二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 英雄伝説 空・零・碧の軌跡 無限に続く軌跡へ ( No.24 )
- 日時: 2012/02/06 22:36
- 名前: 作者くしゃくしゃ ◆HOZN/8Uj3A (ID: te9LMWl4)
「せいっ」
「やっ」バシーン
「あはは、やっぱりセシラルには勝てないな」
「諦めてたらもう強くなれませんよ」
「うん、そうだね」
「じゃもう一回勝負しよ」
「アネラスさん、今やるべき事が違うような気がしますが・・・」
「いいのいいの。さっ、早く」
「はいはい、一回だけですよ(手加減してあげようかな)」
「よーし私が勝ったら今晩はセシラルの事抱きながら寝るからね」
「やっぱり・・・本気だそう」
「もう一年になるね」
「何がですか?」
「セシラルがお爺ちゃんに助けられてその後に・・・色々あって八葉一刀流を習い始めてから一年ってこと」
「そう言えばそうですね」
「ねえセシラル。内に来る前はどこに住んでたの?」
「それは・・・秘密です」
「えーイジワル」
「でも心の整理が付いたら話します」
「ホントに?」
「本当です」
「じゃ約束だよ」
「約束です」
「帝国に行ってもがんばってね」
「ええ。強くなって戻ってきます」
「セシラルが居ない一年間。とても長いと思うけど待ってるからね」
「なら私は絶対に強くなって、アネラスさんの事を守れるようにします」
「ありがとう」
「じゃあ一年後また会いましょう」
第17話 命よりずっと大切な物
セシラルは《身喰らう蛇》の研究施設潜に忍び込んだがそんな事はあの男が知らない筈無い事は知っていた。
研究施設潜の外の外見は変わっていても中は彼が《身喰らう蛇》に属していた頃とは大差変わらない。変わったと言える事は警備兵が狩猟兵から4年前に開発されていた対人用兵器《ヴォーグル》に変わった事だ。ただ対人用兵器とはいってもセシラルの腰ぐらいの大きさで武器も小型のマシンガンだけというあまりにも貧相な機体である。今となっては旧式の機体になっているのは確かだろう。
狩猟兵に比べると若干不便な為、相当な数が配備してある。それでもセシラルはあっさりと無力化していった。
この状況で最上階まで上がるのは楽だった。道中特定のキ-を使わないと開かない扉もあったがそれは特定のパスワードを打てば開く。こんな感じですぐに最上階まで上がって行った。
《身喰らう蛇》秘密研究施設潜 4階
「着いた。出て来てください。ワイスマン・・・お父さん」
彼が自分と同じ名字の人間を呼ぶと壮絶な笑い声と共に正面の壁が上がる。
「久しいな我が娘よ、いや息子だったな」
壁の先にはいかにも頭脳派と言わせるような見た目の男とその右側にスミレ色の髪を持ち白いドレスを着た少女《殲滅天使》レン。
左側にはピンクの服を着た黄色と薄緑を足した髪をした少年。
「ヤッホーセシラル4年ぶりだね。元気だった?」
ピンクの衣装を纏った少年は明るくセシラルにふるまう。
しかしセシラルはそれを拒んだ。
「一週間程まえに会ったでしょう」
一応返事はしたが、出来るだけ口数は少なくした。
「なーんだ。ヴォーグルに撃ち殺されれば良かったのに。つまんないの」
「ふふ、そう言うな。セシラル、また戻ってくる気は無いか?狩猟兵ではなく執行者として迎えるぞ」
「貴方なら私が断る事ぐらい分かっている筈ですよ」
「念にだ。まあその答えだと・・・お前の想い人の命が危ないけどな」
セシラルの想い人。彼女の事であろう。しかし何故ワイスマンがその事を知っているのか。
「一体それはどうい・・・ぐは」
前にシードにくらわされた不意を突いたような衝撃ががセシラルの背中を走る。
「なに?・・・アネ・・・ラス・・さ・・ん」
セシラルは気絶する前に力を振り絞り後ろを見た。そこにはこの世界の理がおかしくなったような無表情な顔をした彼女の姿があった。
「すまないなセシラル。じき奴らも来るだろう、ドッペルランナーの準備をしておけ」
「了解しました教授」