二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン×REBORN! 神の復活 ( No.4 )
- 日時: 2011/12/02 14:09
- 名前: しろお (ID: eR9v1L6x)
「な、なんで俺の名前知ってんだ? ひょっとして、俺たち、会ったことあるっけ? わりぃ、俺物覚え悪くてさー」
山本はへらへら笑う。
「俺、不動明王っていうんだけどさぁ。あんた、サッカーやってみる気ある?」
「サッカー? ないぜ」
「即答かよ……。やっぱ、野球一筋みたいな感じ?」
「野球は今はやってねえよ。ちょっとケガしちゃってんだ。高校からは寿司の修行しなくちゃいけねえし、もうスポーツはやんねーぜ? 悪いな。お客さん、見たところ俺とあんまり歳変わんないみたいだけど、お金大丈夫なのか?」
「心配すんなって。そうか。ま、気が向いたらここに電話してくれ。あんた見るからに運動神経良さそうだから、今からサッカーやってもプロになれるぜ?」
「おいおいモヒカン、そいつは野球のために命捨てるような馬鹿だぜ? ただでさえ、寿司職人の夢と野球選手の夢っつー人生の選択を今迫られてんだ。スカウトはやめてくれ」
そう言ったのは獄寺だった。なんだかんだ言っても、ファミリーには優しいようだ。
残念だ、と不動は言って特注のバナナ寿司を口に放り込む。
「へへっ、そういうことだ、不動。それに今、マフィアごっこが大変でさ。なあ、獄寺、なんつったっけ」
「マフィアごっこじゃねえってって何度も言ってるだろうが! リング争奪戦っつーめちゃくちゃ大変な時期なんだよ!」
「ああそうだったな! 悪い悪い」
——————獄寺君、本当は山本君と仲が良いんだね。きっとここにマフィアを呼び出したりするのも、山本君の注意力をあげて本気にさせるためなんだろうな。
と基山は一人心の中で呟く。
「獄寺君、マフィアなの?」
基山は驚いたふりをして獄寺に訪ねる。実際のところ、基山にとってマフィアは別に恐怖の対象ではないようだ。
「ん? 言ってなかったか? 俺はボンゴレファミリー十代目の沢田綱吉の右腕。通称スモーキン・ボム。またはハリケーン・ボムだ」
「へぇー! なんだかかっこいいなぁー。さっきのツナヨシって人が、そのボンゴレファミリーで一番偉いんだね?」
「まぁそうなんだが、微妙に違うんだ。本当はまだ完全に十代目になった訳じゃなくて、十代目の候補の一人なんだ。んでもって、近々本物の十代目を決める争奪戦があるんだよなー」
「怖いなぁ……」
「今は俺達、それに向けての修行中の身なんだが、今日は珍しく休憩をもらえたんだ」
獄寺はそう言ってポケットから煙草を取り出し、火をつけた。
しかしすぐにふっと消えた。獄寺の後ろの壁に包丁が突き刺さる。
「獄寺。ここは禁煙だぜ? つーかあんま煙草は体に良くねーぞ?」
あまりの早業に基山でさえも反応できなかった。山本が包丁を投げ、煙草の火のついた部分だけを見事に切断させたのだ。
「なんだ? やんのかコラ? ここで右腕の座を決めてもいいんだぜおい!?」
「まあまあ、獄寺君、落ち着いて。ね?」
基山も、山本武が欲しくなっていた。とてつもない才能を秘めている、基山はそう感じた。彼はエイリア学園というところでサッカー部に所属しており、不動と同じくスカウトしたくなったのだ。
「なぁ、山本さんよお。ここらへんで、あんたと同じくらい運動ができる奴がいたら教えてほしいんだが」
不動はお腹をさすりながら尋ねる。充分満腹のようだ。
「お? そうだなあ。ボクシング部の笹川先輩とかか?」
「ボクシング……。そいつがサッカーをやる可能性は?」
「ははっ。あの先輩風に言うなら、『そんな可能性は極限にゼロに近い!』、だぜ? 俺より難しいだろうな、間違いなく」
「極限? 天然は苦手なんだよなー。難しいなら、いいや。帰宅部とかによさそうな奴はいねえの?」
「帰宅部でもいるぜ! 雲雀恭弥ってやつと、ツナだな。だけどスカウトなら雲雀はやめておいた方がいいぜ。おすすめはツナだ」
「ツナ? そんなふざけた名前の奴がいるのか。まあ、使えそうならスカウトしてみるか」
「おい! モヒカンに山本ふざけてんのか! 十代目は今リング争奪戦で忙しいんだ! サッカーなんてやってられっかよ!」
「あー。そうだったな。でも、あいつ友達すくねえし、会ってみるくらいならいいんじゃねえか? どうせ今日は久々のフリーなんだしよ!」
「獄寺君、俺も沢田君に会ってみたいな。どうせ沢田君の家には後で行くつもりだったんでしょ? 行こうよ!」
「なぁっ!? はぁ……。……だーっ!! わーったよ、だったらさっさと仕度しろや! ったく、本当に十代目はトラブルを『巻き込む』体質だよなー。右腕の俺も先が思いやられるぜ……」
獄寺は悪態をついた後立ち上がり、店の戸をがらっと開けて外に出て行った。基山もそれについていく。
「ごちそうさん。釣りはいらねえぜ。佐久間も源田も、おもしろそうだから行ってみようぜ」
「おう、毎度あり! 俺も行くぜ!」
ユニークなキャラクター達が集まることでそこにストーリーが生まれる。
宇宙人。自称神。十代目。右腕。寿司屋の息子。モヒカン。眼帯。ぼさ髪。
彼らがめぐり合ったとき。それはエイリア学園と戦うイナズマキャラバンが創設された時。
稲妻町の隣町、並盛町で起きる出来事。キャラバン創設時、吹雪はまだ北海道にいる。全く関係の無い時間と場所で、生まれたスト—リーは動き出す。
誰かが復活するために。
act.2に続く
かもしれない。