二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン×REBORN! 十年後の世界で ( No.104 )
- 日時: 2012/01/21 21:45
- 名前: しろお (ID: cSw9GUzL)
全て夢だったんじゃないか。
アフロディはそう思っていた。電車が来るのを、ぼんやり待ちながら。
松風が牽かれた後、アフロディは意識を失って、気付いたら元の時代に戻っていた。しかしツナやリボーンは戻っておらず、ただ、指輪とボックス、そしてリボンが手元に残っていた。
その後イナズマキャラバンに参加。しかし、足の怪我が原因ですぐに離脱。病院生活を余儀なくされた。
しかし、彼には未来から託されたやるべきことがまだ残っていた。しばらくの間外出は禁止されていたが、怪我の具合もよくなり、アフロディはついにこの日に決行した。
松葉杖をついて電車に乗り、未来に雷門中があった場所へ向かったアフロディ。陸上部がグラウンドで練習していた。
「宮坂さんって人、いませんか?」
「電話とか、いろいろ試してみたんですけど、全然出てくれなくて……」
「家にいるのは間違いないんだ。キャラバンにはいなかったからね。じゃ、押すよ……ってインターホンが無い!」
「風丸さんの家、インターホン無いんです」
「変にリアルだな……」
「やっぱり、そっとしておくのが一番なんじゃ……」
「だめだ。絶対にだめだ。このままじゃいけない。君の力がどうしても必要なんだ。さあ、この台本通りにやってみるんだ」
「台本、ですか?」
「この最後の方の、窓を壊して侵入するってところだけど、ガムテープを貼ってひじうちすれば窓が割れるって書いてあるでしょ? これけっこう力無いとだめだから、鉄パイプ使ってね。書き直しておくよ」
「な、なんだこんなやり方知ってるんですか!? 犯罪じゃないですかこんなの」
「前に、友達に教えてもらったんだ」
・ ・ ・
宇宙人とサッカーなんて、馬鹿げてる。最初から無理ってわかってたのに、調子に乗って俺は、俺は……。
円堂達、まだ宇宙人と戦ってるのかな。
携帯電話を開くと、着信履歴回数が溜まっていた。開くと、全部宮坂からだった。
尻尾まいて逃げてきたなんて、言えない。
ごめん宮坂、おれ、やっぱり弱いやつだったよ。
また、涙が出てきた。俺は普通に、サッカーやりたいだけなのに、なんで宇宙人にボコボコにされなきゃいけないんだよ。もう、わけわからないよ……
歌 BUMP OF CHICKEN 注(作者は別にBUMPファンではありません)
ラフメイカー
涙で濡れた部屋に
ノックの音が転がった
誰にも会えない顔なのに
もうなんだよどちら様?
「名乗る程たいした
名じゃないが誰かがこう呼ぶ
”ラフ・メイカー”
アンタに笑顔を持って来た
寒いから入れてくれ」
ラフ・メイカー?
冗談じゃない!
そんなモン呼んだ覚えはない
構わず消えてくれ
そこに居られたら泣けないだろう
ルララ ルラ ルララ ルラ
大洪水の部屋に
ノックの音が飛び込んだ
あの野郎まだ居やがったのか
消えてくれって言ったろう
「そんな言葉を言われたのは
生まれこの方初めてだ
非常に哀しくなってきた
どうしよう泣きそうだ」
ラフ・メイカー?
冗談じゃない!
アンタが泣いてちゃ仕様がない
泣きたいのは俺の方さ
こんなモン呼んだ覚えはない
ルララ ルラ ルララ ルラ
二人分の泣き声
遠く・・・
ドアを挟んで背中合わせ
しゃっくり混じりの泣き声
膝を抱えて背中合わせ
すっかり疲れた泣き声
今でもしっかり俺を
笑わせるつもりか
ラフ・メイカー
「それだけが生き甲斐なんだ
笑わせないと帰れない」
今ではアンタを
部屋に入れてもいいと思えたが
困った事にドアが開かない
溜まった涙の水圧だ
そっちのドアを押してくれ
鍵なら既に開けたから
ウンとかスンとか言ってくれ
どうした?おい、まさか
ラフ・メイカー?
冗談じゃない!
今更 俺一人置いて
構わず消えやがった
信じた瞬間裏切った
ラフ・メイカー?
冗談じゃない!
逆側の窓の割れる音
鉄パイプ持って泣き顔で
「アンタに笑顔を持って来た」
ルララ ルラ ルララ ルラ
小さな鏡を取り出して
俺に突き付けてこう言った
「アンタの泣き顔笑えるぞ」
呆れたが,なるほど笑えた
注(作者はBUMPファンではありません。ただ、雰囲気を出すために使わせていただきました。