二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン×REBORN! 神の復活 ( No.37 )
- 日時: 2012/01/02 22:33
- 名前: しろお (ID: VfixNk8N)
リング争奪戦が終わり、並盛の町に再び一時の平安が戻りつつあった。とは言ったものの、アフロディが居候している家にはボンゴレという巨大なマフィアの十代目ボス沢田綱吉が住んでおり、当然トラブルが絶えることなどない。
そんなある日のこと。いつものようにアフロディと奈々が買い物を楽しんだ後の帰り道。
「うちは家族が多いから、買い物が多くて大変よー」
「家族……。はい」
家に住んでいる者はみんな家族だという奈々の考え方に、アフロディは自分も家族として見てもらっているんだと照れくさい笑みを浮かべた。二人が人通りの少ない道に入ると、黒スーツにサングラスの男がアフロディと奈々の前に立ちはだかった。
異変を感じ取ったアフロディはすぐに周囲を見渡す。前にいる男と同じ格好をした何人かが、奈々とアフロディの周りをとり囲んでいた。
「沢田奈々。……目標発見だ。車に乗せろ」
屈強な男達が二人がかりで奈々を乱暴に抱え込み、車の中に投げ入れた。取り押さえられるアフロディ。男達の動きは俊敏で、こういう犯罪に慣れているようだった。あきらかにボンゴレと敵対するどこかのファミリーだろう。
(まずい……! ツナのお母さんが!)
「ふが……ふがふが!」
助けを呼ぼうと叫ぶアフロディ。しかし布のようなものを噛まされてアフロディの声がでない。奈々がいる車に行こうと男達の手の中であがくが、屈強なスーツの男達は全く動じない。
「この娘はどうするんだ? データにはなかったが」
アフロディを押さえている男の一人が言った。
「血縁の者じゃねえだろうけど……。人質としての価値は少しはあるだろ。邪魔だったら殺せばいいだけの話だ」
リーダー格の男だろう。最初にアフロディ達の前に現れた男だ。きっとアフロディはにらむが、相手のサングラスの闇に視線はむなしく消えていく。
腕を縛られた後、アフロディも無理矢理車に放り込まれた。
車が発進する。手は背中の後ろで縛られており、アフロディは身動きできない。その隣で、奈々も必死にもがいている。
どこに連れて行かれるのかという不安が、アフロディの心を恐怖で締め付ける。
「おい、あいつスモーキン・ボムじゃねえか!?」
運転手が叫んだ。アフロディは首をねじって前を見る。
獄寺だ。たばこをくわえながら、ダイナマイトを両手に持っている。突進してくる車に物怖じせずいつものクールな表情でいる、さらにその横には、額から火を出しているツナが立っていた。
そのツナにはいつものようなアホっぽさは無く、瞳が凛と澄んでいてまるで別人のようだった。
黒スーツの男達は獄寺を銃殺しようと懐から銃を取り出すが、銃口の回りに氷ができ、弾が発射できないようだった。
「死ぬ気の零地点突破、ファーストエディション」
(なんか、ツナかっけぇ! ほんとにあの人ツナなの!?)
歓心のアフロディ。ツナがここまで頼もしく見えたことはなかった。
「あいつ十代目か!? くそ、へなちょこなもやし男だと聞いていたぞ! それにこんな技は情報には無かった!くそ……」
「どうする!?」
「こっちには人質がいるんだ。銃が使えなくてもナイフがある!」
「おっと残念だったな。人質はもうおらん!」
笹川がいつのまにか車内に侵入しており、ドアを殴って破壊し、アフロディと奈々をぽいぽいと外に放り投げ、その後笹川自身も飛び降りる。
何の計画も無く外に投げた訳ではないらしく、奈々はイーピンがキャッチし、クッションとしてランボが下敷きになっていた。滑り込んできた山本がアフロディを受け止め、笹川はごろごろと車の後ろを転がり、「極限!」といいながらすぐに立ち上がった。
「ファインプレー、ってとこだな」
山本はアフロディが噛まされている布を外してやる。
「山本! ありがとう!」
「よせって。本当に困っている時に助けてやれるから友達なんじゃねーか」
「山本……かっこよすぎるよ!」
「まあここはちっと危ねえから、離れててくれ」
「うん。わかった」
やけになったのか、獄寺に向かって車で突っ込む黒スーツの男達。
「てめーらみたいなクズどもがマフィアの印象悪くすんだよ。ボンゴレなめんじゃねえ、果てな」
煙草の火でダイナマイトに点火し、車に向かって放り投げる。その強烈な爆風で車のフロントガラスは飛び散り、車体も派手に吹っ飛ぶ。
「山本、危ない!」
アフロディが叫ぶ。飛んできた車は、山本が立っているところに落下してきていた。
山本は慌てることなく、どこに忍ばせていたのか日本刀を構え、一瞬の早業で刀を振り抜き、山本の両横を縦真っ二つに割れた車体が通過していった。
「時雨蒼燕流は完全無欠、最強無敵さ」
刀を鞘に収める山本。「ちっ、かっこつけやがって」と獄寺が遠くで悪態をついている。
「みんな、助けてくれてありがとう!」
アフロディはお礼を言う。
「なあに、うちの寿司屋で、マフィアごっこに勝った打ち上げやってたからな」
「マフィアごっこじゃねえっていってんだろーが!」
「ああ、わりぃわりぃ」
一連の出来事を陰から見ていたリボーン。
「山本、いい動きだったぞ」
「おっ。小僧! 見てたのか」
「赤ん坊! 俺は!?」
「笹川か。二人を救出してイーピンや山本ともよく連携がとれてたな。合格だ」
「リボーンさん! 俺はどうでしたか!」
「獄寺は……。アフロディとママンをこんな目に遭わせた時点で右腕失格だな」
「ガーン」
「俺はどうだったリボーン!?」
「ツナか。なんか迫力に欠けたな」
「ガーン」
「ランボさんは!? ランボさんは!?」
「邪魔だった」
「ガーン」