二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 英雄伝説 空・零・碧の軌跡 無限に続く軌跡へ ( No.33 )
日時: 2012/02/25 22:12
名前: 作者くしゃくしゃ ◆HOZN/8Uj3A (ID: gF4d7gY7)

クロスベル警察パート2
「今日から二課に配備される事になったセシラル・ワイスマンです」
「同じく二課に配備される事になったフェンオール・シードです」
会議室らしき部屋で2人は上司らしき男と金髪の自分たちと対して歳が変わらない男に挨拶をした。
「俺はドノバンだ。呼び名は警部でもドノバンさんでも何でもいい。それにしてもフェンオールって名前長いな。よしお前のあだ名は今日からフェイだ。」
上司らしき男はフェイを指さす。凄い真面目そうな顔でそう言えるのが不思議だ。もちろんフェイは対応に困ったが知り合いからは既にそう呼ばれていたので何気なく承諾した。
「じゃあ新人、今日から仕事に付いて貰う……なんてな」
上司らしき男の顔はさっきまでの真面目そうな顔から、バカなおっさん顔になっていた。
「がははは、当分二課には仕事は廻ってこないぞ」
「所詮二課に回ってくる仕事なんて会議と一課と支援課の残り物ですからね」
ドノバンと金髪の男の口から毀れた言葉は紛れも無い真実でもあり警察の実態でもあった。今、警察を支えているのは捜査一課と魔獣被害事件を見事解決し少しづつ評価が上がっている新部署特務支援課のようなものだからである。
「ちょっと待ってください、それって一体どういう事ですか」
警察の実態を知ったフェイはドノバンに問い掛ける。
「まあの内分かるさ。じゃまたな」
ドノバンはフェイの質問を受け流し会議室らしき部屋から出て行ってしまった。
「おいおいどう言う事だよ。警察ってこんなふざけた組織なのかよ。市民を守る為に働くのが警察じゃないのかよ。警備隊の方が何百倍もマシだ」
フェイは自分が働く警察に対する怒りを覚えてしまった。ただそれは当たり前のことかもしれない。彼は身勝手な帝国議員やマフィアからクロスベルを守る為に警察に入ったのに警察も大差ないからだ。
「まあまあ、これでも警部だって色々悩んでいるんだよ」
「何だと」
「警部とときどきこのままじゃいけないって愚痴るんだ。このまま何もしないでずっとしてたら市民からも信用されなくなるって言って毎日何か仕事を回して貰うように頼み込んでいるんですよ。仕事は廻ってこないけど」
金髪の男はドノバンの想いをを必死に語った。
「やっぱりですか」
さっきまで一言も喋らなかったセシラルがいきなり話に介入する。
「ドノバン警部の笑い声、どこか暗い物あるように感じましたから」
「なんでそんな事が分かる」
フェイは当然のように質問をした。
「私は言葉のウソ、表情のウソ、変装、偽名など全てのウソが分かってしまいますから」
それが彼女の秘められた能力。彼女はその能力の詳細を自信を持って二人に行った。
「じゃあ、あの上司は……ちゃんとクロスベルの事を。勝手に怒ってた俺は馬鹿だったな」


クロスベル市内、東通り
全然クロスベル市内の道が分からないセシラルの為にフェイも一緒に挨拶巡りをする事になったのだが
「なあセシラル、挨拶したい人が居るって言ってたけどまさか」
二人の目の前にある建物の入口付近には篭の仔手の紋章。看板にはドでかく「遊撃士協会」と書かれてある。
「本当に入るのか?」
「ええ、ここには知り合いがいますから」
警察は市民の虚け者。遊撃士は市民のヒーロー。一般的な考えだとそう言う結論にたどりつく。遊撃士も一部の部署を除いて警察の事を嫌っている。つまり警察が遊撃士協会の中に入るのはとんだ自殺行為であるのだ。
「嫌なら外で待っていてください」
「……分かった俺も行く」
決心が付いたのだろう。フェイは心臓をバクバクさせながら、セシラルは顔をワクワクさせながら遊撃士協会の扉を開けた。
「あら、警察が何か、ってセシラルじゃない久しぶりね」
受付に居たのはオカ……おネエ言葉で喋る男だった。
「この人男……だよな」
聞こえると失礼なのでセシラルの耳元でそっと質問した。帰ってきた言葉はもちろん「はいそうです」
「3年ぶりよね、いつからクロスベルに?」
「去年からです。今日から警察の一員となりましたがそれまでは•アルモリカ村にお世話になっていました」
これが作者が上手く説明できなかった部分の一つである。
「じゃあなんで挨拶に来なかったの」
「ごめんなさいミシェルさん。警察に入る為に必死に勉強していましたので忙しくて」
「謝んなくてもいいわよ。現にこうして再開できたんだし」
それから二人は話に夢中になった。そして残った一人が次第に「空気」←になり始めていた。
二人の思い出話や世間話が飛び交う最中遊撃士協会の扉がまた開かれた。
「ただいまー」
扉を開けたのは依頼を片付け、戻ってきたツインテールの少女と漆黒の黒い髪を持った少年。
「あれお客さん?って警察が何でこんな所に。……そっちの女の人はどっかで見たようなってセシラルじゃん」
少女は勝手に話を進めて行く。フェイは話についていけなかったがセシラルは慣れているのか上手く聞き流している。
「お久しぶりですね。エステルさん。あとそちらは7年ぶりですねヨシュア君」
7年ぶり、セシラルが《身喰らう蛇》を飛び出したのが6年前ならヨシュアがカシウスに敗北したのは7年前の事。
「アネラスさんからは色々聞いたよ。いきなりクロスベルに行くって言いだして心配させたんだって。セシラルが居ない間に色々あったんだよ。影の国に取り込まれたりザナデュウとか言う変な世界に巻き込まれて魔王と戦ったり。レンとレ-ヴェともう一人に囲まれてピンチになったり」
「エステルあとの方はアネラスさん関係無いって。……久しぶりだねセシラル。もう元の身体に慣れたかい?」
「はい。ヨシュアもお元気そうですね」
気付けばまた一人「空気」←になっている。
「セシラルそろそろいいか」
彼女たちの会話に歯止めを掛ける様にフェイがそう言った。
「そうですねまだ挨拶が残っていますし」
「行っちゃうの?」
「また会えますよ。何かあったら旧市街のアパートに引っ越したのでそちらに尋ねて下さい」
「うん分かった」
「じゃあ行きますか」
「ああ」

次に挨拶をしに行くのは特務支援課のビルだ。