二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン×REBORN!  神の復活  ( No.35 )
日時: 2012/01/03 11:13
名前: しろお (ID: Yr.T0v.g)

 その頃。アフロディ達のいる遙か遠く。
「んんー! 青空の下って気持ちEー!! ちょっとここらで昼寝でも……んがっ痛っ!」
 天然パーマの少年が寝そべった途端、サッカーボールが彼の顔の上に落下してきた。
「痛っつー! なんだこれ? ……なんだ?」
 少年はサッカーボールのことを知らないのか、ボールの外側をつついたりなでたりしている。頭の中も天然のようだ。
「あっ。これわかった! 卵割り機だ! やった超うれC!! 前から欲しかったんだこれ! 氷帝のみんなにも見せてやろーっと!」
 彼の中で卵割り機のイメージがどうなっているのか全く持って不明であるが、とにかくそうだと勘違いした少年は陽気にスキップでその場を去っていく。
 アフロディとロンシャンがその場にかけつけた時にはもう、ボールもその少年の姿も残っていなかった。
「おかしいな、このあたりに落ちたと思ったんだけど……」
「ちゃったらもうあきらめて、ピースピースってな具合で新しいボール買いに行こうー!」
「そうだね……。きっと、ボールを見つけた少年が、遊びや練習に使ったりしてくれるはずさ。そう考えたら、あんまり気にならないしね」
「おっとっと! 照美ちゃんの思考、ばりばり明るくなったんじゃないのー!?」
「そ、そうかな。……僕、昔から貧乏だったからさ。よく落ちてたサッカーボールを拾って、うちに持って帰ったりしたんだ。人の物を勝手に持ってくるなって母さんには怒られたけどさ、父さんはそのボールを使って一緒に遊んでくれたんだ。……」
「なるへそねー。そういや、照美ちゃんがサッカーやりだしたのって、パピーの影響が強いんだったよねー!」
「そうだよ。僕が小さいときに、父は亡くなってしまったけど」
「ふーん。じゃあ大変だったんだ。ボンビーはつらいねー! じゃ、最後にアルゼンチン代表のテペス選手について話すよ!」
「テペス……。アルゼンチンの代表チームの中では、メッシに次ぐスター選手だね」
 ロンシャンの話。
 テベスが少年だった頃、当時ボカFCにいたに居た当時のスーパースター、リケルメからサインを貰った。
そのリケルメはスラム街出身ではなかったが、テペスはスラム生まれの自分にも分け隔てなくサインしてくれたリケルメに大感激し、憧れた。
リケルメのサインがプロ選手への夢を膨らませ、支えるものの1つにもなったので、ファンサービス熱心なことで有名になり、スーパースターになった今でもファンのサイン要求には必ず応じるテベスなのでした。ちなみに、テベスの首と胸にある傷は、子供の時、あやまって熱湯を被ってしまったときに火傷を負った跡。無知な母親が火傷した患部を毛布のようなものでくるんで病院に行ったので、跡が酷くなってしまった。貧乏だったので最低限の治療しかできなかったせいもあるが。
今はお金もあって、傷跡を消すこともできるが、自分がスラム街出身であることを忘れたり恥じたりしない証しとして、手術しないと決めているのでした。ちゃんちゃん。
「そうなんだ。って、ボール無くしたことをいい話でごまかそうとしたって、そうはいかないよ! 天網恢々疎にして漏らさず! 神の目はごまかせないよ」
「げげっ、バレてた?」
「バレバレだよ。まあ、でも許してあげるよ。たくさんいい話が聞けたしね」
「ごめんよー! すっごい高くて性能のいいボール買ってあげるから!」
「普通のでいいよ。普通の、安いやつで」
「え? なんで?」
「今のテペスの話を聞いたら、そう思ったんだ。何故かはよくわからないけれど」
「まあ照美ちゃんがそういうなら、こっちとしても命令に従わないとねえ! ……へへへ、作戦通り」
「ん? 今なんか作戦通りって……」
「空耳空耳! 気にしない気にしない! スポーツショップへ行くぞぉー!」
「そうだね、行こうか」






 





 私立氷帝学園中等部。テニスコート脇。
鳳「ああっ! 宍戸さん! この記事! この記事!」

宍戸さん「んだようるせーな長太郎……ってマジかぁ!?」

忍足「なんやなんや。どないしたん?」

宍戸さん「ああ、忍足。ちょっと見ろよこれ」

忍足「新聞? どれどれ……。『青春学園テニス部大手柄! ひったくりをお得意のテニスで逮捕』……。…………。………………アカン、これはアカン」

向日「なんだよ侑士。つーかお前らまでどうしたよ練習は」

忍足「ええとこきたな岳人。これ、見てみい」

向日「はあ? 何言ってやが……なっ! 青学の奴ら! しかも菊丸じゃねえかよ。ピースしやがってあのヤローむっかつく! このうっぜえ笑顔を見るだけで吐き気がしてくらあ!」

鳳「それにしても青学すごいですね! ひったくり捕まえちゃうなんて!」

芥川「おーいみんなー! 卵割り機ゲットしちゃったー! 嬉Cー!」

忍足「ジロー、それ、卵割り機ちゃう。サッカーボールや」

ジロー「な、なんだって!? か、悲C……」

跡部「何してんだてめーら。練習はどうしたよ?」

忍足「おお、跡部に樺地。おもしれえもんが載ってるさかい、これ、見てみい」

跡部「アーン? ほう、ニュースペーパーか。俺様は毎朝欠かさず、コーヒーを飲みながら全ての記事に目を通してるんだ。そんな俺様に知らないことなどな…………………な、なんだと!?」

忍足「あ、跡部がショック受けとるで。立ったまま気絶しとる」

鳳「青学さすがだなー」

跡部「こうしちゃいられねえ! 青学にばっか良い格好はさせられねえからな! テメーら、俺達もやるぞ!」

宍戸さん「やるっていったって、何やるんだよ」

鳳「あっ、人助けですか!?」

忍足「そんな都合良くひったくり事件が起きるわけないやろ。しょっちゅうひったくりなんて起きてたらたまったもんじゃないわ」

向日「全くだぜ。平和が一番だ」

鳳「そうです! 平和が一番ですよ!」

向日「真似すんじゃねーよ鳳」

鳳「えっ……す、すみません」

宍戸さん「まあ忍足の言うとおり、たまったもんじゃねえよな。たまらんスマッシュだよな」

跡部「破滅への輪舞曲だ、覚えておけ」

宍戸さん「へいへい」

忍足「宍戸……今の狙ってボケたやろ」

跡部「忍足の言うとおり、そんな都合良く事件が起きるわきゃねえ。だが、いつまでも青学のやつらにこの跡部様が遅れを取るわけにはいかねえ。青学のやつらにばっかかっこつけさせられねーよ。なぁ、樺地?」

樺地「……ウス」
 
跡部「見てろよ青学。俺様達の美技に酔いな」


 続く