二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン×REBORN! 神の復活 ( No.23 )
- 日時: 2011/12/21 21:54
- 名前: しろお (ID: P3q68tNF)
同じ時刻、バイクの先で、ラケットバッグを持った青年三人が何を思ったか悠然と立ちふさがった。
迫り来るバイクは三人を避ける素振りは見せずに加速し、三人もまたバイクを避けるどころか各々のラケットバッグからラケットとテニスの硬球を引っ張りだした。
「かよわい女の子を狙うなんてよくねえなあ、よくねえよ!」
「ラッキー。あのかわい子ちゃんにいいところ見せられるチャンス!」
「俺も手伝うよ! 菊丸ビーム!」
頬に絆創膏をつけた青年の一人がボールを打った。打球は運転手の右肩にヒットし、バイクがぐらぐらと揺らぐ。
「虎砲!」
緑のポロシャツと白のハーフパンツをまとっている青年の一人は、サーブを打つかのように高い打点でボールを打ち、そのボールは勢いよく、バイクの後部座席に座っている犯人の、ツナママのバッグを片手に持っている方の手の指に直撃し、バッグがその手から離れて宙に浮いた。
バイクはもう、三人が立つ位置の目と鼻の先まで来ている。
犯人二人組はやけくそになったのか、三人の真ん中に立っている青年に向かって猛スピードで突っ込んだ。
青年は余裕の表情のまま、間一髪でバイクの突進をひらりとかわしたかと思うと、右腕に持っていたラケットの横フレーム部分を、運転手のヘルメットに向けて思い切りよくたたきこんだ。
「どーん!」
運転手は衝撃でよろめき、とうとう犯人二人とも派手に転倒した。
「残念無念また来週ー!」
「あれ? 俺のサーブ当たったの? ラッk」
緑のポロシャツ青年の顔にサッカーボールがめりこんだ。一瞬時間が止まったかのように思えた。青年は目を開いたまま膝から崩れ落ち、地面にうつぶせになって倒れた。
「ぎゃあ!? す、す、すみません!」
アフロディは倒れた青年に駆け寄り、どうしたらいいのかわからずあたふたと慌てる。
倒れていた青年の手が、がしっとアフロディの白い手首を掴んだ。青年はがばっと顔をあげて言う。
「いえ、全く問題はないです。でもどうしてもお礼代わりに僕とデートしたいと言うのなら喜んでします」
そういう青年の鼻からは不格好に鼻血が流れている。
「その人、体は丈夫だから、ほっといてもいいっすよ」
「桃の言うとおり! 君がこのバッグの持ち主?」
「あ、ありがとうございます」
「やばっ。早く警察呼ばないと! 桃、携帯電話で警察呼んで!」
「うぃーす!」
桃と呼ばれた青年は青と白のジャージのポケットから携帯電話を出す。
一連の出来事を見ていた通行人達が、青年達に惜しみない拍手を送った。
「ははは、いやあ、どうもどうも」
「へへ、照れるにゃあ」
ありがとうございました、ありがとうございましたとお礼を言いながらアフロディは何度も三人に頭を下げる。
「うう……なかなかいいキックだったよ、かわい子ちゃん……」
倒れている千石が言う。しかし、アフロディは満足していなかった。
(やっぱり、ドーピングしていた時よりコントロールもスピードも劣っている……)
ツナママが荷物を抱えてアフロディに追いついた。
「ああ! よかった! 本当にありがとうございます!」
「あ、このバッグっすよね。どうぞ」
桃はバッグを手渡す。
(それにしてもすごい……。この人達のショットのコントロール、それに威力も、とてつもなく高い……! 何より運動能力のセンスといい、何者なんだ)
アフロディは久々に心臓が高鳴る感覚を覚えた。