二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 英雄伝説 空・零・碧の軌跡 無限に続く軌跡へ ( No.28 )
- 日時: 2012/02/11 21:36
- 名前: 作者くしゃくしゃ ◆HOZN/8Uj3A (ID: gF4d7gY7)
「……馬鹿な……そんな馬鹿な……
こんな事態……《盟主》の予言には無かった……
ま……待てよ……
た、試されたのは……私も同じだったと言う事か
くっ……戻ったら問い直さなければ……」
「悪いけど、それは無理やね」
「ケビン・グラハム、いつの間にこんな所……
どけ……貴様のような雑魚に関わっている場合ではない」
「ふぅ、やっと見つけたで。お前の息子さんが居なきゃりゃ逃がす所だった」
「どう言う事だ……」
「こう言う事です。ゲオルグ・ワイスマン、貴方はもう《盟主》に会う事はありません」
「貴様らぁぁ」(びしゅっ、ギイィィィィィィィィ)
「……貴様……《魔眼》が効かないのか!?
いくら星杯騎士とはいえ新米ごときに防げる訳が」
「あースマン。ちょっと三味線弾いてたわ。俺は騎士団の第5位。
それなりに修羅場は潜っとる。
ま、それでも本調子のあんたに勝つのは難しかったけど……
今なら付け入る隙があるからな。」
「なに?」
「父さん気付いてないんだね。自分が《下法》になっている事を」
「そう言うことや。俺の任務は最悪の破戒憎、ゲオルグ・ワイスマン———あんたの始末という訳や」
「なるほどな……だが、この程度の攻撃でこの白面が滅するなど……
なんだ……「塩の杭」……かつてノーザンブリア北部を塩の海に変えた禁断の呪具……
私一人始末する為にこんなものまで持ち出したのか?」
「これをくれたのは息子さんやで」
「なんだと……それを一体どこから……」
「それを知ってどうする気ですか?もう貴方は何もできない」
「恩を仇で返す気か……お前の命を救った恩を!」
「私はもう貴方への借りを返した
だから今度は貴方に償って貰います」
「いつからだ……いつからお前はそんな事を考えた」
「私が《身喰らう蛇》脱走する数か月前です」
「私がこんな子供に気付いていなければ
放っておけば……こんな事にはならなかったのに」
「あんたは少々やりすぎた。
いくら協会が中立だとしても、もはや見過ごす訳にはいかん。
大人しく滅びとき」
「おのれ……狗があああッ!」
「狗か……ま、その通りなんやけどね」
「全部終わった。この4年間でやってきた事が全部。さっケビンさん、急がないと崩れますよ」
「…………………………………………………」
「どうしたんですか?」
「いや、運がいいなって」
「誰がですか」
「君とヨシュア君の事だ。俺と違ってまだやり直せるんやからな」
(ウフフ……それってジェラシー?)
「遅かったですね」
「なんや」
「星杯騎士第5位————《下法狩り》ケビン・グラハム。
ウフフ、噂に違わぬ冷静っぷりじゃない」
「君は確か《道化師》やったな。悪いけど彼の方は手遅れやで」
「違いますよケビンさん。彼は見届け役。
計画の全てを把握し、一片の例外も無く《盟主》に報告する。父の自滅は単なる結果であって防ぐべき事態ではないでしたねカンパネルラ」
「言いたい事全部セシラルに言われちゃったね」
「なるほどな……《身喰らう蛇》まだまだ謎が多そうや」
「私にとっては貴方達騎士団も同じだと思いますが」
「ちょっとセシラル、また言いたい事先に言っちゃって……
まっいいか。これで役目が終わりだし。落し物も回収できたしこれで帰るとしようかな。セシラル、君も一緒に帰るかい」
「いえ私は歩きで帰ります」
「そっか」
「ちょい待て。落し物って……」
(パチン……カシッ、シャ--)
「カンパネルラ。さっきははありがとう。抜け出す為に艦をかく乱してくれて」
(パチン)
「君のスワローを心にしまっといた。自由に取り出せるようにしたからこれで借りは無しだよ。じゃ皆さん御機嫌よう」
「落し物ってまさか……まあいいこれ以上は俺の権限外や
じゃあセシラル君。さよならやな」
「そうですね。次に会う時はお互い心に残った闇が無くなっていればいいですね」
「そやな」
最終話 想いは新たな道へ
(ガタガタガタガタ)
「もうすぐここは崩れる。父さん、貴方はどこで道を踏み間違えたのでしょうか」(ガシャ、バギン)
崩れ始めている空中都市の中にセシラルは一人、塩になった父の方を見ている。周りにあった柱は一本、一本と崩れ始めている。このペースだとセシラルが踏んでいる床がいつ崩れてもおかしくは無い。そして時が来てしまった。セシラルの踏んでいる床は真っ二つに割れ彼は宙に放りだされた。後ろには戦艦アルセイユが見える
「これでいい。これでアネラスさんに迷惑をかけないで済む。父さんと同じ所へ行ける。父さんあの戦艦が美しく見えます。これが満足と言う事なんですか?」
彼は語り始めた。自らの命考えずに。しかし世界は彼を放って置く訳にはいかなかった。彼の周りを光が包んだ。その光はボース地方へと向かってゆき一人の女性の元へ進んで行く。光がその女性にの近くまで行くとその女性は光に向かって抱きついた。
「セシラルなの、本当にセシラルなの?」
「なんで……アネラスさんが……何で」
彼は今、生きている事を疑った。自分は何で生きているのかも分からずに。
「なんでじゃないよ。理由はどうあれ貴方はここに居る。貴方が黒幕の子供でも、私は貴方を抱きしめる。そして新しい人形を買って貰う。貴方が女になってもプレゼントは買って貰う」
アネラスらしい答えだったが、何故彼女は彼を女だと判断したのだろう。
「身体が……本当だ。元に戻っている。ある人が居なくなったから私の身体はもう元に戻ったのか?」
彼の疑問はまた増えた。何故生きているのか、何故身体が戻ったのか。
「なんでアネラスさんは私の事をよくしてくれるんですか?」
「友達だもん。一番最初にできた友達だからだもん。だからまた一緒に出かけたりしようよ」
アネラスの答えはいかにも無邪気なものだったが彼女らしく、そして希望に満ちていた。思いも知らなかった答えを返されたセシラルは生まれて3度目の涙を流した。