二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 英雄伝説 空・零・碧の軌跡 無限に続く軌跡へ ( No.22 )
日時: 2012/02/04 22:54
名前: 作者くしゃくしゃ ◆HOZN/8Uj3A (ID: te9LMWl4)

「御機嫌よう」
そう言ってレンを手に乗せた機械人形「パテル(パパ)=マテル(ママ)」はどこかへと飛んで行った。
その後
遊撃士協会グランセル支部
「あの子は貴方の事を裏切り者とか狩猟兵と言ってたわね。どう言う事だか説明しなさい」
遊撃士協会の2階のテーブルに座らされたセシラルの周りをウロボロスの件について調べていたエステル達に囲んでいたなか強気の口調で銀色の長い髪を持った遊撃士シェラザードがそう質問する。しかしセシラルは口を塞いで何も話さない。
「ねえセシラル、どうなのレンが言ってた事ってホントなの?。ねえ」
「本当・・・です」
セシラルは口を小さく開けてエステルの質問に答えた。
「私は元《身喰らう蛇》の狩猟兵、その中でも可能な限り身体を強化された狩猟兵です」
セシラルは暗い過去を皆に打ち明けた。もちろんその中にアネラスも居る。この言葉にエステルとアネラスは驚く。
「何故ウロボロスを抜けたの?」
シェラザードは冷静に話を進める。
「嫌だったんです」
この言葉を返すまでに十秒程間が空いた。
「嫌?何が?」
「関係の無い、罪の無い人々を傷つける事をです」

この後も何度も質問をされたが本当の事を話し、自分の過去を打ち明けた。ただ質問に対する事だけを。

第15話 迷い・遊撃士と《身喰らう蛇》

皆が聞きたい事は全て聞き終わった。
「もういいわ。貴方の過去も今までやってきた事も教えた貰った」
シェラザードがあまり宜しくない表情で言う。
「で、これからどうするの?」
エステルは苦い表情をしながらも少し微笑んだ顔で聞いた。
「それは・・・」
当然答えられる筈もない。ウロボロスに居た事を知られては信用を失ったも同然だからだ。
「だったら一緒に行こうよ。ウロボロスをぶっ潰しに」
セシラルにとっては思いもよらない言葉だった。彼にとってはとても嬉しかったが反面悲しかった。自分は本当に彼女から心配されているのか、役に立てるのか、そう考えると嬉しさを悲しさが覆うようになって行った。
「ごめんなさい。私は一緒には行けない。ただでさえ皆さんがマークされているのに私が居るともっとややこしい事になる。・・・だから一緒には行けません」
この答えは正しかったのか?そんなのは誰も知らない。断れるとはまったくもって予想していなかったエステルは唖然とし無言で遊撃士協会を出るセシラルを見ている事しかできなかった。

《身喰らう蛇》に関わってしまった彼の心は暗く果敢無い物になってしまった。

第15話 迷い・遊撃士と《身喰らう蛇》