二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン×REBORN! 神の復活 ( No.26 )
- 日時: 2011/12/23 18:36
- 名前: しろお (ID: q2hpcYUq)
「にしても、まさかひったくりなんて実在するのねー。私、びっくりしちゃった!」
奈々が何故か嬉しそうにしている。本当に彼女は底抜けに明るいというかのうてんきだ。
「何! 奈々ちゃん、ひったくりに遭ったのか!?」
「うん、今日ね、照美ちゃんとお買い物の帰りに、こうぶわーって持ってかれちゃったの!」
「……なるほどな」
相づちで、家光の雰囲気が変わる。それまでのだらっとしたオーラが一変、家光の目が鋭い光を放ち、静かな空気を周りに生み出す。
こころなしか顔つきも変わったようで、ハードボイルド。
「奈々。飯、うまかったぜ。ちょっと出かけてくる」
「あれ? どこかにでかけるの?」
「なあに……。ちょっとオシゴトができてな。じゃあな、奈々」
雰囲気が変わってから、奈々にちゃんづけをしなくなった。家光はさっと家を出て行った。
「お、おいリボーン。父さん、何しにいったんだ?」
「……まあ、明日にでもわかるだろうな」
「はあ?」
「ツナ兄、ただいまー!」
「おおフゥ太、お帰り」
フゥ太は小さな男の子だった。潤んだ目とシマシマのマフラー、そして大きな本を持ち歩いているのが特徴的である。
「あれ、その人だあれ?」
「ああ、アフロディっていうんだ。アフロディは最近、この家に居候してるんだ」
「そうなんだ! よろしく、アフロディさん! 僕フゥ太!」
「よろしくね、フゥ太くん」
アフロディは席に戻り、みそ汁の茶碗に手をつけて、とめる。
「あ。ねえリボーン、僕の家庭教師の人って、どんな人なのか聞いて良いかな?」
それを聞いた後、みそ汁をすする。
「かまわねえぞ。お前の家庭教師をやるのは、内藤ロンシャンっていうやつだ」
内藤ロンシャンという発音のリズムは、奇妙である。アフロディはそれがおかしくて、ぶっとみそ汁を吹いてしまいそうになった。が、すぐさま手に口を当ててぐっとこらえる。
「うっ……ぐっ。ごほっ、ごほっ」
「どうしたんだ?」
「い、いや、なんでもないよ……」
「はいはい、ランボさん、ここで一曲歌うもんね!」
「おまえのへたくそな歌なんて、誰も聞きたかねえぞ」
「ランボさんの悪口言うな! リボーン、ちね!」
死ねと言いたいらしい。ランボは頭の髪に手をつっこみ、さっと手榴弾のようなものを取り出した。
「ちねー!」
なぜ手榴弾がランボの頭の中にあるのかは謎だが、リボーンの跳び蹴りによって暴動はすぐに鎮圧された。
「ツナの家って、こんなにいつもにぎやかなのかい?」
アフロディの質問に、ツナは肩をすくめながら「まあね」とため息混じりに言った。だがその表情には、うれしさも見て取れた。
そういうよい雰囲気のまま、今日の食事は終わり、その日は終わった。
ベッドのうえ、昼間の出来事で自分の弱さを思い知り、歯がゆい気持ちで夜を過ごすアフロディ。そして印象に残る、あの三人組。
(何かが変わる気がする。あの三人に、もう一度会いたい)
アフロディはそんな思いを持ちながら、眠りにつくのであった。