二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン×REBORN! 十年後の世界で ( No.59 )
- 日時: 2012/01/09 16:31
- 名前: しろお (ID: OROHjpgn)
「ええ!? なんで!? あの頃のアフロディ君じゃない!」
こいつ、見覚えがある。雷門中のマネージャーをしていた女子だ。
美人になったな。これが、十年の歳月というものか。
「でもどうやら、このアフロディはまだイナズマキャラバンには参加していないようなんだ。さっき、ダークエンペラーズの結成を阻止するよう頼んだ」
ダークエンペラーズと言われてもピンと来なかったが、とにかく元の時代に戻ったらやるべきことを教えてもらった。研崎とかいう男をどうにかしないといけないらしい。
今でこそこうして格好つけて話す風丸さんだが、さっきは僕にどうしてもやってほしいと懇願していた。
過去を修正するなんていう夢のような出来事に心を惹かれ、僕は乗り気で引き受けた。
で、木枯らし荘というアパートに連れてこられて、今に至る訳だ。
「でも過去を変えちゃったら、今の風丸君がいなくなっちゃうんじゃ……」と黒髪ボブカットのお姉さんが言う。
「心配するな。今でこそプロでサッカーやってる訳だけど、俺には陸上選手っていう夢があったんだ。その道に進むのも悪くない」
この人プロだったのか。凄い、サインもらっておこうかな。って僕が過去を修正したらこの人は陸上選手か。
陸上が好きなら陸上を続ければいいのにな。
「吹雪と相談してみたんだが、アフロディが元の時代に戻るまでここにいさせてやってくれないかな。家賃は俺が払う」
「や、家賃なんていいよ! 知り合いなんだし……」
「そうか? まあ、木野の旦那さんはアメリカでプロやってるからなぁ」
「ちょっとちょっと、まだ式はあげてないって!」
木野さんは顔を赤らめて、恥ずかしいのか風丸さんの腕をパシパシとたたく。
「で、色々円堂と相談してみたんだけど、雷門中に通わせてみない?」
「あっ、それいいね! 今の雷門イレブンの強さに、磨きがかかっちゃうね!」
なんだか勝手に話が進んでる。この流れはまずい、なんとしても元の時代に戻らないと。
先手を打つ。この時代でもし母さんが生きていれば、そこに住めばいい話だ。
「あの……」
「アキ姉ーーー!!!」
何者かに出鼻を挫かれた。いきなり部屋のドアあけて入ってきたそいつは、茶色のチョココロネみたいな天然パーマの少年だった。にこにこと笑っている。褐色の健康的な肌に、黄色と青のサッカーユニフォームがよく似合っている。
「あれ、お客さん?」
目があってしまった。瞳が幾重にも張り巡らされており、見てるだけで狂気に犯されそうだ。もちろんすぐに僕は目を逸らした。
しかし相手の方は僕に興味を持ったのか、どすどすと近づいてきた。
「俺ー、松風天馬って言います! よろしく!」
手を差し出してきた。さきほど木野さんに、「お客さん?」と訊いていたところを見るとこの狂気チョココロネ、木枯らし荘に住んでいるのだろうか。
前に獄寺に教えてもらった、握手したくないときに使うといいテクニックを今こそやるべきだ。
「あっ、ご、ごめん! 手相の占い方知らなくてさ。ははは……。あの、僕、母のところに帰ろうと思ってるんで送ってもらえませんか?」
この時、こうやって話題を変えるといいんだ。獄寺から教わったことだ。
風丸と木野は黙って、暗い表情になる。
「な、どうしたんですか」
重苦しくなる一方の雰囲気。その中で、風丸さんが口を開いた。
「つらいだろうが、昨年、アフロディの母は事故で亡くなったと円堂から聞いた。だから迎えに行ったんだ」
風丸さんは、僕が傷つかないように声に抑揚をつけてゆっくりしゃべった。
母さんが、亡くなった。と聞いて僕は、悲しく、というよりも暗くて陰鬱な気分になった。十年後の僕の母さんが亡くなった、と言われても元の時代とは時間差がありすぎて逆に実感がない。
吐き気が襲ってきた。自分でも顔の血の気が引いていくのがわかる。「ちょっとすみません」と断りを入れてから席を外し、アパートの外へ出た。
空は明るく、天気がいい。空を見上げているだけで、いくらか気分も良くなった。
誰かに頼りたくなった。母がいないこの時代、頼れるのはツナと並盛のみんなだけだ。獄寺に電話をかけてみたが、出ない。
「おかしいな」
何かあったのだろうか。まさか、さっき僕が電話をかけたせいで。いや考えるな、考えちゃだめだ。
メールアイコンが光っている。
気になって開いてみると山本からだった。もちろん十年後の山本。2通あり、2通とも山本が差出人で先に届いていた方から読むことにした。
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三人称が抜け切れてない…;
たまにアフロディとは思えない言動をしますがそれは全て作者のせいです。
ただひたすら完結だけを目指します。