二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン×REBORN!  神の復活  ( No.2 )
日時: 2012/01/15 14:39
名前: しろお (ID: xnzmqlIT)



「ここまで来れば……」
 ツナヨシは息を荒げて、肩を上下させる。人のいない路地裏に、二人は入り込んだ。
 綺麗な指輪がツナヨシの指にはまっている。アフロディが落ちくぼんだ目でその輝きを眺めていると、ツナヨシはアフロディの視線に気づいた。
「ああ、これ? 綺麗な指輪だよね……。あ! そうだ! ごめん! こんなことに巻き込んじゃって……本当にごめん!」
 ツナヨシはぺこぺこと頭を何度も下げる。この気弱そうな少年が、なぜマフィアに追われているのか。
「ってうわあ! 手から血が出てる!? もしかして、俺とぶつかった時、—————」
 ツナヨシはあの時の出来事を頭で再生する。
 アフロディが尻もちをついたとき、アフロディの手は地面に落ちていたガラスの破片を押さえていた。その時についた傷だろう。親指の付け根の部分がぱっくり切れており、アフロディの右手から血がぽたぽたとしたたっている。
「うわあー! 最悪だー! ご、ごめん。あ! そうだ! 俺の家まで来れば、ケガの手当てできるかも! それにここより安全だし……そうしよう! すぐそこだから、おいでよ! お詫びもちゃんとしたいし、ね!?」
「……僕は……。……新世界の………………神になる……」
「え!? どうしたの!? ぐ、具合が悪いのかな……もしかして菌が入っちゃったから……!?」
 アフロディの様子がおかしいのはツナヨシのせいではないが、ツナヨシは責任を感じてパニックに陥る。
「十代目ぇ!!」
 煙草を加えた少年が叫びながらツナヨシとアフロディに走って向かってくる。銀髪の髪を真ん中で分けており、かなりにらみを利かせた目つきをしている。
「あ、獄寺くん! 助かったぁ……」
「何かお困りですか!?」
「うん、ちょっと、ケガの手当てをしたくて……」
「ああ、任せておいてください! こんなケガ根性焼きで……」
 獄寺は加えていた煙草を手にとり、アフロディの白い手に煙草を押し付けようとした。ツナヨシが「ちょっとちょっと!(やっぱこの人こえぇー!」と言いながらそれを止める。
「そんなことしたら痛いって!」
「え? そうっすけど、俺、よくケガしたらこれで血を止めてましたよ」
「こ、怖ー。ところで、なんで獄寺くんがここに?」
「あーいや。それはですね。決して! 決して俺が十代目を日頃から陰で見守っているって訳じゃないんすよ!」
「え? ああ、うん……。え?」
「ほら、この女の血が、道に目印みたいに落ちちゃってるじゃないですか。なんか、十代目の命が危ないって、あなたの右腕であるこの俺の勘が当たったんすよ! こういうのって敵から逃げる時は致命的になるっすから、これからは気をつけた方がいいっすよ。でも心配しなくて大丈夫っす! 途中、フェイクとしてトマトジュースを使って違う道に敵をおびきだせるようにしといたっすから!」
「違う道? どこにおびきだそうとしてるの?」
「おい……ぼ……は女じゃ……な……」
 アフロディは何かを言ったが、声が小さくて獄寺とツナヨシの耳には入らず、二人は会話を続けた。
「山本ん家っす」
 にかっと獄寺は笑う。満面の笑みだ。






「山本の家!? 何やってんだよ獄寺くん!?」
「あーいや。別に山本の野郎を右腕争奪戦から外そうと考えてる訳じゃないっすよ全然! 全然そんなのこれっぽっちも考えてませんから! ま! あいつのことだからどうにかなりますよー」
「ま、まあそうだね。しょうがない、一旦家に戻るよ。獄寺くん、トマトジュースでフェイクしておいてくれる?」
「任せておいてください! 全部山本のところに繋げておきますから!」
「え、うん……。は、はは。じゃあ、よろしく」
 ツナヨシはアフロディを連れて路地裏を出て行った。
「おい。そこにいるんだろ? 出てこいよ」
「よく分かったね。君、何者?」
 いつのまに隠れたのか、ゴミ置き場の山積みになったゴミの中からばっとグランが現れた。
「人より聴覚は優れててな。てめえ、どこのバックがついてやがるんだ? 吐いて楽になった方がいいぜ。十代目は、人を殺すことは望んじゃいねえんでな。穏便に済まそうじゃねえか」
「別に……。俺はどこのファミリーだとかそういうんじゃないよ。あの長髪の子の知り合いなんだ。あのツナヨシとかいう男の子があの子のことを急に連れてっちゃってね」
「ふーっ。……なんかおめえよぉ、喋り方が骸みてえだな? なんかまた悪だくみして、憑依してんじゃねえのかぁ?」
「骸? 誰それ」
「ああん? 骸ってのは、変態エロサイコ電波人間鬼畜外道野郎二号機(改)のことだ。そうか、人違いだったか……。ん? ……お前……。肌の色悪くねえか? 具合でも悪いのか?」
「ううん、大丈夫だよ。生まれつきなんだ。俺、基山ヒロト。よかったら、手伝おうか? それに俺、ツナヨシ君の家の場所、知らなくて。案内してほしいんだ」
「だったら、さっき十代目についていきゃぁよかったじゃねえか」
「だって……。僕まで怖い人達に巻き込まれるのは、嫌だから」
「おお、まあ確かにそうだな。じゃ、構わねえぜ! 俺は獄寺隼人。見たところお前も中坊だな。お前も吸うか?」
 獄寺は煙草を一本勧める。「いや、いいよ。僕サッカー部だから」と基山は苦笑いを浮かべて断った。
「へえ。サッカーやってんのか。うちの中学は弱いけどよ、なんかあれだな、雷門中とかいうのが優勝したんだろ? 俺、昔イタリアにいたことあんだけどよ。けっこうサッカー熱いんだ、あそこは。俺の知り合いのサッカー好きにフィディオ・アルデナってやつがいるんだけどさ、あいつめちゃくちゃサッカー上手いんだぜ。イタリアの白い流星って呼ばれてんだそいつ。実は、その通り名を考えたの、俺なんだぜ! お前知ってるか? フィディオ・アルデナ」
「いや……。聞いたことないなぁ。僕、あんまりニュースとか見なくて。姉に禁止されてるんだ。悪い影響が出る、ってさ」
「お前も姉がいんのか。あの存在にはお互い苦労するよなー」
「ふふっ。僕達気が合うね」
「へっ、そうだな! じゃ、ちゃっちゃと終わらせんぞっと!」