心に座っていました。何日経っても何日経っても少女はずっと座っていました。何も食べずにずっと残った塩の杭だけを見つめながら。
それからさらに数日が過ぎました。
少女の体力は限界に限りなく近づき、今力尽きてもおかしくない状態でした。そしてとうとう少女は倒れる様に横になりました。ゆっくりと目を閉じて。
少女は目を開けるととても暖かく居心地が良いベットの上で寝ていました。
しかし少女はそこを天国とは思いませんでした。彼女の知っている天国は悲惨で気味の悪い場所だったから。
ベットの隣にある棚の上にはパンと呼ばれる食べ物があり、それを食べようか迷いましたが結局勝手に食べる訳にはいかないと思い手を伸ばしませんでした。でもおなかは根を上げグ〜〜っと音を出しています。
「起きたのか、おなか空いてるだろ?そこにあるのお食べ」
おなかのおとに反応した眼鏡をかけた男が優しい声でパンを勧めてきます。少女は耐え切れずパンをすぐにかじります。「おいしい」本当は不味くも美味しくも無いのに何故か心はそう感じました。男は微笑みながら優しく話掛けて来たり何かと気を使わせてきました。
男はゲオルグ・ワイスマンと名乗りました。
少女はゲオルグに引き取られ平和に暮らしていました。
毎日が平和でした。明日が待ち遠しいぐらい。少女は一生ゲオルグと暮らしていたい、そう願ってました。彼女にとってゲオルグは恩人であり父のような存在いや、それ以上であったから。
しかし願いはかなう事は無く、いづれ少女は彼の本性を知ってしまう事になります。
ある新しい1日が始まった日でした。ゲオルグと暮らした場所はもう見る事は出来ません。何故ならここは蛇の家だから。
少女の暮らす世界 おしまい