二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 英雄伝説 空・零・碧の軌跡 無限に続く軌跡へ ( No.4 )
日時: 2011/11/30 19:09
名前: 作者くしゃくしゃ ◆HOZN/8Uj3A (ID: /ReVjAdg)

「君は今日から執行者≪レギオン≫№ⅩⅨ、「白面の涙」だ。」
父親がそう言うと、言われた子は小さな声で、
「じゃあ前の名前はどうなるの?」こう問う、
父親は優しい声で、「君の名前はそのまま。さっきのはあくまで仕事場での名前だよ。」と返した。

第3話 マレーシア孤児院

海港都市ルーアン
地方としてはヴァレリア湖の西に位置し、北のボース地方・南東のツァイス地方と接する。ヴァレリア湖とアゼリア湾を繋ぐルビーヌ川の河口にある港町としてかつては漁業と海運業で栄えた都市であったが、飛行船の発達により海運が減少しており、更に百日戦役でエレボニア帝国との貿易が冷え込んだため、近年産業の中心が観光業に移りつつある。
去年、ダルモア市長が個人的な借金から1億ミラにも及ぶ莫大な公費を横領し、孤児院への放火事件などを起こして逮捕される。あと何か知らんがこの話はFCのあのシーンのパクリに限りなく近いような気がする。と言うよりもネタが無かったからこうなった。


マノリア村の宿「白の木蓮亭」で昼食用にマノリア村特製頑固パエリヤを購入したセシラルは昨日の事を忘れられたが、全部という訳ではなかった。
何も考えぬまま宿を出ると、体に強い衝撃が加わり尻もちを着いた。

「きゃっ」

女性の小さな悲鳴を聞いたセシラルは直に立ち上がりぶつかった女性に駆け寄り

「ごめんなさい。ついよそ見をしてしまって。大丈夫ですか?」

そう言ってぶつかった女性に手を差し伸べた。ジェニス王立学園の制服を着て紫の髪をした女性は立ち上がると複雑な表情を浮かべながら「こちらこそごめんなさい」と言い村の南出口に向かって歩いて行った。
村の南出口を出るとある道、「メーヴェ海道」はルーアンに繋がる道で、水系統のアーツを駆使する魔物が頻繁に活動しているため女性が一人で歩くのはとても危険である。通る道が同じなら遊撃士として、お詫びとして一緒に付いていった方がいいと判断したセシラルはさっきの女性を追いかけた。

「いてっ、何すんだよ」

出口を出て直後、今度は帽子をかぶった赤毛の子供にぶつかった。しかも怒られた。
立ち上がって誤ると、子供は

「いや、別にいいよ。今度からは気をつけろよ。注意力のない遊撃士さん」

と皮肉口を叩きながら走ってさっきの女性と同じ方に走って行った。
ぶつかった時からか、何か体が少し軽くなった。ほんの少し、普段は感じないくらい軽くなった。まさかとは思ったが胸元を確認すると遊撃士のバッチがない。付近を捜したがそれでも見つからない。女性とぶつかった時にはまだあった。思い当たるのはさっきの少年。
セシラルは少年を追いかけた。とにかく追いかけた。そして少し大きな建物、いや家の前にいた。

さっきの少年を捜すと子供の声が聞こえ来た。しかも複数。耳を済まして会話を聞くと、

「注意力の無い遊撃士から良い物取って来たぜ」
「クラムまた?先生怒るわよ。前だってエステルさんの盗んだんだし」
「そうなのー。せんせーおこるの‐」

セシラルは少年の背後に近付き
「ほら、捕まえましたよ。私の遊撃士バッチを返してください」
と抱きしめるに近い掴み方をした。
「何の事だよ。知らないよ」
「じゃあさっきの会話で言っていた注意力の無い遊撃士からとって来た良い物って何ですか」
「う・・・それは」

これでもう反論はできないと思ったが急に白い鳥が威嚇してるかのように飛んできてこれに驚き、帽子の少年を放してしまった。

「ここは孤児院です。ミラも金品もありま・・・貴方はさっきの」
顔を上げると腕に鷹のような鳥を乗せたさっきの女性が驚いた顔をして立っていた。
「クローゼ姉ちゃん。俺何もしてないのにこの姉ちゃんがいじめて来る」

今ので何かマズイと思ったのか、その女性にすかさず事情と自分は男だと言う事をを説明した。

「やっぱりですか、ごめんなさい本人は悪気は無いのですが。クラム君。ちゃんと返しましょう。」
「だから俺何もしてないッて」

クラムと名の少年は強情を張ってなかなか返そうとしない。
「空の女神(エイドス)誓っても盗んで無い。」
今、とんでもなく凄い発言した事に本人はきずいているのか。単なるヤケクソなのか。

「テレサ先生が不在中の今、どうすればいいの」
女性は完全に困り果て、他の子はもう手がつけられないって感じの顔を浮かべた。

「どうすればいい、この子から返してもらうには・・・ん?この子、忘れてた。相手は子供だった。」
相手は子供だとすっかり忘れていたセシラルはクラムに正面から近づき、しゃがんだ。

「大丈夫、誰も怒ったりなんかしませんよ。本当の事を言ってください。」
そうクラムに言った。
すると心動かされたのかクラムはズボンのポケットから遊撃士バッチを取りだし
「そこまで言うなら仕方がないな。ほら返すよ。あと、ごめんな・・さい」
といいながらそっとバッチを差し出した。
「あと・・一緒にクローゼ姉ちゃんのアップルパイ食べない?おいしいよ」
この発言は意外だったが嬉しかった。周りの子供達もクローゼと言う名と思える女性も驚いていた。
「良いんですか?じゃお言葉に甘えて」
そう返すとクラムを含む4人子供に囲まれながら孤児院の中に入った。
「クラム君が外の人に懐くなんて珍しいですね。すみません名前も名乗らず。私はクローゼ。クローゼ・リンツ。貴方は?」
「セシラル・ワイスマンと言います。あっ、作るの手伝いましょうか?」
以外に良い雰囲気になったような気もしたが特にそんなんでも無かった。
「みんな、帰って来たわよ」
「テレサ先生お帰り‐」マーシア孤児院の院長のテレサ先生が帰宅するとみんなアップルパイを待つのを忘れ先生の横に駆けよった。
テレサ先生は、厨房の方に行くと当たり前のように「貴方は誰」とセシラルに言った。
対応に困ってると緑色の女の子が駆けよって来て「その人は、クラムが懐いた人だよ。クラムが懐くのは珍しいのにこの人には一緒にアップルパイ食べようまで言ったんだよ」とフォローしてくれた。

セシラルは名を名乗り、出来たてのアップルパイをクローゼや子供達と食べながら楽しいひと時を過ぎた。


この時には埋もれていた。

昨日の事が楽しい記憶の中に。